この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。
元旦に歳神様(としがみさま)を家にお迎えするための準備とお見送りするまでの一連の流れ、それが「お正月の行事」と呼ばれるものです。
お正月は歳神様と共に、ご先祖の霊も帰ってきます。
ですから、もともとは「お盆」と同じように考えられていたのです。
「クリスマスリース」から「しめ縄」へ
クリスマスが終わると、それまで玄関に飾っていたクリスマスリースを外し、しめ縄を飾る人が多いです。
家の顔の飾りを変えると、「洋」から「和」へ大きく雰囲気が変わりますね。
でも、なぜか「クリスマスリース」と「しめ飾り」は似ているところが多いです。
常緑樹をベースに使うところや、飾り一つ一つに意味が込められているところ、「豊作祈願」「魔除け」の意味があるのも同じですね。
場所の東西は違えど、人々の願いは変わらないのでしょうか?
↓
歳神様が帰ったらお正月は終わりです
「松の内」が終わると、歳神様は空へ帰られます。
昔の人は、神様は「どんと焼き」の煙にのって帰ると信じていました。
最後まで、人間みたいでおもしろいですね。
↓
歳神様が帰られた後、私たちは「お供え」の鏡餅をいただきます。
神様のお下がりは縁起物なので「おしるこ」にしたりして、美味しくいただきましょう。
「鏡開き」をもって、お正月の一連の行事が終わりますよ。
1月7日は五節句の1つ「人日の節句」です。
この日は、「七草粥」を食べる日として知られていますね。
「春の七草」は「秋の七草」と違って食べられる草です!
この「春」というのは、ぽかぽか暖かい春ではなく「新春」を指しますよ。
春の七草と七草粥についてはこちらに。「百人一首」のゆかりの歌とご一緒にどうぞ♪
↓
「松の内」は1月7日までですが、その後に「小正月」があります。
これはどういう意味で何をする日なのか、今ではあまり気にされなくなった行事を紹介します。
↓
お正月の「行事食」について、まとめました。
お正月料理は、地方によってかなり違っていて、その地方の個性が表れています。
それはその土地に古くから受け継がれた風習や歴史、地理、気候などに大きく関係しているからです。おもしろいですね。
「お餅」が禁忌だった地域は「すいとん」のような形をしていますし、沖縄のように「お雑煮」を食べない地域もあるんですよ。
やっぱり主役は「おせち料理」
おせち料理の中身は、縁起をかつぐものであふれています。
日本人は昔から「ダジャレ」のような言葉遊びが大好き!
ですから、縁起物も「語呂合わせ」のようなものが多いです。
これは、昔々から日本人が「言葉」を、とてもとても大切に扱っていたことの表れだと思います。
一年の無病息災の願いが込められた「おせち料理」の由来・中身の説明とお重の詰め方などはこちらをどうぞ♪
↓
一言でおせち料理と言っても、とても多くの種類の具材があります。
お取り寄せの「おせち料理」には30種から40種に及ぶものもあるそうですよ。
でも、少人数の家庭やあまりおせち料理を食べない家庭では、縁起ものとはいえこんなにたくさんいらないわと思いますね。(わが家がそうなのですが)
そのような場合は「絶対外せない基本の数品+家族の好みのもの」で充分だと思います。
おめでたい席には「お屠蘇」を!
新年初めにいただくお酒といえば「お屠蘇」が思い浮かびますね。
初詣に行くと「お神酒(みき)」をふるまわれることもあります。
この「お屠蘇」と「お神酒」は、実は全く別の由来のものなんですよ。
私は下戸でして、お酒の知識は全くなく、この違いも全然知りませんでした。
へ~~っという感じでした。(´・ω・)
↓
お雑煮
さてさて、お正月料理の中でもっとも地方色が濃く表れるのは、「お雑煮」だと聞きますよ。
お雑煮の地方による違いは、本当におもしろく、いろいろ調べて細かく見ていくときりがありません。
お雑煮の個性はその地方独自の古くからの風習や文化、他地域とのつながりから生まれたものです。
ですから、地方の歴史を表すものでもあるのです。
お雑煮の「成り立ち」と「江戸」と「上方」のお雑煮の「違いが生まれたきっかけ・理由」について、こちらの記事でお伝えしています。
↓
おわりに
お正月は、日本人にとってとても大切なハレの「行事」・「儀式」です。
でも、昔のようにお正月前後の「行事」に多くの時間を使うのは、忙しい現代人の感覚や生活には合いませんね。
昔から江戸、現代に続く歴史の流れの中で、「お正月」の作法や過ごし方も、常に変化していっています。
ですから、こうでなければと決めつけたり、自分の価値観を人に押し付けたりせず、それぞれ自分のライフスタイルに合わせて、楽しむのが一番だと思います。(*^_^*)