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年が明けてお正月気分が抜けてくると、お正月の飾りをどうしようかと思い始めます。最近は、普段通りの生活に戻るのが早いですね。正月飾りを、自宅で可燃ゴミとして出す人も多いと思います。実際、私もそうしています。

でも、正月飾りは家にやって来た歳神様がお正月(松の内)の間、依り代としていたものです。

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処分するのも歳神様がお帰りになる日「松の内」が終わった後、関東は1月7日、関西は1月15日までが松の内とされています。

1月7日は七草粥を食べる日でもあるので、この日に正月飾りを外す家が多いです。

正月飾りをの処分の仕方

お正月が終わって正月飾りを処分する方法は、二つあります。
昔ながらの神社で処分してもらうか、自宅で処分するかです。

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神社で処分する場合

神社に持って行って、「どんと焼き」か「」お焚き上げ」で焼いてもらいます。たいてい1月15日に行われます。門松やしめ飾りなどで出迎えた歳神様を、これらを焼いた炎とともに見送るという意味があるのです。歳神様はこの煙にのって帰られると昔の人は信じていました。

新年に書いた「書初め」を一緒に焼いて、書道の腕前が上達するように祈願することもあります。また、この炎は神聖なものなので、この火にあたると若返ると言い伝える地方もあります。

鏡餅は、ここでは焼かないことが多いです。(このときに鏡餅を焼いて食べる地方もあり、また鏡餅とは別のおもちやお団子を焼いて食べる地方もあります。)鏡餅は鏡開きの後、お汁粉などにしていただくのが一般的です。

どんと焼きで焼いてよいもの

これは、地方によってかなり違いが見られます。

一般的には、門松、正月飾り、破魔矢、お守り、お札、書初めなどです。
年賀状やだるまは、よい所とだめな所がありますし、人形やぬいぐるみも神社によってはありだそうですよ。でも、基本的には神事に使われるもの、神様にゆかりの物と考えます。

どんと焼きの由来

「どんと焼き」のルーツは、平安時代「左義長」に遡ります。
平安時代には、この日に宮中で陰陽師による祈祷が行われ、その年の吉凶が占われたそうです。
そして、それが次第に民間に伝わり、鎌倉時代には「どんと焼き」として行われるようになりました。

一時期、環境問題などを考慮しとり行う神社が減りましたが、最近は、伝統行事として保護しようという気運が高まって、全国でまた盛んに行われるようになってきました。

私の住む地域では、煙を敬遠されるのか「どんと焼き」をする神社があまりありません。
ですから、子供が幼稚園のとき、各家庭の正月飾りを持ち寄って、園の行事として焚き上げを行いました
このように地域や学校での取り組みも、増えているようです。
神社で行うものとは趣が変わってしまいますが、子供たちの記憶に残るのでよいと思います。

自宅で処分する場合

自宅でゴミに出す場合は、「お清め」をしてから出すとよいそうです。お清めには「塩」を使います。新聞紙や半紙の上に正月飾りを乗せて、四方に塩を撒き、その後、その紙に包んで他のゴミと分けて出します。(最後にもう一度、塩で清める人もいます。)

こういうものは、絶対こうしなければいけないというものではないので、自分が納得できればよいと思います。

正月飾りに限らず、大切にしていた物は同じように新聞紙で包んで、最後にお礼をいって、ゴミに出すとよいと聞いたことがあります。(私は塩で清めるまではしませんが。)
生ゴミと一緒のゴミ袋に入れるのは、心が痛むというようなものです。

例えば、大事にしていたお人形やずっと使っていて古くなったお財布などです。
私はいけたお花を処分するときも、他のゴミと分けています。
ちょっとした供養の気持ちですね。

さいごに

12月13日の「正月事始め」で歳神様を迎えるための準備をし、「門松」や「正月飾り」など歳神様の依り代となるものを整えて豊作と無病息災を祈願する、そして、松の内が終わると「どんと焼き」でお見送りするという流れがあるとわかりました。

つまり、民俗学的にいうと、
お正月とは歳神様をおもてなしする一連の決まり事だったのですね。

 
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