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こんにちは。
 
 
蜻蛉(とんぼ)をテーマにした俳句を40句集めました。夕焼け空に赤とんぼといえば、秋の風物詩の代表ですね。
 
 
最初か最後の5文字を、蜻蛉(とんぼ)にまつわる語にすると、後の出来事を決めやすいですよ。

 
 

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「蜻蛉」

 

 
蜻蛉の仲間は日本に約200種生息しているそうですよ。大型のものは「やんま」と呼ばれます。また「赤蜻蛉」の小型のものは「秋茜(あきあかね)」と呼ばれます。
 
 
「とんぼう」「あきつ」「やんま」なども蜻蛉(とんぼ)と同じ季語です。
 
 
蜻蛉は「晩春」にはすでに姿を現すものもあり、夏には多くの蜻蛉が見られます。でも、やはり澄んだ秋空の下で飛ぶ姿が美しいため、季語では「秋」のものとされているのです。

 
 

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(1)正岡子規の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 

 
まずは、正岡子規の俳句をご紹介します。
 
 
正岡子規は、近代俳句・短歌の祖と呼ばれる明治時代の俳人です。
 
 
なぜそう呼ばれるのかというと、「俳句」という名称を作った人(江戸時代は「俳諧」と呼ばれていた)であり、平安時代に失われていた和歌とは別の「短歌」という言葉を復活させたからです。
 
 
それについては、こちらの記事でくわしくお伝えしています。
 
 
⇒近代俳句・短歌の祖・正岡子規とは?
 
 
彼は近代の俳句や短歌にとても大きな影響を与えた俳人です。
 
 
・いつ見ても 蜻蛉一つ 竹の先
 
・干柿に 蜻蛉飛行く 西日かな
 
・年五十 蜻蛉つりしことを 思ふかな
 
・牛若の 扇は赤き とんぼかな
 
・竹竿を さきに夕日の 蜻蛉かな
 
・蜻蛉の 影せつろしや 顔の上
 
・蜻蛉の 御寺見おろす 日和哉かな
 
・蜻蛉の 羽にかがやく 夕日かな
 
・旅人の 笠追へけり 赤蜻蛉

 
 

(2)水原秋櫻子の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 

 
水原秋櫻子(しゅうおうし)は名前に「秋桜(コスモス)」が入って美しいですが、本名は水原豊という男性の俳人です。
 
 
高浜虚子に俳句を学んでいましたが、後に離反しました。
 
 
ホトトギス派の代表といわれた「ホトトギス四S(シイエス)」の1人です。
 
 
ちなみに、「ホトトギス四S」は、水原秋櫻子、山口誓子、阿波野青畝、高野素十の4人です。
 
 
本業は産婦人科医で、実家が皇室御用達の産科だったたため、彼もたくさんの皇族の赤ちゃんをとりあげたそうです。
 
 
・山川の 瀬釣や笠に 蜻蛉来る
 
・蜻蛉うまれ つばさひかりを 得つつあり

 
 

(3)山口誓子の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 
山口誓子(せいし)は京都の俳人で、本名は山口新比古(ちかひこ)という男性です。
 
 
ホトトギス派を代表する「ホトトギス四S(シイエス)」の1人でしたが、後に水原秋桜子についてホトトギスを離脱しました。
 
 
「ホトトギス四S」は、水原秋櫻子、山口誓子、阿波野青畝、高野素十です。
 
 
・ぬきんでて ものの立てれば 紅蜻蛉
 
・交みたる 蜻蛉飛翔 に障りなし

 
 

(4)中村汀女の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 
中村汀女は、本名は破魔子(はまこ)という女性の俳人です。
 
 
昭和を代表する女流俳人ですよ。
 
 
・石けりに 蜻蛉も高し 向日葵も
 
・とどまれば あたりにふゆる 蜻蛉かな

 
 

(5)山口青邨の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 

 
山口青邨(せいそん)は、岩手県出身の俳人で本名は吉朗といいます。
 
 
本職は鉱山学者で、師匠は高浜虚子でした。
 
 
・とんぼ翔つ 翅の朝霜 乾かして
 
・唐辛子の 如く辛きや 赤蜻蛉
 
・わが句碑に とまりいとしや 赤蜻蛉
 
・とんぼ飛ぶ 遠山色に 翅すかし
 
・一つ二つ 蜻蛉とべり 彼岸過
 
・田に水を 入るれば飛べる 蜻蛉かな
 
・庭古く われをしたへる 赤蜻蛉
 
・曾良の墓 いただきに蜻蛉 とまらせて

 
 

(6)飯田蛇笏の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 

 
飯田蛇笏(だこつ)といえば、芥川龍之介ゆかりの人(?)という印象があります。
 
 
⇒『飯田蛇笏』芥川龍之介(青空文庫)
 
 
蛇笏は芥川龍之介と手紙のやりとりをしています。芥川龍之介が自殺することはなければ、直接会っていたのではないかなと思えますよ。
 
 
芥川龍之介の死に際して、蛇笏は『雲母』に芥川追悼の句を発表しています。
 
 
山梨県出身で、同じく俳人の飯田龍太は蛇笏の息子です。
 
 
・山霧に 蜻蛉いつさりし 干飯かな
 
・山風や 棚田のやんま 見えて消ゆ
 
・松たかく ながれ返りて 夕とんぼ
 
・あきつとぶ 白樺たかき 夕こずゑ
 
・とんぼかへす 断崖秋の 斜陽さし

 
 

(7)日野草城の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 

 
日野草城(そうじょう)は京都出身の俳人で、本名は克修(よしのぶ)といいます。
 
 
「ホトトギス」で学んだ後、「旗艦」を創刊、女性のエロスを主題とした句や無季俳句をたくさん作りました。
 
 
・大やんま 漂ふ月の 垣穂かな
 
・女の童 一人まじれり 蜻蛉釣り
 
・つよ風に 羽薄く飛べる とんぼかな

 
 

(8)種田山頭火の「蜻蛉(とんぼ)」の俳句

 

 
自由過ぎる俳句で知られる種田山頭火(たねださんとうか)
 
 
有名なのは、教科書でもおなじみのこちら。
   ↓
「分け入っても分け入っても青い山」
 
 
自由律俳句と言えば聞こえがよいですが、「つぶやき」か「一行日記」かというような自由奔放ぶりで笑える俳句満載です。
 
 
それはまた別の機会にお伝えするとして、今回のテーマのトンボは、のんびりした感じのが多いです。

もはや、どこで区切ったらよいのか、よくわからん句ばかりです。(-“-)
    ↓    ↓
・今日も 郵便が来ない とんぼとぶとぶ
 
・日向ぼつこは 蠅もとんぼも みんないつしよに
 
・水が とんぼが わたしも流れゆく
 
・いつも 一人で 赤とんぼ
 
・からだいつぱい 陽をあびて とんぼに好かれる
 
・陽あたり あつまつて とんぼの幸福
 
・石にとんぼは まひるのゆめみる
 
・つかれた脚へ とんぼとまつた
 
・とんぼ とまつた ふたりのあひだに

 
 
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