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こんにちは。
 
太宰治は、好き嫌いが分かれる作家さんですね。
 
 
それだけ作品と本人に際立った個性があるということでしょう。
 
 
私はかなり好きなほうで、とくに「女生徒」「お伽草子」など中期の明るい作品が好きです。
 
 
もし「人間失格」のような暗い作品を読んで苦手だなと思っているなら、一度明るい作品を読んでみていただきたいと思います。
 
 
新たな発見があるかもですよ♪

 
 

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陽気なナルシスト?

 
 

 
 
文豪の中でも、今も多くの人に共感される太宰治。
 
 
彼は人生で5回も自殺を試みています。そのうち3回は心中でした。その最後の相手が、愛人の山崎富栄でした。
 
 
富栄とは行きつけの屋台で会い意気投合したのですが、その数日後、妻の美智子との間に次女が生まれています。そしてなんと、その8か月後には、他の愛人の子供を認知しています。
 
 
「とんでもない男ー!」ってなりませんか?
 
 
それでも、富栄は太宰の肺結核の看病をして、執筆活動を支え続けたそうです。

 
 

なぜか女性にモテモテの人生だった

 

 
生前も多くの人から、自堕落な生活を指摘されている彼ですが、女性にはアホみたいにモテていたようです。
 
 
なんとなく代表作「人間失格」の主人公のようなイメージを持ってしまいますが、実際の太宰は社交的で話し上手、酒席ではいつも話題の中心にいる華やかな人だったのです。
 
 
学生のファンや編集者など自宅への訪問客があまりに多いので、仕事場を別に構えるほどの人気者だったそうですよ。
 
 
その陽気さは、彼の本質の一部だったのでしょう。
 
 
そういうところが、中期の作品「お伽草子」「女学生」などによく表れています。

 
 

「道化」を演じるところに共感!

 

 
一方、「人間失格」を若い頃に読むと、主人公の「葉蔵」=「太宰治」のように思えます。
 
 
彼の陽気さは「道化」としての演技だったのでしょうか?
 
 
多分半分は正しく、半分は太宰の創作で狙ったものだったのでしょう。
 
 
彼は、実に巧みに「太宰治」という虚像を作り出しています。
 
 
女性が惹かれるのはその無邪気で陽気な本性と、生への不安と罪の意識を捨てられない自己矛盾をかかえたところなのかもしれませんね。
 
 
いろんな意味でギャップ萌え?

 
 

生い立ち・作風

 
 

 
 
それでは、彼の生い立ちを簡単にみていきますね。
 
 
太宰治は本名は津島修治といって、青森県の大地主の息子として生まれました。父は、貴族院議員を勤め、長兄は、後に青森県知事になります。大富豪です。
 
 
生活が荒れたのは上京してから、10代後半から東京で花柳界に出入りして、芸妓や女給など女性とつねに交流があったようです。
 
 
オシャレで話し上手、気の利いた冗談もうまい太宰は、すぐに人気者になりました。
 
 
東京帝国大学文学部仏文科に入学したのですが、当時、東大の仏文科は無試験で入れたそうなのです。入学したのはいいけど授業についていけず脱落しその後、退学になってしまいました。
 
 
21歳のとき、井伏鱒二に弟子入りしました。でも、そこで女性関係や借金でいろいろ問題を起こしています。
 
 
26歳のとき、急性盲腸炎から腹膜炎になり、麻薬鎮痛剤を使用し、それ以降、薬物中毒に悩まされるようになりました。彼は借金が多かったのですが、その多くは、薬代と豪遊費に消えてしまったのでした。

 
 

芥川龍之介を敬愛

 

 
太宰治が中学生の頃から芥川龍之介を尊敬(熱愛?)していたのは有名な話で、芥川龍之介のアゴに手を添えた写真のポーズをまねして撮った写真が残っています。
 
 
ほんとに憧れていて、大好きだったみたいですよ。
 
 
だから、第1回芥川賞受賞をなんとしてでも取りたかったのです。でも受賞できませんでした。そのとき選考委員の1人だった川端康成に、「作者、目下の生活に厭な雲あり」という私生活を批判の対象にされて、太宰は猛反発しています。
 
 
第3回芥川賞選考のときにも、川端ら数人の選考委員に「なんとか受賞させて~!」と懇願する手紙を送りましたが、新人作家ではないとの理由で棄却されました。
 
 
これは仕方ないですね。芥川賞は新人というのが条件でした。
 
 
芥川賞に固執したのは、芥川先生が大好きというだけでなく、生活苦から逃れるためという理由もあったようですよ。
 
 

多くの人に共感力される作品

 

 
太宰治の作品は、今も多くの人々に愛読されています。
 
 
「人間失格」のように読者に共感させる力の強い作家ですね。
 
 
私は、作品によって作風や文章の雰囲気がころっと変わるところが、太宰作品の大きな魅力の1つだと思います。また、素朴で簡潔な文章なので、すっと入ってくる感じがして読みやすいです。
 
 
読者の主観が入ることで、いろいろな解釈ができる作風でもありますね。
 
 
例えば「人間失格」は人によって着眼点が違いますし、同じ人でも中学時代に初めて読んだときと30代で再読したときとでは、違う主題が見えてたりします。
 
 
「人間失格」しか読んでなくて、太宰は暗いから苦手という人は、「お伽草子」など中期の明るい作品を、是非読んてもらいたいと思います。また、違う太宰治に気づくと思いますよ。

 
 

作品のバリエーションが豊富

 

 
彼は暗いテーマの作品だけでなく「女学生」「お伽草子」「走れメロス」など、まったく作風の違う明るい作品も残しています。
 
 
どちらかというと太宰の個性は、こちらの作品に近いのではないかなとも思えます。そして、こういう明るい作品も、高水準な文章力で書いているところがさすがなのです。かなりの技巧派ですよ。
 
 
太宰治は、2度目の心中未遂の後、石原美智子と結婚して一時的に立ち直りました。このときに一旦立ち直れたことで、これらの明るい代表作を生み出せたのです。

 
 

主な作品と冒頭

 

 
「人間失格」
「恥の多い生涯を送ってきました。」
 
 
「走れメロス」
「メロスは激怒した。」
 
 
「駆け込み訴へ」
「申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は酷い。酷い。」
 
 
「女生徒」
「あさ、眼をさますときの気持ちは、面白い。」
 
 
「斜陽」
「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ。」とかすかな叫び声をお挙げになった。」

 
 
 

太宰治の作品年表

 

 
●1909年6月19日
青森県の大地主の息子として生まれる。
父親は貴族院議員を務めた地方の名士。
本名は「津島修治」。
 
●1925年(16歳)
初めての作品「最後の太閤」を、生徒会誌で発表。
このころから芥川龍之介に傾倒し、芥川作品を読みまくる。
芥川先生が好きすぎて、ノートの余白に何度も「芥川龍之介」と書きつめた。( ̄▽ ̄)
 
●1927年(18歳)
旧弘前高等学校に入学。
芥川龍之介が自殺。大きなショックを受ける。
 
●1929年(20歳)
共産主義に目覚め、左翼活動を始める。
期末試験前夜に自殺未遂。
 
●1930年(21歳)
東京帝国大学文学部仏文科に入学。
(当時の仏文科は、ほぼ無試験)
尊敬していた井伏鱒二に弟子入りするが、私生活は荒れ放題。
カフェの女給と心中未遂し、女性のみ死亡。
 
●1935年(26歳)
大学を退学になり、新聞社への就職も失敗。
鎌倉山中で首吊り自殺未遂。
芥川賞に応募した作品が評価されるが「次席」となり賞を逃す。
 
●1936年(27歳)
これまでの作品を集めた処女創作集「晩年」を刊行。
パビナール中毒で入院。
内縁の妻・小山初代と心中未遂、その後、離別。
 
●1939年(30歳)転機‼
石原美智子と結婚し、精神的に立ち直る。
「富嶽百景」「女生徒」「皮膚と心」を発表。
 
●1940年(31歳)
「走れメロス」を発表
 
●1943年(34歳)
「富嶽百景」「右大臣実朝」を発表。
太平洋戦争が始まっているが、病気がちだったので戦争には行かず。
(1941年:真珠湾攻撃➾1945年:戦争終結)
 
●1944年(35歳)
「佳日」「津軽」など明るく透明感のある作品を発表。
 
●1947年(38歳)
「展望」「ヴィヨンの妻」「斜陽」を発表。
「ヴィヨンの妻」は無頼派の評価が定まった作品。
「斜陽」は没落貴族の物語で「斜陽族」という流行語を生んだ。
 
●1948年(39歳)
病んでいた肺結核が悪化。精神面もボロボロ。
「人間失格」「グッドバイ」(未完の遺作)を発表。
「人間失格」は、戦後600百万部以上の大ベストセラーに‼
6月13日玉川上水で愛人の山崎富栄とともに心中し死亡。
 
遺体は1週間後、19日の太宰治の誕生日に引き上げられた。
2人の遺体は、しっかりと細ひもで結ばれていた。
墓は、本人の希望通り、三鷹・禅林寺の森鴎外の墓の向いに建てられた。
 
毎年、命日にここで太宰を偲ぶ「桜桃忌」が行われる。

 
 

おわりに

 

 
地方のお金持ちの家に生まれ、人気者で女性にモテモテで才能にも恵まれていたのに、破滅的な死を選んだ太宰治。
 
 
年表を追うと、ドラマティックな人生だなーと思えますね。
 
 
こんなダメ男なのに、「なぜ心中してくれる女性が3人もいたのか!」この点がすごく気になります。
 
 
それだけとんでもない魅力の持ち主だったからなのか、それとも自殺願望のある女性を嗅ぎ分ける嗅覚でも持っていたのか、いろいろ考えてしまいます。
 
 
でも、もしも一緒に死んでもいいとまで思える人に出会ったら、幸せなのかもしれませんね。

 
 

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