この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。


 
こんにちは、このかです。
 
日本の行事は、その日だけ特別な物を食べるということが多いです。いわゆる「行事食」と呼ばれるものですね。
 
 
たいていの行事食は、元は縁起をかつぐため、神様への供え物として始まりました。
 
 
今回は、かわいらしいひな祭りの「行事食」について、お伝えします。

 
 

スポンサーリンク

ひな祭りの行事食

 

 
「ひな祭り=桃の節句」は、五節句の一つで、「上巳(上巳)の節句」と呼ばれます。
 
 
「節句」というのは、季節の節目になる日に五穀豊穣、無病息災を祈り、邪気を払って神様へお供え物をする行事のことです。
 
ちなみに五節句は、こちら♪
 
「人日(じんじつ)の節句」
ー(1月7日)ー「七草の節句」
 
「上巳(じょうし)の節句」
ー(3月3日)ー「桃の節句」
 
「端午(たんご)の節句」
ー(5月5日)ー「菖蒲(しょうぶ)の節句」
 
「七夕(しちせき)の節句」
ー(7月7日)―「笹の節句」
 
「重陽(ちょうよう)の節句」
ー(9月9日)ー「菊の節句」

 

 


 
「節句」は、昔は「節供」ともよばれていて、「神様にお供えする食べ物」を指す言葉でした。
 
 
ひな祭りの行事食には、こんなものがあります。
  ↓
白酒
菱餅
ひなあられ
はまぐりのお吸い物
ちらし寿司

 
それぞれすべて、縁起をかつぐおめでたい意味があるのですよ。

 
 

白酒

 

 
「桃」は古くから、邪気を払う厄除けの果実と思われていました。
 
 
また、「桃」は「百歳(ももとせ)」という言葉につながることもあって、桃の花びらをひたした「桃花酒(とうかしゅ)」が、縁起をかつぐ飲み物として飲まれていたのです。
 
 
桃花酒は、お屠蘇(とそ)と同じように、元は「薬酒」として中国から伝わったものなのですよ♪

   ↓


 
江戸・享保期(8代・吉宗の時代)になると、みりんに蒸したもち米や米麹を仕込んで熟成された「白酒」が定着していきました。
 
今では、「桃の節句」は女の子のお祝いなので、「白酒」の代わりに子供も飲めるアルコールの入っていない「甘酒」を代用することが多くなりました。甘酒と白酒は、見た目はほとんど同じですけど、中身はかなり違います。
 
 
酒粕ではなく米麹から作る「甘酒」は、ご飯に米麹を混ぜて保温して米のデンプンを糖化させたものなので、アルコールはほとんど含みません。
 
 
一方、「白酒」はみりんや焼酎に蒸したもち米や米麹を仕込んで、熟成させたもろみを軽くすりつぶして作ったお酒です。アルコール分は約9%とかなり高いです。酒税法ではリキュール類に分類されますよ。(参考:「たべもの語源辞典」)

 
 

スポンサーリンク

菱餅(ひしもち)

 

 
「菱餅」は、桃の花や春らしさが感じられるきれいな色をしていますね。
 
 
あれは、「色」に大きな意味があるのですよ。
 
 
ピンクは「魔除け」、白は「清浄、純潔」、緑は「健康」を意味します。上からピンク、白、緑の順で並びます。
 
 
また、他には、「雪(白)の下から緑が芽吹いて桃の花が咲く」桃の節句にちなんだ情景になぞられたという説もあります。(後付けっぽいですけど。)

 

ひなあられ

 

 
古代日本では、農業の神様にもち米を供えて五穀豊穰を祈る風習がありました。
 
 
「上巳の節句」では、ひな遊びの際に持っていく食べ物として「焼いた菱餅」=「ひなあられ」を携帯しました。それが、今のひなあられにつながったようです。
 
 
ひなあられの「色」にも、それぞれ意味があるのですよ。
 
「白」(雪)は大地のエネルギー
「緑」(葉)は木々のエネルギー
「赤」(血)は生命のエネルギー

を表します。
 
緑・赤・黄・白の4色ある場合は、緑が春、赤が夏、黄が秋、白が冬を指し四季を意味するといわれます。
 
 
★ひなあられは関東と関西で異なります。
 
 
関東は、甘いポン菓子(白)の中に緑とピンクに着色した粒を混ぜた物。
関西は、しょうゆや塩などで味を付けた物なのです。(おかきです^^♪)

 
 

はまぐりのお吸い物

 
 
はまぐりの貝殻は、対になっている貝殻でなければぴったりとは合いません。このことから、昔からはまぐりは夫婦仲の良い象徴とされていました。
 
 
娘が仲の良い相手と結婚して、一生幸せに暮らせますようにという、両親の願いが込められているのです。

 
 

ちらし寿司

 

 
「ちらし寿司」は、もともとはひな祭りの行事食ではなかったのですよ。
 
 
いつの間にか、女の子のお祝いに相応しい華やかさがあるということで、この行事の日に食べられるようになりました。
 
 
えびは「長寿」、れんこんは「見通しがきく」、豆は「健康でまめに働ける」という縁起のよい意味があります。
 
 
これらの食材は、縁起がよいのでおせち料理にもよく使われていますね。

    ↓

 
また、三つ葉や卵、菜の花を散らすことで、いっそう華やかになって、春らしいひな祭りのお料理に相応しく定番になりました。
 
 
ちらし寿司は、押し寿司や、茶巾寿司、太巻きなどの形で食べる地域もあります。
 
 
行事食は、使われる食材や食べ方が地域によって違うので、興味深いですね。

 
「ひな祭り」のまとめ記事はこちらです。(´▽`)♪↓

ひな祭り★ひな人形と行事食の由来や飾り方はこれでスッキリ【まとめ記事】