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こんにちは。
 
 
今日は、松尾芭蕉の紀行文「奥の細道」の中の俳句を、まとめてご紹介します!
 
 
松尾芭蕉のあの有名な俳句は「奥の細道」に入ってるの?
松島って「奥の細道」の旅の行程のどのあたりなの?
 
 
有名な作品だけあって、いろいろ気になる点が出てきませんか?
 
 
気になっても、いちいち調べるのが面倒だったりしますね。なので、今回は「奥の細道」の旅のルートに沿って詠まれた全ての「俳句」をバッチリ確認していきますよ。
 
 
あの有名な「俳句」が旅に出てからどれぐらいでどこで詠まれたのか、そういう気になる点を押さえましょう♪
 
 
今回は「俳句」に注目していますので、「散文」だけの章は省略しましたよ。

 
 

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紀行文「奥の細道」のルートを地図で確認

 

【出典元:http://www.basyo.com】

 
「奥の細道」のルートは上の地図のようになります。
 
 
江戸・深川が出発地で、東北地方を回り北陸地方の日本海沿岸部を南西に下って、岐阜県の大垣でゴールです。
 
 
「奥の細道」は紀行文なので、散文の間にそのときどきに詠んだ「俳句」がはさまる形で構成されています。
 
 
同行した弟子の河合曾良の句なども合わせると60句以上にもなるので、一句一句の説明は詳しくできませんが、順に読み進むことで芭蕉の旅の足取りがつかみやすくなると思います。
 
松尾芭蕉の5つの紀行文の特徴は、こちらでお伝えしています。合わせてどうぞ♪

   ↓

 
 

漂泊・旅立ち

 
1つ目の俳句は、芭蕉庵を出発するときに詠んだ発句です。芭蕉はこの句を含んだ表八句を懐紙にしたためて江戸・深川の家の柱にかけて出立しました。
 
2つ目の俳句は、芭蕉が旅の第一歩として旅日記の一句目に記したものです。よく知られている俳句ですよ。
 
草の戸も 住替る代ぞ ひなの家 
 
春(ひな)
 
行春や 鳥啼魚(とりなきうお)の 目は泪(なみだ) 
 
春(行春)

 
 

日光

 

 
日光で詠んだ俳句のうち、始めの「あらたうと」の句は、特によく知られています。是非、押さえておきたい名句ですよ!
 
あらたうと 青葉若葉の 日の光  
 
春(若葉)
 
剃(そり)捨(すて)て 黒髪山に 衣更 (ころもがえ) 
 
春(衣更)河合曾良
 
暫時(しばらく)は 瀧に籠るや 夏の初(げのはじめ) 
 
夏(夏の初)

 
 

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那須野・黒羽・雲厳寺

 
那須野・黒羽・雲厳寺で詠んだ俳句1句ずつです。
 
かさねとは 八重撫子(やえなでしこ)の 名成べし
 
夏(撫子)河合曾良
 
夏山に 足駄(あしだ)を拝む 首途哉 (かどでかな)
 
夏(夏山)
 
木啄(きつつき)も 庵(いお)はやぶらず 夏木立 (なつこだち)
 
夏(夏木立)

 
 

殺生石・遊行柳・白河の関

 

 
九尾の狐(玉藻の前)伝説の残る殺生石と西行の遊行柳(ゆぎょうやなぎ)に到着。
 
「殺生石」の伝説はこちらをどうぞ♪ 九尾の狐の伝説がおもしろいです。

      ↓


 
 
「白河の関」までが一つの関門だったらしく「ここまで来れたー」という気持ちが「奥の細道」の紀行文から伝わります。
 
野を横に 馬牽(うまひき)むけよ ほとゝぎす
 
夏(ほととぎす)
 
田一枚 植て立去る 柳かな
 
夏(田植)
 
卯の花を かざしに関の 晴着かな
 
夏(卯の花)河合曾良

 
 

須賀川・朝積山・信夫の里

 
風流の 初(はじめ)やおくの 田植うた
 
夏(田植うた)
 
世の人の 見付ぬ花や 軒の栗
 
夏(栗の花)
 
早苗(さなえ)とる 手もとや昔 しのぶ摺 (ずり)
 
夏(早苗とる)

 
 

飯塚の里・笠島・武隈の松

 

 
笈(おい)も太刀も 五月にかざれ 帋幟(かみのぼり)
 
夏(帋幟)
 
笠嶋は いづこさ月の ぬかり道
 
夏(さ月)
 
桜より 松は二木を 三月越し
 
夏(発句ではないので季語がなくてもOKなのです。桜より三カ月後とあるので「夏」だとわかります。)

 
 

宮城野・松島

 
あやめ草 足に結ん 草鞋の緒(わらじのお)
 
夏(あやめ草)
 
松島 や鶴に身をかれ ほとゝぎす
 
夏(ほととぎす)河合曾良

 
 

平泉

 

 
「奥の細道」の俳句と言えばコレ!ですよ!!
 
3句とも有名です。
 
始めの2つは、芭蕉と曾良が同じ場所(平泉)で詠んだ俳句です。
 
俳句の前の散文で奥州藤原氏の滅亡に触れているので、500年前のこの地であったことに想いをはせて詠んだとわかります。
 
曾良は、白髪を振り乱して奮戦し壮絶な最期と遂げた老臣・増尾兼房を想って詠んでいますね。
 
こちらの記事も合わせてどうぞ。詳しく書いています。

     ↓


 
 
夏草や 兵どもが 夢の跡
 
夏(夏草)
 
卯の花に 兼房(かねふさ)みゆる 白毛(しらが)かな
 
夏(卯の花)河合曾良
 
五月雨の 降(ふり)のこしてや 光堂
 
夏(五月雨)
 

 

尿前(しとまえ)の関・尾花沢

 
蚤虱(のみしらみ) 馬の尿(ばり)する 枕もと
 
夏(蚤)
 
涼しさを 我宿(わがやど)にして ねまる也
 
夏(涼しさ)
 
這出よ(はいいでよ) かひやが下の ひきの声
 
夏(ひき)
 
まゆはきを 俤(おもかげ)にして 紅粉(べに)の花
 
夏(紅粉の花)
 
蚕飼(こがい)する 人は古代の すがた哉
 
夏(蚕飼) 河合曾良

 
 

石立寺・最上川

 
山形県の石立寺と最上川で作ったこの2つの俳句も、とてもよく知られた松尾芭蕉の代表作です。
 
閑さや 岩にしみ入 蝉の声
 
夏(蝉の声)
 
五月雨を あつめて早し 最上川
 
夏(五月雨)

 
 

出羽三山

 

 
有難や 雪をかほらす 南谷
 
夏(南薫)
 
涼しさや ほの三か月の 羽黒山
 
夏(涼しさ)
 
雲の峯 幾つ崩て 月の山
 
夏(雲の峰)
 
語られぬ 湯殿にぬらす 袂(たもと)かな
 
夏(湯殿行)
 
湯殿山 銭ふむ道の 泪(なみだ)かな
 
夏(湯殿行)河合曾良

 
 

鶴岡・酒田

 
あつみ山や 吹浦(ふくうら)かけて 夕すゞみ
 
夏(夕すゞみ)
 
暑き日を 海にいれたり 最上川
 
夏(暑き日)

 
 

象潟(きさがた)

 
象潟(きさがた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花
 
夏(ねぶの花)
 
汐越(しおこし)や 鶴はぎぬれて 海涼し
 
夏(涼し)
 
象潟(きさがた)や 料理何くふ 神祭
 
夏(神祭)河合曾良
 
蜑(あま)の家や 戸板を敷て 夕涼
 
夏(夕涼み)美濃国の商人・低耳(ていじ)の作
 
波こえぬ 契ありてや みさごの巣
 
夏(みさごの巣)河合曾良

 
 

越後路・市振

 

 
文月や 六日も常の 夜(よ)には似ず
 
秋(文月)
 
荒海や 佐渡によこたふ 天河
 
秋(天河)
 
一家(ひとつや)に 遊女もねたり 萩と月
 
秋(萩)

 
 

那古(なご)・金沢

 
わせの香(か)や 分入(わけいる)右は 有磯海(ありそうみ)
 
秋(わせ)
 
塚も動け 我泣声は 秋の風
 
秋(秋の風)
 
秋涼し 手毎(てごと)にむけや 瓜茄子(うりなすび)
 
秋涼し 秋
 
あかあかと 日は難面(つれなく)も あきの風
 
秋(あきの風)
 
しほらしき 名や小松吹(ふく )萩すゝき
 
秋(萩すゝき)

 
 

小松・那谷寺(なたでら)

 
小松の多太神社参詣し、「源平の争乱」で散った源氏の老武将・斎藤実盛を想って詠んだ俳句です。
 
松尾芭蕉は、源氏びいきで、特に木曽義仲に思い入れがありました。「平家物語」でも有名なエピソード「実盛の最期」の聖地に立ててじーんときたでしょう。
 
むざんやな 甲の下の きりぎりす
 
秋(きりぎりす)
 
石山の 石より白し 秋の風
 
秋(秋の風)

 
 

山中温泉・全昌寺

 
山中温泉で、同行していた弟子の河合曾良が体調を崩してしまいます。曾良は旅を続けるのが困難になり、ここで芭蕉と別れ療養することになりました。
 
曾良の「行行て」の俳句にそのことが記されていますし、その後の「今日よりや」で芭蕉は曾良の離脱を悲しんでいます。
 
「笠の露」にその気持ちが表れているのですが、少し意味が分かりにくいですね。
 
曾良の離脱については、こちらの記事に俳句の内容と共にくわしく書いています。参考までにどうぞ。

    ↓


 
 
山中や 菊はたおらぬ 湯の匂
 
秋(菊)
 
行行て(ゆきゆきて) たふれ伏(ふす)とも 萩の原
 
秋(はぎ)河合曾良
 
今日(きょう)よりや 書付(かきつけ)消さん 笠の露
 
秋(露)

 
 

全昌寺・汐越の松・天龍寺・永平寺

 
終宵(よもすがら) 秋風聞(きく)や うらの山
 
秋(秋風)
 
庭掃(にわはき)て 出(いで)ばや寺に 散柳(ちるやなぎ)
 
秋(柳散る)
 
物書て 扇引さく 余波哉(なごりかな)
 
秋(扇置く)

 
 

敦賀・色の浜

 
 
月清し 遊行(ゆぎょう)のもてる 砂の上
 
秋(月)
 
名月や 北国日和(ほくこくびより) 定(さだめ)なき
 
秋(名月)
 
寂しさや 須磨にかちたる 濱(はま)の秋
 
秋(秋)
 
波の間や 小貝にまじる 萩の塵
 
秋(萩)

 
 

大垣

 
岐阜県「大垣」が「奥の細道」のゴールです。
 
芭蕉がここに到着したとき、たくさんの弟子が先に来ていて芭蕉を迎え入れてくれたそうですよ。
 
体調不良で離脱した河合曾良も来ていて、ここで再開を果たせました。
 
 
蛤の ふたみにわかれ 行秋ぞ(ゆくあきぞ)
 
秋(行く秋)
 
 
大垣の俳句も旅の最後の句ということで、よく知られています。こちらの記事でくわしくお伝えしているので、参考までにどうぞ♪

   ↓


 
 

これだけは押さえたい!有名俳句10選


「奥の細道」の俳句の中で、これは知っておきたいと思うよく知られた俳句をご紹介します。
 
 
本当は20句ほど選びたいところなのですが、10個に厳選しましたよ。私の好みが出ているので、参考までにしてください。

 

1.草の戸も 住替る代ぞ ひなの家(江戸)
 
2.あらたうと 青葉若葉の 日の光(日光)  
 
3.夏草や 兵どもが 夢の跡(平泉)
 
4.五月雨の 降(ふり)のこしてや 光堂 (平泉)
 
5.閑さや 岩にしみ入 蝉の声(石立寺)
 
6.五月雨を あつめて早し 最上川(最上川)
 
7.雲の峯 幾つ崩て 月の山(出羽三山)
 
8.荒海や 佐渡によこたふ 天河(越後路)
 
9.むざんやな 甲の下の きりぎりす(小松)
 
10.蛤の ふたみにわかれ 行秋ぞ(ゆくあきぞ)(大垣)

 

 
【松尾芭蕉の他の記事は、こちらにもあります。合わせてどうぞ♪】
   ↓


 
 
参考書籍はいくつかありますが、まずこの一冊というおすすめはこちらです。
 
 
ボリュームが多すぎず解説が分かりやすいので、古典のお勉強っぽくならず読み物としてサラリと読めますよ。

   ↓

by カエレバ

 
 
 

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