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梅は「松竹梅」の1つ、たいへんおめでたい植物ですね!
 
 
日本の古典では花といえば「桜」を指しますが、平安時代初期までは花といえば「梅」を指すことが多かったのです。
 
 
梅はあたたかい春に先駆けて、まだ寒い時期にいち早くつぼみをつける植物です。
 
 
だから、春を告げる花なのです。
 
 
縁起のよい植物ですし、凛とした風情のある梅を好む俳人や画家はたくさんいます。

 
 

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梅の季語はもりだくさん!

 

 
「梅」の季語は、「梅」だけでなく、関連したいろんな美しい季語があります。
 
よく使われる季語の代表はこちら♪
    ↓
紅梅・白梅・黄梅
寒梅・梅が香
梅匂う・梅の花
梅の里・梅林
青梅・冬の梅
梅月夜・梅見
梅紅葉・梅園
梅酒・梅干し
煮梅・実梅
枝垂梅 ・早梅

 
 

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とても有名な梅の俳句3個

 

 
ぜひぜひ知っておいていただきたい超有名な俳句を、まずはご紹介します!
 
 
梅が香に のっと日の出る 山路かな
 
 
作者:松尾芭蕉
 
 
早春の朝、山道を歩いていると、梅の香りにさそわれるかのように、太陽がのっという感じで顔を出したなあ。 
 
 
梅の香りに春の喜びを味う芭蕉の代表作です。「のっと」という表現がおもしろくて素敵! 
 
 
梅一輪 いちりんほどの 暖かさ
 
 
作者:服部嵐雪
 
 
服部嵐雪(はっとりらんせつ)は、松尾芭蕉の弟子でした。
 
 
この梅の俳句は、2通りの解釈があります。
 
 
本来の主流は「梅の花が一輪、また一輪と咲くにつれて、だんだん寒さがやわらぎあたたかくなっていくなあ」という解釈、春の訪れにワクワク心がはずむ明るい雰囲気になります。
 
 
もう1つは「梅の花が1輪咲いて、あたりにはその1輪ほどのかすかなあたたかさがあるなあ」という解釈です。こちらは、まだ寒さが残るけれど、美しくかぐわしい1輪の梅にほのかなあたたかさを感じ心をふるわせている俳句です。
 
 
どちらの解釈をとるかは、そのときのあなたの気分次第?
 
 
もう1つ、有名というよりおまけをご紹介・・・(´・ω・)
 
 
梅の花 一輪咲いても 梅は梅
 
 
作者:豊玉
 
 
こちらは新撰組副長・土方歳三(ひじかたとしぞう)の俳句です。
 
 
副長は故郷の多摩にいるころから俳句を詠むのが好きで、「豊玉」という雅号を使っていました。「豊玉発句集」という句集も出しています。
 
 
俳句のできは識者にはこき下ろされていますが、解釈なんて必要ないそのまんまのストレートな言葉選びが、個性的で素敵だと私は思います。
 
 
ちなみに彼の辞世の句はこちら。
   ↓
差し向かう 心は清き 水鏡
 
 
武士らしい生き様の表れた俳句と思いますが、いかがでしょう?

 
 

江戸の三大俳諧師の梅の俳句7個

 

 
松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶の「梅」の俳句を数個ずつご紹介します♪
 
やっぱり小林一茶の俳句がいちばん覚えやすい感じがします。(^^)
 
 
忘るなよ 藪の中なる むめの花 
 
作者:松尾芭蕉
 
世ににほへ 梅花一枝の みそさざい
 
作者:松尾芭蕉
 
しら梅や 誰がむかしより 垣の外
 
作者:与謝蕪村
 
散るたびに 老ゆく梅の 木末かな
 
作者:与謝蕪村
 
梅が香の 立ちのぼりてや 月の暈
 
作者:与謝蕪村
 
梅咲や せうじに猫の 影法師 
 
作者:小林一茶
 
梅さけど 鶯(うぐいす)なけど ひとり哉 
 
作者:小林一茶

 
 

近代以降の俳人の梅の俳句30個

 
明治時代以降の有名な俳人の梅の俳句を、30個ご紹介します♪
 

(1)正岡子規の梅の俳句

 

 
正岡子規は現代俳句・短歌の祖と呼ばれます。
 
 
彼は万葉集のような写実風の俳句を好みました。「俳句」「短歌」という言葉を作ったのはこの正岡子規です。
 
 
正岡子規については⇒★こちらに紹介しています!
 
 
白梅や 雪かと見れは 匂ふ枝
 
白梅に 魂入りし 月夜哉
 
白梅の 黄色に咲くや 年の内
 
白梅の 龍になるまで 咲きにけり
 
白梅や ほつと朝日の ふしの山
 
白梅や ゆきかと見れば 薫る枝
 
夕月や うしろに匂ふ 梅の花
 
紅梅の しだれし枝や 鳥も来ず
 
梅か香は うしろになりぬ 朧月
 
梅が香や 寂然として 九寸五分

 
 

(2)水原秋櫻子の梅の俳句

 

 
水原秋櫻子(しゅうおうし)は、本名は水原豊という男性の俳人です。
 
高浜虚子に俳句を学んでいましたが、後に離反しました。
 
ホトトギス派の代表といわれた「ホトトギス四S(シイエス)」の1人です。
 
 
「ホトトギス四S」は、水原秋櫻子、山口誓子、阿波野青畝、高野素十の4人ですよ。
 
 
紅梅に 思はぬ雪の 今朝飛べり
 
水滴の 凍るゆふべぞ 梅にほふ
 
盆梅の 香に明け暮れぬ 風邪の前

 
 

(3)山口青邨の梅の俳句

 
 
山口青邨(せいそん)は岩手県出身の俳人で本名は吉朗といいます。本職は鉱山学者で、師匠は高浜虚子でした。
 
 
はなびらを 重ね白梅も 紅梅も
 
白梅は その時咲かん 白山茶花いま
 
てのひらに うけてもさびし 梅落花
 
白梅も 白波もはや 遠ざかる
 
草を焼く 煙流れて 梅白し
 
梅の中 八重白梅の 枝は縫ふ
 
一本の 紅梅を愛で 年を経たり
 
さるほどに 夜の梅とは なりにけり

 
 

(4)日野草城の梅の俳句

 

 
日野草城は東京出身の俳人で、本名は克修(よしのぶ)、ホトトギスで俳句を学びました。
 
 
俳句雑誌にフィクションの新婚旅行の俳句を10句載せて師匠の高浜虚子に激怒され、「ホトトギス」を除名されました。
 
 
当時の俳句は、フィクションやエロティシズムの句はダメと厳しかったようです。
 
でも、虚子とは晩年に和解できたそうですよ。
 
 
日おもての 花のまぶしさ 白梅は
 
白梅に はげしき鳥の 羽音かな
 
白梅に 斜めなる日の あたりしのぶ
 
紅梅に 白い瀬音が ひゞいてゐる
 
梅が香や 月めく空の うすはなだ
 
枯芝に 坐りて四方の 梅日和

 
 

(5)飯田蛇笏の梅の俳句

 
 
飯田蛇笏(だこつ)は山梨県出身で、同じく俳人の飯田龍太は蛇笏の息子です。
 
 
白梅のさかりの花片舞へるあり
 
山風の 吹きおとろふる 梅月夜
 
梅園や 誰もひろはず 捨て扇
 
梅園や 雲ゆく月の 十日ごろ

 
 

 
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