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こんにちは、このかです。
俳句らしい響きだなーと私たちが思うとき、それは「切れ字」の音の響きの場合が多いです。
「や・かな・けり」で終わる語のことですよ。最近はあまり使われませんが、「なり・ぞ・かも」など、切れ字は他にもあります。
なんだか、古風な響きがしますよねー。
俳句を作るとき、別にこれらの切れ字は使わなくてもよいのです。
でも、短い音で俳句らしい雰囲気が出るので、是非、使ってみてほしいと思います。
「切れ字」に決まりはある?
まず、「切れ字」は、絶対に使わなければいけないというルールは、ありません。
あってもなくてもよいのです!
ただ、やっぱりよく使われるのには理由がありますよ。
1.昔からよく使われてきたから
2.俳句らしい響きがよいから
3.1~2音で、豊かな心情を伝えられるから
特に、3の効果は、なかなか大きいです。
俳句は、「17音」しか使えませんからね。
あと、切れ字には、1つだけルールがあります。
そのルールは、「切れ字は1つの俳句に1つだけ」というものです。
この点だけ、注意しましょうね。
(1)切れ字「や」
切れ字の「や」は、たった一文字で俳句らしさを感じさせることができる優れものです。「四音+や」でことばを強調して、詠嘆や呼びかけをする役割をしているのです。
私の好きな芭蕉の「奥の細道」の俳句に、たくさん使われていますよ~♪
旅立ちの句からしてそうです!
↓
「行春や 鳥啼き 魚の目は泪」
このように、上五に使われるのが一般的ですけど、中七に使うこともあります。
どちらにしても、読み手は「や」でいったん休止して、全体のイメージを浮かび上がらせます。
そして、それに続く言葉に、期待をつのらせるのですよ。
★「や」
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
「奥の細道」の有名な平泉の句です。
芭蕉は、このあともう一句詠んでますよ。
「五月雨の 降り残してや 光堂」
ここでは、「や」を中七で使っています。
中尊寺光堂が、印象づけられますね。(*´ω`)
(2)切れ字「かな・けり」
切れ字の「かな」と「けり」は、どちらも下五に使われることが多いです。
これは、このことばが、句を完結させる役目があるからなんですね。
どちらを使うかで、句全体の印象が変わります。
ですから、内容や伝えたいことに合わせて、使い分けましょう。
★「かな」
「~だなあ」と余韻を残したり、「~であることよ」と感動や詠嘆を表わしたりします。
「卯の花に 兼房みゆる 白毛かな」
この俳句は、芭蕉が平泉で「夏草や~」を詠んだときに、同行していた曾良が詠んだものです。
同じ風景を見て、同じく昔の戦を想像して詠んだ俳句で、「奥の細道」の中でも、この二つの俳句の流れは秀逸だと思います。
★「けり」
「~した」と断定した言葉で使われ、その瞬間の感動や詠嘆を表します。
「や」「かな」より強い言い切りなのです。
物事の決着をつけるとき、「けりをつける」という言葉がありますね。
その「けり」に通じる言葉なのです。
「涼しさを 絵にうつしけり 嵯峨の竹」
倒置的な用法で、「嵯峨の竹」を強調しています。
夏でも涼し気な嵯峨野の竹林の風景が、目に浮かびます~♪
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