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こんにちは。
 
松尾芭蕉は、旅に出て5つの紀行文を書いています。
 
そして、そのそれぞれの旅に、門人をお供に連れて行っています。昔の一人旅は危なかったというのもありますが、芭蕉の場合は、寂しがりやだったというのも大きい理由だといわれています。
 
 
ちょっと意外な感じがしませんか?
 
 
松尾芭蕉は、生真面目で辛抱強く清貧な人生を歩んだ人として知られていますが、実は孤独に弱い人だったそうなのです。
 
 
当時の有名俳諧師は、文人というよりは芸能人に近い存在だったので、芭蕉は人気者で周りに多くの門人たちが集まっていました。
 
 
芭蕉が旅に出るときに、同行したいと思う弟子が、たくさんいたのです。

 
 

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芭蕉の5つの旅の同行者

 

 
でも、旅に同行する門人は、宿の手配や地元の有力者への連絡、名所、歌枕の事前調査など、旅の雑事をテキパキこなせる能力が必要でした。
 
 
旅についていった門人は、このとおりです。
     ↓
『野ざらし紀行』ー千里(ちり)
『笈の小文』ー杜国(とこく)
『更級紀行』ー越人(えつじん)
『鹿島詣』ー宗波(そうは)と曾良(そら)
『奥の細道』ー曾良(そら)

 
河合曾良は芭蕉庵のすぐ近くに住んでいて、普段から食事など芭蕉の身の回りの世話をしていた人です。
 
 
また、彼は、長島藩に仕えていたこともあり、武人らしい実直さがあって、芭蕉は彼の人間性を信頼してたのです。
 
 
曾良は同行に選ばれて喜び、東北地方の名所など事前調査を綿密に行いました。彼は、地理学、神学に明るい知識人だったので、芭蕉は心強かったでしょうね。

 
 

『曾良旅日記』は『奥の細道』を読み解くのにめっちゃ大切!

 

 
芭蕉の旅のコーディネーターでマネージャーの役割をしていた曾良は、事務能力に優れていただけでなく、メモ魔だったそうです。
 
 
ですから、旅の記録をこと細かく書き残していたのでした。
 
 
それが、『曾良旅日記』と呼ばれるものです。
 
 
『奥の細道』が、江戸に帰ってから作品として創作を加えているのに対し、『曾良旅日記』は、旅の最中に書いた記録です。
 
 
ですから、この2つを合わせ読むことで、『奥の細道』とその旅について、より深く味わうことができるのですね。
 
 
でも、この『曾良旅日記』、発見され一般に知れ渡ったのは、昭和18年なのでした。
 
 
発見された当時、芭蕉研究者たちにすごいショックを与えたのだそうです。
 
 
それもそのはず・・・
 
 
『曾良旅日記』と『奥の細道』を照らし合わせると、ボロボロボロボロ内容に食い違いが出てきたのでした。

 
 

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芭蕉はウソつき?それともフィクション作家?

 

 
『曾良旅日記』が発見されるまで、『奥の細道』は松尾芭蕉が体験したしたことをそのまま書いたノンフィクションの記録と思われていました。
 
 
でも、旅の実録としてはるかに信用できる『曾良旅日記』と比べると、多くのすれ違いがあって、『奥の細道』がウソの多い紀行文だと分かったのです。
 
 
それで、『奥の細道』は芭蕉の作りものと、批判する人たちも現れました。
 
 
でも、今では、『曾良旅日記』で明らかになった『奥の細道』との違いを、むしろ芭蕉の文学的な創意工夫として、高く評価する見方が主流になっています。
 
 
フィクションを加えることで、より作品として文学的に高めようという芭蕉の想いがあったということなのです。
 
 
要するに、『奥の細道』は、芭蕉の旅の記録ではなく、芭蕉の旅をモチーフにして書かれた旅小説と考えるのが、正しいのでした。

 

おわりに


 
今回は、松尾芭蕉の『奥の細道』の同行者・河合曾良に注目して、お伝えしました。2人の作品を比べながら読むと、芭蕉と曾良の旅の内容が、いっそう深く伝わりますよ♪
 
 
■芭蕉の旅のお供・河合曾良について
 
●芭蕉庵近くに住み、普段から芭蕉の世話をしていた
●もと武人で実直な性格をし、芭蕉に信頼されていた
●地理学・神学などに詳しい識者で、旅の事前調査に長けていた
●几帳面なメモ魔だったので、貴重な旅の資料『曾良旅日記』を残せた
 
 
■『曾良旅日記』とは
 
●芭蕉の同行者河合曾良が、旅の途中に書いた「日記」
●『奥の細道』と食い違う点が数多くあり史実に近いのは『曾良旅日記』

 
 
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