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こんにちは。
 
 
今回は、有名俳句シリーズで「大根」を取り上げます。
 
 
「大根」は冬の季語ですが、「大根の花」は春の季語になりますよ。

 
 

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「大根」は冬の季語


 
寒い冬に熱々に炊いたお大根を食べると、体がぽかぽか温まりますね。
 
 
京都では毎年2月の初午にあわせて大原三千院などで「大根焚き(だいこだき)」(大釜で大根を煮たもの)がふるまわれます。
 
 
私も何度か参加したことがありますが、寒い寒い大原であつあつの大根をいただくと身も心もほんわりしました。

 
 

松尾芭蕉の大根の俳句


 
松尾芭蕉は、俳聖と呼ばれる江戸時代の俳諧師(俳人)です。
 
旅に出ていろんな俳句(当時は俳諧といった)を詠んでいます。
 
もののふの 大根苦き 話哉(かな)
 
身にしみて 大根からし 秋の風

 

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小林一茶の大根の俳句


 
小林一茶の俳句は、小学生の子供にとても人気があります。身近な動物や子供を題材にした俳句が多いので、覚えやすくで共感しやすいのでしょう。
 
作風は素朴てとても庶民的、庶民の日常の暮らしと想いを切り取って作ったような俳句が多いです。
 
 
大根で 団十郎する 子供かな
 
かつしかや 鷺(さぎ)が番する 土大根

 

正岡子規の大根の俳句


 
現代俳句・短歌の祖と呼ばれる明治時代の俳人です。
 
 
万葉集のような写実的な作風を好みました。「俳句」「短歌」という名称を作ったのは、この正岡子規です。
 
 
正岡子規と俳句・短歌については、こちらで詳しく説明しています。ご参考にどうぞ♪

    ↓


 
風呂吹に すべく大根の 大なる
 
あはれなり 大根畑の 梅一木
 
行きくれて 大根畑の 月夜哉
 
大根の 二葉に秋の 日さし哉
 
大根引く 畑にそふて 吟行す
 
両岸に 大根洗ふ 流れ哉
 
秋行くや 大根二股に われそめて
 
故郷の 大根うまき 亥子哉
 
野分して 牛蒡大根の うまさ哉

 

高浜虚子の大根の俳句


 
高浜虚子は愛媛県出身ですが、長く神奈川県鎌倉市で暮らした俳人です。
 
 
柳原極堂が創刊した俳誌「ホトトギス」を引き継いで、俳句だけでなく和歌、散文などを加えて俳句文芸誌として発展させました。夏目漱石など小説家からも寄稿をうけています。
 
 
大根を 鷲づかみにし 五六本
 
嘶きて よき機嫌なり 大根馬
 
大根を 洗ふ手に水 従へり
 
流れゆく 大根の葉の 早さかな
 
鬣を 振ひやまずよ 大根馬

 

山口青邨の大根の俳句

 
山口青邨(やまぐちせいそん)は岩手県出身の俳人で、本名を吉朗といいます。
 

 
本職は鉱山博士でした。俳句の師匠は高浜虚子です。
 
 
すこやかに 頭寒足熱 大根汁
 
みんなみを 日はわたりゆ く大根畑
 
わが立てる 大根畑 寒くなりぬ
 
一休も 一茶も祝へ 大根を
 
佇めば 大根衿を 抜き白し
 
冬めきて 大根の葉の 流るる日
 
はるかなる 葉のあらあらしきは 大根畑

 
 

山口誓子の大根の俳句


 
山口誓子(せいし)は京都の俳人で、本名は山口新比古(ちかひこ)という男性です。
 
 
ホトトギス派を代表する「ホトトギス四S(シイエス)」の1人でしたが、後に水原秋桜子についてホトトギスを離脱しました。
 
 
「ホトトギス四S」は、水原秋櫻子、山口誓子、阿波野青畝、高野素十です。
 
 
仏前に 名草大根 切つて立て
 
大根を 刻む刃物の 音つゞく
 
大根を 煮つゝそゞろに 冬はじめ
 
神饌の 菜園大根の 畑もあり

 
 

大野林火の大根の俳句

 

 
大野林火は神奈川県生まれの俳人です。本名は正(まさし)。東京帝国大学経済学部卒で臼田亜浪に師事し、俳誌「石楠」に俳句や評論を発表しました。
 
 
抒情的な作風の俳句を多く残し、俳誌『浜』を創刊したり後進の指導にあたる活躍をし、1953年には俳人協会会長に就任しています。
 
 
はつしぐれ 大根おろしに 甘味かな
 
大根洗ふや 風来て白を みなぎらす

 
 

加藤楸邨の大根の俳句

 

 
加藤 楸邨(かとうしゅうそん)は、本名は健雄(たけお)といいます。国文学者で水原秋桜子の弟子でした。
 
 
抒情的な作品より人間の生活や自己の内面に深く根ざした作風を好んで、中村草田男らとともに「人間探求派」と呼ばれました。
 
 
大根刻む音の ふと止む 何思ふ
 
蘿葡(すずしろ)と 呼べば大根 すらりとす
 
終りに近き ショパンや大根 さくさく切る

 
 

種田山頭火の大根の俳句


 
自由過ぎる流浪の俳人・種田山頭火(たねださんとうか)。
 
 
自由律俳句を代表する変人(天才?)なので、字数ルールは無視しまくりでどこで切るのかよくわからんみょうちきりんな俳句たくさん残しています。
 
 
彼のような俳人もいるので、思い切って自由に作るのもおもしろいかもしれません。(先生の添削を受ける場合はおすすめしませんが)
 
 
彼の俳句はその生き様を知ってこそ生きてくると思います。
 
 
大根漬けてから 長い手紙をかく
 
大根刻む音淋し 今日も暮れけるよ
 
こゝろあらためて 霜の大根をぬく
 
あんたが来てくれる 大根もふとうなつてゐる
 
ひとりぐらしの大根 きりぼしにすることも
 
のびあがりのびあがり 大根大根

 
 
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