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こんにちは。
クリスマスはもともと西洋の伝統行事ですが、今ではすっかり日本でもビッグイベントになってます。
最近は俳句でも「冬の季語」になっていますよ。
クリスマスで5文字なので、使いやすいですね。
今回はクリスマスとそれに関係する季語を使った俳句の例題を、明治以降の俳人の俳句からご紹介します。
目次
季語としての「クリスマス」いろいろ
クリスマスの季語は、クリスマスツリー、クリスマスケーキだけではありませんよ~。
「降臨祭」「教会」「ろうそく」などもそうですし・・・
クリスマスイブを「聖夜」、クリスマスツリーを「聖樹」と言い換えると、すごく美しい響きになると思いませんか?
素敵です♪
これらの季語の入った俳句をご紹介します。
(1)正岡子規のクリスマスの俳句
近現代俳句の祖・正岡子規は生涯にたくさん俳句や短歌を残しています。
子規についてはこちらをどうぞ~♪
クリスマスに 小き會堂の あはれなる
八人の 子供むつまし クリスマス
(2)山口青邨のクリスマスの俳句
山口青邨(せいそん)は岩手県出身の俳人で本名は吉朗といいます。本職は鉱山学者で、師匠は高浜虚子でした。
「クリスマス 近し~」などは句作に応用できそうですね。
らふそくの 燃えゆくはたのし クリスマス
サーカスの 灯があふるるよ クリスマス
ジヤコビンの 赤き蝋燭 クリスマス
タンネンの 葉に蝋涙 聖夜も更け
教会の 朝の鐘なる クリスマス
クリスマス 近づく金の 沓を買ふ
クリスマス 近づく雪の こよひまた
クリスマス 近し東の 博士たり
クリスマス 近し氷川 丸磨き立て
塔空に いくつもささり クリスマス
(4)山口誓子のクリスマスの俳句
山口誓子(せいし)は京都の俳人で、本名は山口新比古(ちかひこ)という男性です。
ホトトギス派を代表する「ホトトギス四S(シイエス)」の1人でしたが、後に水原秋桜子についてホトトギスを離脱しました。
「ホトトギス四S」は、水原秋櫻子、山口誓子、阿波野青畝、高野素十です。
山口誓子は、クリスマスの俳句をたくさん残しています。
楽しい雰囲気というより、美しい静寂感がただよう作品が多くて素敵です。
クリスマスツリーを「聖樹」と表した後半の「聖樹にて」シリーズ(?)がすごく綺麗で、はああってなります。
「銀の鐘」「雪の結晶」「星と鐘」などもクリスマスらしい透明感のある言葉なので活用できますね。
明星が 点る聖樹の てつぺんに
大の字の 星を聖樹の 先端に
六つの 華聖樹の 雪の結晶は
燈ばかりの 聖樹ホテルの 前に立つ
この聖樹 銀の大鐘 ばかり吊る
ずり落ちず 聖樹に積みし 綿雪は
ホテルの聖樹 梢には 金の星
ホテルの聖樹 覗きし鈴に 玉は無し
ホテル広場 電飾のみの 大聖樹
聖樹にて 五角の星を ひからせる
聖樹にて 樅の木のみが まことのもの
聖樹に て終始点れる 燈はあらず
聖樹にて 雪青くなり 紅くなり
聖樹にて 鳴ることもなき 銀の鐘
聖樹には 大き過ぎたる 星と鐘
聖樹には 綿をこんもり 積もらしめ
(5)飯田蛇笏のクリスマスの俳句
飯田蛇笏(いいだだこつ)は山梨県出身の俳人で、本名は飯田武治といいます。同じく俳人の飯田龍太は蛇笏の息子ですよ。
聖樹灯り 水のごとくに 月夜かな
聖樹ともり 大丸の窗 冬ぐもる
降誕祭 シャンツェ蒼き 夜を刷けり
(6)日野草城のクリスマスの俳句
日野 草城(そうじょう)は東京都出身の俳人で、本名は克修(よしのぶ)といいます。
エロ系俳句(と言っても当時の俳壇が厳しかっただけで大したことないです)と無季俳句という季語のない俳句の代表的俳人です。
始めの2つは、子供の俳句のような楽しさがありますね。子供の俳句の句作に応用できそうです。
クリスマス ケーキのビルが 灯つてる
クリスマス ケーキの薔薇は 砂糖です
クリスマスの 鐘のひゞける 月夜かな
クリスマスの 靴磨きゐる 牧師かな
をさな子も 深雪を帰る クリスマス
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