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ひな飾りは、赤い毛せんの上に美しい人形が置かれ、一番上には、キラキラ輝く金屏風が立てられています。
赤と金で、女の子のお祝いに相応しい華やかさがありますね。
毛せんの赤い色は「魔除け」の意味があるそうです。
今回は、親王飾りに添えられた「金屏風」と「ぼんぼり」について
お話しします。
金屏風
金屏風の歴史
屏風は古代中国で使われていたのもので、それが日本に伝わりました。
中国では「漢」の時代にはすでに、部屋の間仕切りや風よけとして使われていたそうです。
次第に屏風は文字や絵を描いた豪華な装飾品へ変わっていきました。
日本に初めて屏風が輸入されたのは7世紀のことです。
それは、朝鮮半島(新羅)からの献上品だったといわれます。
金色に輝く「金屏風」の屏風ができたのは室町時代です。
全体に金色を施した屏風は、絵が描かれたものと比べ華やかで、大変人気が出て人々の間に広まりました。
そして、江戸時代になると、儀式や節句などのおめでたい席で金屏風が使われるようになりました。
金屏風の意味
金屏風は、ひな飾りだけでなく、他でも見ることがあります。
結婚披露宴の高砂席や、芸能人の結婚記者会見などで、見られますね。
金色に輝く屏風は、やはりおめでたいイメージがあります。
結婚式で使われる金屏風には、
2人の人生が「金色」に光り輝きますようにという意味があります。
ひな人形に立てられているのは、結婚式のおめでたさのほかに、ひな人形の持ち主の女の子のこれからの人生が金色に輝きますようにという願いが込められているのです。
今では、金屏風に絵が描かれている豪華なものもあります。
雪洞(ぼんぼり)
ぼんぼりの由来
ひな段の一番上の男雛と女雛の外側には、「ぼんぼり」が置かれます。
ぼんぼりは、その形を見ても、明かりを灯すものだとわかりますね。
「ぼんぼり」は漢字で「雪洞」と書きます。
「雪洞(せっとう)」は、茶道で使われるもので、木または竹の枠に白い和紙を張って一部に窓をあけ、風炉の上を覆うものです。
普通は、火持ちをよくするために用います。
その「雪洞(せっとう)」と形が似ていたために、ひな飾りの明かり「ぼんぼり」にこの漢字を当てるようになりました。
「ぼんぼり」という言葉は、江戸時代に「ぼんやりしていてよく見えないさま」という意味で使われていました。
「ぼんぼり」の明かりは、和紙をとおして見るろうそくの火なので、ぼんやりほのかな明るさだったでしょう。
「ぼんぼり」(明かり)が必要な理由
江戸時代の結婚式は、式を行う時間が決められていました。
その時間は、「亥の刻」、今の時間の21時から23時にあたります。
もう夜なので真っ暗ですね。
ですから、ぼんぼりは必ず必要なものだったのです。
ひな人形は、江戸時代にできてからどんどん豪華なものになっていき、ぼんぼりにも美しい花や鳥の絵がえがかれるものも多くなりました。
おわりに
ひな人形が今の形になったのは江戸時代ですが、そのころに使われだした金屏風が、今も婚礼の席で使われているというのは、おもしろいですね。
昔の結婚式は、夜ということでしたが、江戸時代後期になると現代のように、日中にも結婚式が行われるように変わっていったそうです。
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