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嵐山の「ちりめん細工館」↑
すごくかわいい小物がいっぱい‼(´▽`*)‼
「つるし雛(つるし飾り)」は、この画像の右側にあるいろんな人形がつり下がっているすだれのような物です。(京都では「吊雛」とよびます。)
今は、このように売られているものが多いですが、昔は手作りでした。
今回は、つるし雛(つるし飾り)についてお話しします。
つるし雛の由来
つるし雛ができたのは、江戸時代といわれます。
当時、裕福でない一般の家庭では、ひな人形は高価で手に入れることができまないものでした。七段飾りの本式のものは、今でもかなり高価ですね。
しかし、ひな人形は、娘の幸せを願うものです。
庶民の家庭でも、子の幸せを願う親心は同じ!
そこで、お母さんやおばあちゃんが、娘や孫娘のために着物の布を使って手作りの人形を作りました。それを、つるして飾るようになったのが、「つるし雛」です。広く「つるし飾り」とも呼ばれます。
優しい思いが込められているので、人形一つ一つが「お守り」の力を持ちます。
そして、それぞれの人形には意味があります。
上の画像の「つるし雛」で確認できる人形はどれぐらいあるでしょう?
お花が目立ちますね。桜と梅があるようです。
他にもたくさん種類があります。
ここではその一部の意味を紹介します。
生き物
★おくるみ人形
かわいい赤ちゃんを暖かくくるむことから、いつまでも大切に守られる女の子に育ちますようにとの、願いが込められています。
★つる
鶴は「千年生きる」という言い伝えがあります。
長寿や健康を願って飾ります。
また、非常に美しい姿をしているので、見ると心が豊かになるといわれます。
★かめ
亀は「万年生きる」という言い伝えがあります。
長寿と健康の祈りが込められた縁起物です。
亀のコツコツたゆまず努力し、目的を達成できるといわれます。
★たい
赤い金目鯛は、めで「たい」縁起物。
おめでたいことがたくさんありますようにという願いが込められています。
赤い色には「魔よけ」の意味があります。
★ふくろう
ふくろうは「森の知恵者」です。
「不苦労」と掛けて、苦労をしなくてすむといわれる縁起物です。
★うぐいす
うぐいすは、「春を知らせる」ことが転じて「よい知らせを持ってくる」縁起の良い鳥です。
その美しい鳴き声を 聞くと幸運が訪れるといわれます。
★うさぎ
うさぎは優しく言い争いをしないので、しっかりした心優しい女性になれるといわれます。
うさぎの赤い目には、「厄除け」と「病魔退散」の霊力があるといわれます。
植物
★松
松は神様の依り代となる「青い木」です。
もっとも縁起のよい植物といわれます。
松は、樹齢が長いので長寿の象徴でもあります。
★竹・竹の子
竹の成長の早さ、まっすぐに育つところから、「たくましい生命力」を連想させる縁起物です。
とっても後から何度でも生えてくることから「子孫繁栄」の意味を持ちます。
★梅
梅は、厳寒に耐え、春を知らせるように真っ先に花を咲かせます。
美しくかぐわしい梅の花のように、凛とした美しい女性になりますようにとの願いが込められています。
★菊
菊は、格調高いおめでたい花です。
長寿の薬ともいわれ「重陽の節句」で用いられます。
「長寿」「厄除け」の縁起ものです。
★桜
左近桜(さこんのさくら)を連想させますね。
物事が始まり、そしてそれが末永く繁栄していきますようにという願いの込められた木です。
★にんじん
滋養がある食べ物の代表です。
子供が丈夫で健康に育ちますようにという、祈りが込められています。
その他
★俵ねずみ
ねずみは、七福神の一柱・大黒様の使いといわれます。
「金運」の縁起物です。
また、「俵」は五穀豊穣を表し食べ物に困らないといわれます。
★打ち出の小槌(こづち)
打ち出の小槌は、大黒様が持っている七宝の1つです。
振れば欲しいものが手に入り、望みが叶うといわれる宝物です。
「金運」の縁起物です。
おわりに
嵐山や祇園のちりめん細工のお店に行くと、「吊雛(つりびな)」という名でたくさん売られています。
四季折々の縁起物があるので、かわいいなと思って見ていたのですけど。
「ひな人形」の代わりの物だったとは‼(;・∀・)
知りませんでした。(汗)
小物にも、いろいろ歴史がありますね。
「ひな祭り」のまとめ記事はこちらです。(´▽`)♪↓