この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
こんにちは。
ひな人形は、それぞれみんな着飾っていて装飾品が多いですね。
特に、三人官女と五人囃子は、よく似ているので、だれに何を持たせればよいのか、迷ってしまいます。
今回は、その三人官女について、お伝えします♪
官女とは
三人官女は、ひな段の2段目という主役の2人のすぐそばの高い位置にいますね。
それもそのはずで、彼女たちは選りすぐりのエリート女性官僚だったのです。
中宮(お雛様)の身の回りは、男性に任せることはなかったので(後宮は男子禁制)、平安時代は、中宮(お雛様)のおそばに家庭教師を兼ねた女官(官女)を仕えさせたのでした。
官女はお雛様の身の回りのお世話だけでなく、管絃や漢詩(学問)、和歌、宮廷の行儀作法などあらゆる物事を教える教師の役割を担っていました。
平安時代に活躍した紫式部や清少納言なども、広い意味で官女です。
三人官女を並べる位置
三人官女は、とてもよく似ていますね。
まず、簡単にわかるのは、立っているか座っているかです。
3人のうち1人だけ立っている、または座っている官女がいますよ。
その人形が、真ん中の官女です。
もしも、すべて立ってる、またはすべて座っている場合は、眉がない(一人だけすごく薄い)官女が真ん中になります。
残りの2体の女官の左右の区別は、女官の「脚」に注目します。
外側の「脚」が前に出るように立たせるのが、正しい位置なのです。
三人官女の真ん中の人形は、眉毛がないだけでなく、お歯黒になっている場合もありますよ。
平安貴族は、結婚するとお歯黒にするしきたりがあったからといわれます。
ですから、真ん中の官女は年齢的にも上で、一番格上の「官女長」なのです。
三人官女それぞれの持ち物
官女を飾る位置が定まったら、後はどの官女に何を持たせるかですね。
三人官女は、それぞれ手に持つ物が違います。
真ん中の官女は「島台」または「三方」、
左(向かって右)の官女は「長柄」、
右(向かって左)の官女は「提子」を持ちます。
官女と官女の間には、「高坏(たかつき)」を置いて、おもちなどをお供えします。
島台(しまだい)・三方(さんぽう)
真ん中の官女が持っている台を、「島台」とよびます。
「島台」の代わりに「三方」を持つ場合もありますよ。
「島台」は祝儀の飾りの置物を置くために使います。入江の形をした島の姿に吉祥文様を配しているところから、「島台」とよばれるようになりました。
「三方」は盃を置くためのものです。
長柄(ながえ)
「長柄」は、左側(向かって右)の官女が持つもので、 長い柄のある酒器で白酒をつぐ道具です。
お酌するときは「提子」⇒「長柄」⇒「盃」の順にお酒を移します。
ですから位は、「盃」を持つ官女が一番上位、次が左の官女の「長柄」、最後が右の官女「提子」となります。
ここでも、「左が上位」となっていますね。
提子(ひさげ)
右側(向かって左)の官女は、鍋のような形の金属製の器「提子」を持ちます。「提子」は銚子の一種で、「長柄」に白酒を加えるための器です。
まとめ
三人官女は、みんな似ているので、毎年並べるときに悩んでしまいます。
でも、人形にもそれぞれの役割があるのだと思ってみていくと、いっそう親しみがわきますね。
「桃の節句」にふさわしいひな人形の世界は、知れば知るほどおもしろいです。
ひな人形のあるご家庭は、三人の「官女」の違いをじっくり観察してみてくださいね。(´▽`)
★三人官女は、宮廷で働くエリート女性官僚。
★お雛様の身の回りのお世話役。
★お雛様に勉強や芸術を教える家庭教師でもある。
★一人だけ立っている、または座っているものを真ん中にならべる。
★左右を決めるのは「脚」の出し方(前に出ているのが外側)。
★真ん中の官女は、既婚者で官女長。
「ひな祭り」のまとめ記事はこちらです。(´▽`)♪↓