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こんにちは。
 
今回は、俳句の間違いやすい季語について、お伝えします。
 
前に「意外な夏の季語」について書きました。
こちらです。
   ↓
俳句・間違えやすい意外な「夏の季語」・夏らしいけど「秋の季語」
 
今回は、「意外な秋の季語」です。
 
歳時記は旧暦をもとに四季が分けられているので、現代と感覚がズレていますね。
 
歳時記の秋は「立秋から立冬まで」です。
つまり、8・9・10月ぐらいになります。
 
8月の季語が今の感覚では夏らしいので、間違えやすいですよ。

 

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夏らしいけど「秋の季語」

 

 
●七夕(天の川・星祭り)
●お盆(盆踊り・迎え火・送り火)
●朝顔・スイカ

 
今の感覚では「夏でしょ!? 秋の季語だったのー!」というのがあります。
それは、たいてい8月の季語なのです。
 
旧暦の七夕は8月なので、七夕関係は秋になります。
また、お盆や終戦も、8月なので秋です。
 
植物では、朝顔、スイカは秋の季語と覚えておきましょう。
特に、朝顔を詠んだ俳句は多いので、要注意ですよ~。
 
松尾芭蕉の俳句から、朝顔と七夕の句を、ご紹介します。

 
 

(1)朝顔は 下手の書くさへ あはれなり

 

 
朝顔は、誰が描いても上手く描ける。下手が描いても趣があるなあという意味です。
 
これは、芭蕉が門人の嵐雪が描いた朝顔の絵を見て作った句です。
 
遠慮のない物言いですよね。
でも、嵐雪の絵を、けなしているように見えて、実は誉めていると分かります。
 
二人の間に信頼関係がなければ、こういう俳句は作れないでしょう。

 

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(2)七夕や 秋を定むる 初めの夜

 

 
七夕の夜は、秋になったことをはっきり感じさせる第一夜だなあという意味です。
 
この俳句は、京都の門人・野童のもとを訪れたときに作った句です。
 
野童亭で、七夕の秋の風情を、十分堪能できたのでしょう。
「秋」を強調している句ですね。

 

秋らしいけど「冬の季語」

 

 
11月は、まだまだ秋という感じがしますね。
でも、歳時記では立冬を過ぎると「冬」になります。
 
神無月は10月ですが、旧暦では冬になるんですよ。訳が分かりませんね。
七五三は11月なので、冬です。
 
また、木の葉や落ち葉、初時雨などは秋らしく感じますが冬の季語になるんですね。
ややこしいです。
 
●神無月
●七五三
●木の葉・落ち葉

 

(1)留守のまに 荒れたる神の 落葉哉

 

 
留守の間に、ちょうど神無月に神が出雲から帰ってきたときのように、自分の住まいも、荒れ果てているなあという意味の俳句です。
 
はっきり書かれていませんが、「神」が神無月をほのめかしています。
 
芭蕉は、旅に出て2年7カ月も経ってから、江戸に帰ってきました。
そのときに、もと自分が住んでいた住まいに戻って作った俳句です。
この住まいは、神社でもありました。
 
神無月も落ち葉も冬の季語というのは、ひっかけ問題みたいですね。
これは、うっかりしそうでうよ!
 
間違いやすい季語は、まとめて覚えてしまうのが一番ですよ。

 
 
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