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こんにちは、このかです。
 
最近、動画配信で、小野不由美の『残穢』が新作登場していました。
 
小野不由美さんの小説は好きなのですが、心理ホラーは苦手なので、この小説は読んでいません。
 
それより、私は『十二国記』の続きを、早く早く書いてほしいのです。
 
最近、読み直したのですが、やっぱり、「十二国」の世界観、すごくしっかりしていて、いいですね~♪
 
そして、「続き、まだなの~~~!!」って思うのも忘れるぐらい遅いですね。
 
遅筆なのは知っていますが、他の作品を書くならこっちを書いてほしいです。
 
今回は、面白そうだけどどうなの?と思うあなたに、『十二国記』エピソード1「月の影 影の海」の良さをお伝えします。

 

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女子高生がとんでもない目に遭いまくる上巻



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エピソード1「月の影 影の海」は上下巻からなります。
久しぶりに読み返したら、上巻はほとんど陽子の苦難の連続でした。
そう、そうだった・・・。( ;∀;)
 
『十二国記』は、十二の国からなる異世界を舞台にしたファンタジー作品です。人名や衣装、建築、文化など、表面的な部分は、古代中国のイメージに激似です。十二国の世界と現実世界は、ある条件のもとで重なり合い、行き来する人がいます。ジャンルでいうと、「異世界召喚ファンタジー」ですね。
 
十二カ国のうち、それぞれの話で中心になる国が変わります。
十二の国にそれぞれの王と麒麟が一対ずついるのですが、この王と麒麟のキャラクターが、とっても魅力的なのです!
 
みんなお気に入りの登場人物がいると思います。
ちなみに私は、楽俊尚隆・六太(戴国コンビ)が大好きです!(≧◇≦)
 
「月の影 影の海」は、「慶」という国の物語で、慶国の女王になる陽子が主人公です。
 
女子校に通う高校生・中嶋陽子が、ある日、突然、見知らぬ変な金色の長髪の人(麒麟)ケイキに「あなたは私の主、お迎えにまいりました」と言われ、別世界に連れていかれるところから始まります。
 
その後は、ほのぼのファンタジーや萌えとは全く無縁のハードな展開で、異世界に飛び込んだときから、陽子一行、妖魔に襲われまくります。
 
そして、ケイキとも別れてしまい、陽子は、一人不思議の国にほっぽりだされることに・・・!(@_@;)
 
いろんな人に狙われ、妖魔にも命を狙われて、助けてくれたいい人と思った女には、実は騙されて女郎屋に売り飛ばされそうになったりと苦難の連続です。
ここで、徹底的に、今までの欺瞞に満ちた高校生活から意識転換させられるんですね。
 
陽子は、これらの経験から、もう誰も信じない、自分が生き残るためには何でもすると決心します。ここら辺からの陽子の成長ぶりが、すごくかっこいいのです!
 
とにかく、上巻は試練の連続なので、初めて読む人は、ちょっとなあと思うかもしれませんが、下巻で一気にいい感じの展開になっていくので、是非とどまって読み進めてほしいです。

 

陽子の成長は、アドラー的かも!?

 
十二国の人たちは、基本的に「神頼み」をしません。
この世界の人は、神などに頼らないから、何かをするとき、自分のための最善策を取るのだと、陽子は悟ります。
 
狭い女子校で支配的だった「暗黙のルール」とは、真逆の考え方です。
 
女子高生・陽子は、誰にも迷惑をかけない優等生でしたが、実は、人の頼みを無下に断れない、周りのクラスメートに期待された行動をとるという事なかれ的な生き方をしていました。言いたいことを言って悪目立ちすると、めんどうなことになると分かっていたからです。
 
これは、人を気遣っての行動のように見えて、実は嫌われる恐怖から逃れるため、自分のためにとる保身の行動です。
 
これ、アドラー心理学の「承認欲求」を見たす行為のことですね。
あのベストセラー本『嫌われる勇気』を思い出しました。
アドラーは「承認欲求」を否定しています。
例えば、こんな感じです。↓

 

あなたは他者の期待を満たすために生きているのではないし、わたしも他者の期待を満たすために生きているのではない。
他者の期待など、満たす必要はないのです。
 
引用元:『嫌われる勇気』

 
この本では、他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになると、警告しています。
 
経験を重ね、陽子は十二国の人のように「自分のために最善の道を選ぶこと」を第一に考えるようになります。
 
アドラー心理学の基本スタンス、「課題の分離」です。
これは、自分と他者の課題を分離させて、他者の課題には踏み込まないという考え方です。
 
楽俊(らくしゅん)のこのセリフは、まさにこれを表していますよ。↓↓↓

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「おいらは陽子に信じてもらいたかった。
だから信じてもらえりゃ嬉しいし、信じてもらえなかったら寂しい。
それはおいらの問題
おいらを信じるのも信じないのも陽子の勝手だ。
おいらを信じて陽子は得をするかもしれねえし、損をするかもしれねえ。けどそれは陽子の問題だな。」

楽俊の言葉は、心に響くものが多いです。

でっかいねずみ(半獣)?楽俊との出会い

 



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「半獣」の楽俊(らくしゅん)に出会い、陽子は心身ともに救われます。
 
楽俊は「半獣」という種で、子供ぐらいの大きさの二足歩行のねずみの姿をしています。半分人間なので、人間の姿になることもできます。(疲れるから、普段は獣の姿のほうがよいのだそうです。)知能ももちろん人間と同じです。
 
完全にファンタジーの世界の生き物ですね。
 
楽俊はとても優秀なのですが、半獣に生まれたため、様々な差別を受けます。
それでも、常にポジティブ思考、どうすれば現状よりよくなるかと素直に理性的に考えます。こういう人は、すごく応援したくなります‼
 
ふさふさの茶色の毛が、うちにいる耳の短いウサギによく似ていて、うちの子もこんな風にならないかなと、つねづね思っているほど。(笑)
「おいらは~」とか、言ってほしい。(≧◇≦)↓↓

 

 
下巻では、この世界について右も左もわからない陽子に、楽俊がいろんな事をていねいに教えていきます。
 
楽俊の言葉から、私たち読者も陽子と一緒に、十二国の成り立ちや風習、王と麒麟の関係などが、分かるようになっているのです。
 
例えば、人や動物がすべて木の実から生まれる仕組みになっていて、母親がその実をもぐことで親子関係が成立するなど、現実世界との違いを教えてくれます。
 
考え抜かれて設定されている深~い世界観を、きちんと分かりやすく伝える楽俊の存在は、とても大きいです。
 
そして、なにより、人間不信になった陽子の心を癒す寛容さがステキです♡
 
陽子が自分が慶国の王に定められたと分かり、この世界に留まって王となるか、元の世界に戻る道を探すか迷っていたとき、楽俊はこう言います。

 

「あのなあ、陽子。
どっちを選んでいいか分からないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ。そういうときは、どっちを選んでも必ず後で後悔する。同じ後悔するなら、少しでも軽いほうがいいいだろ。」

 
やるべきことを選んでおけば、それを「放棄しなかったぶんだけ」後悔が軽くなるという考え方は、迷ったときの道しるべの1つになります。
 

「月の影 影の海」から読むのがおススメ


 
『十二国記』は、現在、新潮文庫で「エピソード0~7」まで刊行中。
エピソード0の「魔性の子」は、ホラー度高めの「序章」です。
エピソード5の「丕緒の鳥」は、中途半端なナンバーですが、最新刊です。
 
舞台の中心になる国は、それぞれ変わるのですが、同じ世界の住人なので、出てくることも多いです。陽子や楽俊も、別の物語や短編の中に出てきます。
ですから、読む順番はとくに気にしなくても大丈夫です。
(細かく考えると、ちょっとあるけど)
 
ただ、私がこの「月の影 影の海」を始めにとおススメするのは、先程も書いたように、日本の女子高生の陽子が異世界に行って、その世界を徐々に理解していくストーリーになっているからです。陽子と共に、私たちも十二国の設定を理解していけます。
 
この作品、始めは「講談社X文庫ホワイトハート」からの出版だったので、中高生向けのラノベでした。
ですから、内容がとてもわかりやすかったんです、始めは!
 
私はその頃からの読者なのですが、最新作「丕緒の鳥」は、社会問題に主題がよりすぎだったので、もう少し軽めのファンタジーに戻してほしいなと思います。王と麒麟の物語に!
 
とにかく、行方不明の驍宗と泰麒がどうなってんのか、早く知りたい・・・。(´・ω・)
 
 
次回に期待します。

 

新潮文庫版は、こちらです。
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