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こんにちは、このかです。
「夏も近づく八~十八夜 バンバン♪」
「せっせいせ~の、よいよいよい♪」で始まるこの「茶摘み」の手遊び歌♪
昭和世代の人は、知っている人も多いのではないでしょうか。私は子供のころ、おばあちゃんに教えてもらいました。当時は、まったく歌詞の意味がわからなかったんですけどね。
「八十八夜」って何なのでしょうね。実は「日本茶」の収穫と深い関係があるのですよ。
目次
「八十八夜」とはいつから「88夜」を指すの?
「八十八夜」というのは、「雑節」の1つなのです。
「雑節」という言葉、普段あまり使われませんね。
雑節は、二十四節気の他に「季節の変わり目となる特定の日」のことを指します。
「八十八夜」の他には、「節分」「彼岸」「入梅」「半夏生」「二百十日」「土用」などがありますよ。
節分や彼岸、土用は、今でも行事として定着されていますね。
宮沢賢治の『風の又三郎』では、三郎がちょうど台風が近づく「二百十日」に転校してきたことを取り上げて、三郎が「風の又三郎」(風の神様)ではないかと思われていました。(他にも理由はありますが)
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季節の節目になる「雑節」は、昔の人にとって、とっても生活に密着した大事なものだったようですよ。
2018年の八十八夜はいつのこと?
さて、「八十八夜」ですが、これは「立春」から数えて「88日目」にあたる日の夜のことなのです。
2018年は、立春が2月4日なので、
「八十八夜」は5月2日です。
これは、江戸時代(1685年)に制定されたもので、日本独特の制度なのでした。
八十八夜の意味と由来
八十八夜は、ちょうど春から夏へと移る「季節の節目」にあたります。ですから、特に農家では、作物の生長において大切な目安の日なのです。
農家では、この日、苗代(稲の種をまき、稲になるまで育てる田)に種もみをまきます。その年のお米のよしあしは、苗のできに大きく左右されるため、農家にとって非常に大切な日なんですね。
昔は「苗代半日」といって、苗代づくりがうまくうけば、稲作は半分終わったようなものだといわれていたそうですよ。
八十八夜と茶摘みの関係
童謡「茶摘み」
八十八夜は、茶畑では、茶摘みを始める目安の日になります。
でも、この八十八夜とお茶が結びついたのは、「夏も近づく八十八夜・・・♪」という童謡「茶摘み」の影響が大きいそうですよ。
ちょど30秒後あたりから、歌が始まります。
歌詞にはっきり「八十八夜」とあるので、耳に残りやすいですね。
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実際の茶摘みの時期は、茶産地の温暖差によって異なります。
八十八夜が茶摘みに最適なのは、関西地方といわれますよ。
宇治茶ですね・・・。(*^^)v
縁起かつぎ
八十八夜は、その他にも、「八・十・八」を重ねると「米」という文字になることから、縁起のよい日と考えられています。
なので、昔は八十八夜に摘まれたお茶を飲むと、「無病息災」「不老長寿」のご利益があるといわれ重宝されていました。
八十八夜のお茶は、気候的にも縁起を担ぐという意味でも、極上品の「一番茶」なんです! 「一番茶」の茶葉の新芽には、前年の秋から冬越しをして蓄えられた成分があふれているんですよ。
若々しいお茶特有の香りが失われないうちに一服いただいて、ゆっくりリラックスしたいですね。
「 一番茶」には、「二番茶」以降のお茶よりも、うまみ成分のテアニンなどの成分がたくさん含まれます。
日本茶
日本茶の由来と歴史
お茶は、奈良時代に遣唐使として渡唐した最澄・空海が持ち帰ったのが始まりといわれています。当初は、貴重なお薬として飲まれていました。
鎌倉時代に、臨済宗の開祖・栄西が、『喫茶養生記』に「茶は養生の仙薬なり」とお茶の効用と飲む習慣を紹介しました。
その後、禅宗の影響を受けた「茶道」が広まって、日本茶を飲む習慣が定着しました。
日本茶の産地
日本茶(緑茶)の代表的な産地は、静岡、宇治、狭山といわれます。
この中では、宇治茶が一番古く、現在生産量1位の静岡茶は、明治初期に生産が始まりました。
お茶の消費量が多いのは、静岡、長野です。
緑茶の生産量
1位ー静岡県
2位ー鹿児島県
3位ー三重県
4位ー宮崎県
5位ー京都府
日本茶の効用
日本茶には、タンニンやカフェイン、ビタミンやテアニンなどの有効成分がたくさん含まれています。
渋みのタンニンはポリフェノールのカテキン類を含み、抗がん作用があるほか、殺菌作用や抗毒作用もあります。
うまみのテアニンは、血圧上層抑制や能と神経機能の調節作用があるといわれます。
主な効用
日本茶に含まれる成分の主な効果を、こちらにまとめました。
1.疲労回復・覚醒作用
2.風邪予防
3.美肌・老化防止
4.便秘解消・脂肪分解促進
5.抗がん作用
6.血圧調整
7.口臭・虫歯予防
8.抗菌作用
まとめ
昔の人は、「立春」を生活上の暦の起点と考えていて、それから何日で○○というような考え方をしていたとわかりますね。
江戸時代の人は、「入梅」や「土用」よりも、数字でわかりやすい「八十八夜」「二百十日」のほうが親しみやすかったため、とっても重要視していたそうです。
★ 「八十八夜」は「雑節」の1つ。
★ 「立春」から数えて88日目の夜のことをいう。
★ 「八十八夜」は、江戸時代に決められた「雑節」で、日本独自のもの。
★ 「八十八夜」は、農家にとって大事な日であり、茶摘みを始める目安の日。
★ 「一番茶」は、お茶の有効成分や旨みが多く含まれていて美味しい。