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 時候の挨拶は、少し畏まった手紙に必要です。
  
 4月は「卯月」、十二節気の「晴明」(4月5日頃)から「穀雨」(4月20日頃)にあたる時期です。
 「晴明」は万物が清く明るくなる時期で、「穀雨」は春雨が穀物をうるおす時期とされています。
  
 4月は、入学、引っ越しなど手紙を書く機会の多い時期ですね。
  
 「入学祝い」やその「お礼状」を送るときによく合う、春めいた言葉が使えますね。
  
 今回は、4月の手紙の「時候の挨拶」を紹介します。
時候の挨拶・ビジネスメール
 
 こちらは、ビジネス関係など、改まった手紙の時候の挨拶です。
 (「~の候」と「~のみぎり」は、どちらも使えます。)
  
 ● 仲春の候
  
 ● 桜花の候
  
 ● 惜春のみぎり
  
 ● 桜花爛漫のみぎり
  
 ● 春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)のみぎり
  
 ● 春暖の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
  
 ● 陽春の候、皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
親しい人への挨拶(カジュアル)
 
 親しい人への挨拶は、「時候の言葉」と「相手の安否を気遣う言葉」をセットで表すことが多いです。
  
 ● 春爛漫の時節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
  
 ● 野にも山にも花の香りだたよう季節となりました。お健やかにお過ごしのことと存じます。
  
 ● 春たけなわのころとなりました。皆様ご機嫌うるわしくお過ごしのことと存じます。
  
 ● 春の日がうららかに指す日和となりました。ついうたた寝をしてしまいそうではありませんか。
  
 ● 花便りも一段とにぎやかさを増している今日このごろです。
  
 ● 小鳥のさえずりが耳に心地よく響く季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
  
 ● 花冷えの日が続いておりますが、ご健勝にお過ごしのことと存じます。
  
 ● 暖かい日差しに眠気を誘われるこのごろですが、いかがお過ごしでしょうか。
  
 ● 今が花の盛りですが、はや惜春の情を覚えてしまう今日このごろです。皆様お変わりありませんか。
  
 ● 花も終わり、いつの間にか葉桜の季節を迎えています。皆様お健やかにお過ごしのことと存じます。
個性的な表現

  
かなり親しい人へのくだけた表現です。
 自分の近況や気づいたことなどを、自由に表しています。
  
 ● 桜の花咲く季節ですが、急な冷気の到来に思わず身をすくめることもある昨今です。
  
 ● 桜の花に雨が降り注ぎ、しっとりとした日本情緒を醸し出しています。
  
 ● にわか雨が過ぎ去った後、今年初めての虹が空にかかるのを見ました。
  
 ● わが家の近所の桜並木は遅桜で、今、ようやく咲き出したところです。
  
 ● 公園のつつじが鮮やかに咲いているのを見て、あなたのお庭を思い出しました。
  
 ● 新入生、新入社員の初々しい姿が、街で見かけられるようになりました。
  
 ● 新人の入る季節になり、職場も自分自身も改めて活気を取り戻している今日このごろです。
4月の手紙の結び・末文
 
 手紙の結びの一言は、季節の言葉はなくてもかまいません。
 使う場合の例です。
  
 ● 花冷えの候、くれぐれもご自愛下さい。
  
 ● 花冷えの頃は体調を崩しやすいものですので、くれぐれもご自愛ください。
  
 ● 春の長雨の時期です。お健やかに過ごされますよう、心よりお祈り申しあげます。
  
 ● 桜花爛漫の折り、近いうちにお花見にでも誘ってください。
  
 ● そちらの花便りも、またお聞かせくださいね。
  
  

