この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
時候の挨拶は、少し畏まった手紙に必要です。
4月は「卯月」、十二節気の「晴明」(4月5日頃)から「穀雨」(4月20日頃)にあたる時期です。
「晴明」は万物が清く明るくなる時期で、「穀雨」は春雨が穀物をうるおす時期とされています。
4月は、入学、引っ越しなど手紙を書く機会の多い時期ですね。
「入学祝い」やその「お礼状」を送るときによく合う、春めいた言葉が使えますね。
今回は、4月の手紙の「時候の挨拶」を紹介します。
時候の挨拶・ビジネスメール
こちらは、ビジネス関係など、改まった手紙の時候の挨拶です。
(「~の候」と「~のみぎり」は、どちらも使えます。)
● 仲春の候
● 桜花の候
● 惜春のみぎり
● 桜花爛漫のみぎり
● 春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)のみぎり
● 春暖の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
● 陽春の候、皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
親しい人への挨拶(カジュアル)
親しい人への挨拶は、「時候の言葉」と「相手の安否を気遣う言葉」をセットで表すことが多いです。
● 春爛漫の時節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
● 野にも山にも花の香りだたよう季節となりました。お健やかにお過ごしのことと存じます。
● 春たけなわのころとなりました。皆様ご機嫌うるわしくお過ごしのことと存じます。
● 春の日がうららかに指す日和となりました。ついうたた寝をしてしまいそうではありませんか。
● 花便りも一段とにぎやかさを増している今日このごろです。
● 小鳥のさえずりが耳に心地よく響く季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
● 花冷えの日が続いておりますが、ご健勝にお過ごしのことと存じます。
● 暖かい日差しに眠気を誘われるこのごろですが、いかがお過ごしでしょうか。
● 今が花の盛りですが、はや惜春の情を覚えてしまう今日このごろです。皆様お変わりありませんか。
● 花も終わり、いつの間にか葉桜の季節を迎えています。皆様お健やかにお過ごしのことと存じます。
個性的な表現
かなり親しい人へのくだけた表現です。
自分の近況や気づいたことなどを、自由に表しています。
● 桜の花咲く季節ですが、急な冷気の到来に思わず身をすくめることもある昨今です。
● 桜の花に雨が降り注ぎ、しっとりとした日本情緒を醸し出しています。
● にわか雨が過ぎ去った後、今年初めての虹が空にかかるのを見ました。
● わが家の近所の桜並木は遅桜で、今、ようやく咲き出したところです。
● 公園のつつじが鮮やかに咲いているのを見て、あなたのお庭を思い出しました。
● 新入生、新入社員の初々しい姿が、街で見かけられるようになりました。
● 新人の入る季節になり、職場も自分自身も改めて活気を取り戻している今日このごろです。
4月の手紙の結び・末文
手紙の結びの一言は、季節の言葉はなくてもかまいません。
使う場合の例です。
● 花冷えの候、くれぐれもご自愛下さい。
● 花冷えの頃は体調を崩しやすいものですので、くれぐれもご自愛ください。
● 春の長雨の時期です。お健やかに過ごされますよう、心よりお祈り申しあげます。
● 桜花爛漫の折り、近いうちにお花見にでも誘ってください。
● そちらの花便りも、またお聞かせくださいね。