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今回は、平安時代の文学史についてお伝えします。
 
 
平安時代は、794年に都が平安京に移されてから、1192年(1185年からという説もある)に鎌倉時代がはじまるまで、約400年間も続きました!
 
 
これは、世界でも珍しいほどの長さです。同じく泰平の世といわれた江戸時代でさえ、約250年ですからね。
 
 
そのような平安時代の文学が、時期によってどのような移り変わりを見せたか、これからみていきましょう。

 

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平安時代の文学の分け方


 
「文学は時代の反映である」
 
 
これは近代の大文豪・谷崎潤一郎の言葉ですが、(昔はとくに)文学は宮中における政治と結びついていました。なので、文学史を知ることは歴史を知ることにもつながるのです。
 
 
平安時代の文学史の流れは、主に4つに分けられます。

 
 

①8世紀末~9世紀中頃    :嵯峨天皇—漢文学の全盛期
②9世紀後半~10世紀中頃  :宇多天皇・醍醐~村上天皇—平仮名登場
③10世紀後半~11世紀前半 :一条天皇—後宮のサロンが発達
④11世紀半ば~12世紀後半 :院政のはじまり

 
 

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①8世紀末~9世紀中頃:漢文学の全盛期

 

 
一番はじめは、平安京に遷都されてまもない時期です。
 
 
桓武天皇の次に即位した嵯峨天皇(786~842)は、律令制をととのえて新たな都の発展につくしました。文化芸術にも優れ、様々なエピソードでも知られる人物です。
 
 
嵯峨天皇は、唐の文化を積極的に受け入れました。その結果、漢文学がとても盛んになり、貴族たちは漢詩文の教養がないと出世に影響するほどでした…!
 
 
日本独自の文化ではなく、唐(大陸)の文化がはびこっていたこの頃は、国風暗黒時代ともいわれます。日本的には、暗黒時代だったのですね…。
 
 
活躍した人物……菅原道真(すがわらのみちざね)・空海・小野篁(おののたかむら)など

 
 

②9世紀後半~10世紀中頃:平仮名の登場

 

 
宇多(うだ)天皇の御代のとき、菅原道真(すがわらのみちざね)は、藤原時平を中心とする藤原氏の一族に追い落とされてしまいました。(「昌泰の変」)
 
 
これは大宰府に左遷された菅原道真の和歌「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)」や、この事件を元ネタにした歌舞伎「菅原伝授手習鑑」などの影響もあり、よく知られている事件です。
 
 
この事件ののち、藤原氏はさらに栄華をきわめていくこととなります。
 
 
ですが、藤原氏の全盛期にはまだ間があります。
 
 
醍醐天皇・村上天皇による、延喜・天暦の治です。
のちの世の人々が、儒教の教えのもとすすめられた治世をたたえてこう呼んでいます。
 
 
政治と文学はつながっていると書きましたが、醍醐天皇は『古今和歌集』の編纂を命じました。これは天皇の命で作られた初の「和歌集」で、いわば国家事業でした。ここから和歌の地位が上がっていきます。
 
 
和歌は政治的な権力と結びつきました。
 
 
和歌が上手な人=かっこいい&出世できる人と考えられ、宮廷文学として確立されます。
 
 
また、遣唐使が停止され、日本固有の文字・平仮名が登場します。平仮名は、日本文化が発達するのに欠かせないものでした。国風文化のはじまりです。
 
 
活躍した人物……小野小町・在原業平・紀貫之など
 
 
成立した作品……『竹取物語』『伊勢物語』『土佐日記』『蜻蛉日記』など

 
 

③10世紀後半~11世紀前半:後宮のサロンが発達


 
3番目の時代は、平安文学の黄金時代ともいわれ、現在も知名度の高い作品が登場します。
 
 
藤原氏による摂関政治が行われ、最終的に藤原道長が権力をにぎりました。
 
 
後宮にも活気が出はじめ、女房(にょうぼう)たちが時代の最先端の文化を担いました。現代でいう、ファッションリーダーのような存在でしょうか?
 
 
「女房」とは、帝の正妻(=藤原氏の娘)である姫にお仕えした女性たちです。
 
 
活躍した人物……清少納言・紫式部・和泉式部・伊勢大輔(いせのたいふ)・藤原公任など
 
 
成立した作品……『枕草子』『源氏物語』『紫式部日記』『拾遺和歌抄』など

 
 

④11世紀半ば~12世紀後半

 

 
最後の時期は、いわゆる平安後期です。
 
 
道長の死後、藤原頼通があとを継ぐと、外戚としての力はなくなっていきました。
 
 
しかし、頼通は文芸愛好タイプの人で、彼の支持のもとでたくさんの歌合せが開かれています。宇治の平等院を建てた人物としても知られていますね。
 
 
成立した作品……『今昔物語集』『更級日記』『堤中納言物語』『とりかへばや』など

 
 

おわりに


 
あなたの知っている作品、名前を聞いたことのある作品はいくつあったでしょう?
 
 
時期によって、全然テイストの違う作品が生まれていておもしろいですね。
 
 
ちなみにこの後、白河上皇による「院政」がはじまり、武士の登場・源平の合戦へとつながっていきます。『平家物語』の世界に突入ですね!
 
 
以上、平安文学史のおおまかな流れでした♪

 
【 ライター:百華🍑 】
 
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