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夏の俳句は、涼やかな風情のある季語がたくさんあって素敵です。
 
 
現代風に、暑い夏を詠むのもよいですね。
 
私は、涼し気で古典的な句が好きなので、風鈴や団扇がいいなと思います。鈴の音や川のせせらぎなど、音が聞こえる句は、いっそう涼しさが増すように思われます。
 
 
俳句の季語は、7つのグループに分かれます。
 
 
おさらいすると、
時候・天文・地理・人事・行事・動物・植物です。
 
 
伝統的な季語から現代になって生まれものまで、たくさんあります。
 
 
自分で俳句を作るときは、身近なものを題材にすると、作りやすいし気持ちが込められますね。「人事(生活)」の季語は、人の暮らしの中にあるものです。
 
 
今回は、その夏の「人事(生活)」の季語と俳句を、いくつかご紹介します。

 
 

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夏の季語「人事」(生活)

 

 
◎「人事」の代表的な季語
 
 
麦酒・冷し酒・新茶・ソーダ水・甘酒
ラムネ・氷水・飴湯・かき氷・わらび餅
心太(ところてん)・白玉・蜜豆・柏餅
葛まんじゅう・冷菓(アイスクリーム)
梅干・冷ややっこ・そうめん・筍飯
 
 
甚平・浴衣・水着・夏帽子・晒(さらし)
サングラス・籐椅子・蠅叩き・竹婦人
香水・日傘・扇・扇子・鯉のぼり
風鈴・金魚玉・水中花・青簾(すだれ)
 
 
帰省・夏の灯・夏座敷・納涼(すずみ)
噴水・蚊遣火(かやりび)・鵜飼
登山・ボート・浮輪・昼寝・氷室 
草笛・汗・蛍狩・夜店・夏芝居
川床・田植え・打水・走馬灯・薬玉
菖蒲湯・衣替え・夏休み・夏祭・・・・・

 
 

「食べ物」の季語の俳句を紹介

 

 

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柏餅

 
・重の内 あたたかにして 柏餅
 
【作者】高浜虚子
 
 
柏餅・粽(ちまき)・鯉のぼり・菖蒲など端午の節句」に関するものは「夏」の季語ですよ。
 
 
間違えやすいので、気をつけたいです。

 
 

白玉

 
・白玉を 母のごとくに 思ひける
 
【作者】雨村敏子
 
白玉は、「母」と一緒によく詠まれる語です。

 
 

心太(ところてん)

 
・清滝の 水くませてや ところてん
 
【作者】松尾芭蕉
 
 
・茶屋を見て 走りついたる 心太
 
【作者】正岡子規

 
 

梅干

 
・木の下に 其の梅漬ける 小庭かな
 
【作者】尾崎紅葉

 
 

生活用品・行動の季語

 

 

団扇(うちわ)

 
・家涼し 団扇にのせて 嵐山
 
【作者】正岡子規
 
 
・舞妓来て 川床に団扇の 風造る
 
【作者】山口誓子
 
 
団扇と川床が季語です。舞妓と川床で、京情緒満載ですね。

 
 

青簾(あおすだれ)

 
・ほつれ毛に 遊ぶ風あり 青すだれ
 
【作者】竹久夢二
 
 
「ほつれ毛」に夢二らしさを感じます。(^^)

 
 

夏の灯

 
・どこ見ても 涼し神の灯 仏の灯
 
【作者】正岡子規
 
 
神の灯・仏の灯のリズムが軽やかで素敵です。

 
 

風鈴

 
・風鈴や 花にはつらき 風ながら
 
【作者】与謝蕪村

 
 

納涼(すずみ)

 
・ゆふばれや 桜に涼む 波の花
 
【作者】松尾芭蕉
 
 
・板塀に 鼻のつかへる 涼みかな
 
【作者】小林一茶

 
 

蛍狩・蛍火

 
・蛍狩 袋の中の 闇夜かな
 
【作者】正岡子規
 
・蛍火の 昼は消つつ 柱かな
 
【作者】松尾芭蕉

 
 

川床

 
・床涼み 笠置連歌の もどりかな
 
【作者】与謝蕪村

 
 

おわりに

 

 
今回は、夏の「人事(生活)」の季語と俳句を、ご紹介しました。
 
 
「人事(生活)」の季語だけでも、まだまだたくさんあります。
 
 
夏の季語で間違えやすいのは、端午の節句にまつわる言葉だと思います。5月は旧暦では「夏」なのです。
 
 
現代と感覚的にずれるので、ややこしいですが、面白いですね。夏の季語を使った有名俳句の記事を、こちらに集めています。合わせてどうぞ♪

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