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こんにちは、このかです。
 
『セロ弾きのゴーシュ』は、宮沢賢治の童話の中でも有名な作品です。
 
 
「セロ」というのは、弦楽器の「チェロ」のことなんですね。初めてこの話を読んだ子供のころ、私はセロがチェロだと知らなくて、きっと不思議な楽器なんだろうなと思っていました。「セロ」という響きが素敵ですね。
 
 
その『セロ弾きのゴーシュ』のあらすじと解釈を、今回はお伝えします。
 
 
宮沢賢治は、こういう人です。♪↓


 

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「セロ弾きのゴーシュ」のあらすじ

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あらすじをとっても簡単に説明すると・・・
 
 
楽団の中でいちばん演奏が下手くそなセロ(チェロ)奏者のゴーシュが、もうすぐ音楽会があるため、家で猛練習することになりました。
 
 
そして、現れた動物たちに助けられて、10日間で見事上手く弾けるようになり、音楽会は大成功をおさめます。そして、演奏後のソロアンコールも求められ、大喝采を受けたという話です。

 
『セロ弾きのゴーシュ』青空文庫
 

楽団で練習

 
ゴーシュは、活動写真館の楽団でセロを弾く係です。
 
 
そして、今度、町の音楽会へ出す「第六交響曲」の練習を、みんなでしていました。
 
 楽団の中で、ゴーシュは、楽団の中でいちばん演奏が下手でした。音に感情がこもっていない、音程もあってなくて、テンポも悪いと、楽長に叱られます。
 
 
音楽会は10日後に迫っていたので、ゴーシュはセロを家へ持って帰って練習しました。

 
 

家に帰って猛練習

 
その晩遅く、ゴーシュは家に帰りました。ゴーシュの家は、町はずれの川ばたにあるこわれた水車小屋で、そこに1人で住んでいるのです。
 
 

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1日目:「三毛猫」がやって来る

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家に帰ってからゴーシュは、一生懸命弾いては考え、考えては弾きと練習を続けます。
 
 
すると、真夜中に、「三毛猫」が現れました。
 
 
猫は、ゴーシュの畑から勝手にとってきたまだ熟していない「トマト」をお土産にと持ってきて、「シューマンのトロメライを弾いてごらんなさい。聴いてあげますから。」とえらそうに言ったので、ゴーシュは激怒します。
 
 
「生意気だ。生意気だ。生意気だ。」
 
 
ゴーシュは、まるで嵐あらしのような勢いきおいで「印度の虎狩(インドのとらがり)」という曲を弾き始めました。
猫は、その大音量に驚き、目を回してしまいました。
 
 
その後、マッチを猫の舌でシュッとすって自分のの煙草へ火をつけたので、猫はびっくりして逃げていきました。

 
 

2日目:「かっこう」がやって来る

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次の晩、ゴーシュがまた家で練習をしていると、今度は「かっこう」がやって来ました。
 
 
「音楽を教わりたいのです。」と、かっこうは、すまして言います。
 
 
2人でかっこうかっこうと合わせていると、どうもかっこうのほうが正しい気がして、ゴーシュは頭が変になりそうでした。
 
 
どうも弾けば弾くほどカッコウの方がいいような気がするのです。
 
 
ゴーシュはセロを弾くのをぴたりとやめました。
 
 
「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ。」と、かっこうが言いました。
 
 
ゴーシュはかっこうに怒鳴りつけ、驚いたかっこうは外に出ようと飛びました。しかし、かっこうは夜目が効かないので窓ガラスに激突し、くちばしの付け根から血が出てしまいます。
 
 
ゴーシュが窓を蹴破ってあげて、ようやくかっこうは外に出られました。

 

3日目:「狸の子」がやって来る

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3日目晩には、「狸の子」が来ました。
 
 
狸の子は小太鼓を担当していて、お父さんにゴーシュさんに教えてもらうとよいと言われてきたのです。ゴーシュは、狸の子とは和やかに楽器の練習をしました。
 
 
「ゴーシュさんはこの二番目の糸をひくときはきたいに遅れるねえ。なんだかぼくがつまずくようになるよ。」
 
 
弾き終わった後、狸の子にこう指摘され、ゴーシュははっとします。確かに、にゴーシュもそう思っていたのです。それは、楽器が悪いせいでもありました。
 
 
狸の子は、夜が明けてきて練習が終わると、「どうもありがとう。」といって、帰りました。

 
 

4日目:「野ねずみの母子」がやって来る

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4日目の晩は、「野ねずみ」の母子が来ました。母ねずみは、子ねずみの病気を治して欲しいと言います。
 
 
どうやら、ゴーシュの弾くセロの音を聞くと、小動物たちの血のまわりがよくなって、病気が治っていたらしいのです。
 
ゴーシュは、セロの中に子ネズミを入れて曲を弾き、病気を治してあげました。
 
 
母ねずみは、「ありがとうございます。」と10ばかり言いました。それで、ゴーシュは、野ねずみの親子にパンをあげて帰らせます。

 
 

演奏会

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それから6日経った晩、「金星音楽団」は、町の公会堂のホールで、「第六交響曲」を演奏しました。
 
 
ホールでは拍手の音が、嵐のように鳴っています。拍手はいつまでもなりやまず、アンコールを求められました。
 
 
「おい、ゴーシュ君、何か出て弾いてやってくれ。」
 
 
楽長にそういわれて、ゴーシュはやけくそで弾きました。
曲は、三毛猫の前で引いた「印度の虎狩」です。
 
 
アンコールも素晴らしく、楽長に絶賛されました。
仲間もみんな来て「よかったぜ」とゴーシュに言いました。
 
 
最後に、家に帰ったゴーシュは、窓を開けて、いつかかっこうが飛んで行った遠くの空をながめながらこう言います。
 
 
「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。
おれは怒ったんじゃなかったんだ。」

 
 

感想

ゴーシュは、もともと楽団員なので、プロレベルの演奏家です。その演奏家が、自分の音楽に足りないものを、動物たちから教えられるというお話なのです。
 
 
たった10日間で、素晴らしく上達できたということから、それぞれの動物から気づきを得たことは確かでしょう。
 
 
解釈は人それぞれですが、私が感じたことをお伝えしますね。

★「猫」
猫に怒らされたことで、ゴーシュは感情のこもった鬼気迫る音が出せるようになった。
 
★「かっこう」
かっこうとの「ドレミ」の練習で音程が正しくなった。基礎の反復練習の大切さを教えられた。
 
★「狸の子」
狸の子にリズムの乱れを指摘され、テンポが遅れる原因が分かった。
 
★「野ねずみの母子」
野ねずみの母親の話から、自分の音楽が周りの人のいやしになっていると気づいた。

ゴーシュは、コンサートで成功してはじめて、自分が動物たちからいろんなことを学んだと気づきます。
 
 
最後の言葉から、かっこうの言葉も正しかったなあと反省しているのがうかがえますね。狸の子と野ねずみとは円満でしたけど、かっこうには、悪いことをしたと思っているのでしょうね。
 
 
(猫は、かなり失礼なやつだったから、気にしていないのかな。)(^_^;)
 
 
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出版社によって組み合わせが異なるので、気を付けてくださいね。私のおすすめ「新潮文庫」は「銀河鉄道の夜」に入っています。

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by カエレバ

 

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