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「瞑想」には、いくつかの種類があります。
 
中でも、最近、「マインドフルネス」という言葉を、雑誌などでよく目にするようになりました。とっても抽象的な言葉ですね。分かりにくいです。大きくとらえると、「座禅」と同じようにこれも「瞑想」の一形態だといわれます。
 
ペンタゴン式の瞑想でお話ししたのは、この「マインドフルネス」とよばれるものです。

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「マインドフルネス」とは

 
現在、「マインドフルネス」は、瞑想の1つであり、「社会人のストレスの緩和を目的」にしたものと考えらえています。
 
いろんな人に定義されていますが、一例をあげると、NHKスペシャル『キラーストレス』で早稲田大学・熊野宏昭教授は、こう記しています。

マインドフルネスは、瞑想をベースに生まれもので、「今の瞬間」の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方のことです。

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マインドフルネスの発祥

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マインドフルネスは、アメリカのジョン・カバット・ジン博士が、1979年に提唱したものです。
 
彼は、禅やヨガの瞑想に取り組んでその効果を実感し、それを医療の現場に導入しようと試みました。
 
そして、うつ病や不安症の原因になるストレスを、マインドフルネスによって軽減させることに成功しました。強いストレス(キラーストレス)にとらわれる前に、「事実にだけ意識を向ける瞑想」を、治療プログラムとして施すことで、臨床的な効果が得られたのです。
 
それ以降、マインドフルネスは「認知療法の1つ」として注目を浴びるようになり、臨床心理学の分野で広まりました。
 
そして、やがてそれは、セルフマネジメントの技法として、幅広い分野で人々の間に広まります。
 
近年、そうした心を整える効果をビジネスにも活かそうと、グローバル企業がこの技法を採用し、世界的に注目を浴びるようなりました。
 
例えば、グーグルは、2007年から瞑想とマインドフルネスを教える「サーチ・インサイド・ユアセルフ」という社内研修を開講しています。現在も数か月待ちの人気講座になっているそですよ。他にも、ゴールドマン・サックスやインテル・ナイキなど多くの優良企業で導入されています。

 

マインドフルネスの目的

 
マインドフルネスは、ヨガや座禅の「効果」に焦点を当てたもので、そこで得られる効果を、人間が活動する様々な分野に応用しようとするものです。
 
ですから、瞑想の方法自体は、ヨガや座禅とほとんど同じです。
 
異なるのは、ヨガや座禅が「深い瞑想による精神状態」を求めているのに対し、マインドフルネスは、「実生活に有益に応用できる効果」を重視している点です。
 
つまり、 マインドフルネスは、より実践的な目的を持つのです。

 

マインドフルネスの効用

今だけに意識を向けるとは、ストレスのもととなる「負の思考」が湧き起こることを抑制することにつながります。
 
目の前にある仕事にだけ意識を向ければ、当然、仕事ははかどりますね。
そして、ストレスによる意欲の低下を防ぐことにもつながります。
 
心理学や精神医学に限らず、ビジネスやスポーツ、教育などの分野でも注目を集めているのはそのためです。

 

マインドフルネスのやり方

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時間の目安は、10~15分です。
※うつ病などで通院中の人は、自分の判断でしないでください。

 

1.リラックスして座る

背筋を伸ばして、両肩を水平にして座り、目を閉じます。
(胡坐、正座、椅子に座る、どれでもOKです。)

2.呼吸に意識を集中させる

ゆっくり呼吸をし、胸やお腹などが動く感覚に注意を向け、その感覚の変化を、意識が追いかけるようにします。
 
胸やお腹に感じる感覚の変化を、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」などと心の中で実況すると感じやすくなるそうです。

3.雑念や感情にとらわれない

単純な作業なので、雑念が浮かんでくることがあります。
そんなときは、「雑念、雑念」と心の中でつぶやいて、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。
 
嫌いな人の事などが頭に浮かんでしまったら、感情が動き始めています。
「不快、不快」などと心の中でつぶやき、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。

4.身体全体で呼吸する

次に、注意のフォーカスを広げて、「今の瞬間」の現実を幅広く捉えるようにします。
 
最初は、身体全体で呼吸をするように、吸った息が手足の先まで流れ込んでいくように、吐く息が身体の隅々から流れ出ていくように感じながら、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況をし続けます。

5.身体の外に注意のフォーカスを広げていく

さらに、自分の周りの空間の隅々に気を配り、そこで気づくことのできる現実の全てを見守るようにしていきます。
 
それと同時に「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況は続けますが、そちらに向ける注意は弱くなり、何か雑念が出てきたことに気づいても、その辺りに漂わせておくようにして、消えていくのを見届けます。

6.瞑想を終了する

 
まぶたの裏側に注意を向けて、そっと目を開きます。
 

まとめ

 
最後に、マインドフルネスの特徴をまとめます。(´・ω・)
 
★ 瞑想(ヨガや座禅)をベースにしたストレス緩和法
★ 集中力・作業効率の向上など「実生活に応用すること」が目的
★ 「今の瞬間」にだけ意識を向け、負の感情を生じさせない瞑想法
★ ビジネス、スポーツ、教育、福祉などの分野でも注目されている

 
現実社会の中で、地に足つけてよりよく生きるための技法という点で、大きな価値があると思います。
 
スピリチュアルな言葉でいう、「グラウンディング」ですね。(*’▽’)