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日本で、言葉を「歌」にのせて届けるのは、古代から始まります。
始めの歌集とされる「万葉集」には、約4,500首の歌が収められています。
 
その中でも、もっとも古いとされるのは、4世紀の仁徳天皇の后・磐姫(いわのひめ)の歌です。
 
「秋の田の 穂の上に霧(き)らふ 朝霞 いつへの方に わが恋止まむ」
(秋の田の稲穂の上に立ち込める朝霞のように、いつになったら私の恋心は晴れるのだろうか。)
 
今回は、三大歌集とその違いについて、お話しします。

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三大歌集とは

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三大歌集とは
「万葉集」「古今和歌集」「新古今和歌集」のことです。
 
「古今和歌集」は「古今集」、「新古今和歌集」は「新古今集」と略されることも多いです。
成立時代が違うので、歌風に大きな違いが見られます。
 
「万葉集」は主に「長歌」・「短歌」・「船頭歌」から成ります。
時代が下ると、次第に「長歌」が作られなくなりそれに対応する「短歌」という言葉の「短」という文字が意味をなさなくなりました。
 
それで、平安時代には、「短歌」➾「和歌」と呼ばれるようになったのです。
 
平安時代は、上流貴族の女性は、「古今和歌集」の暗記が必須でした。
男性は、もちろん暗記しているのが当然で、それプラス漢詩・管絃・武道など多くの種目を習得する必要がありました。
和歌は、貴族にとって必須の教養だったのです。
 
室町時代になると、「新古今和歌集」の評価が高くなり、そのころの連歌や俳句に大きな影響を及ぼしました。
 
明治時代に入ると、正岡子規が短歌や俳句を体系付けます。
子規は「万葉集」と「金槐和歌集」を絶賛して「古今和歌集」を批判しました。

子規は平安時代の「和歌」を批判し、「短歌」という言葉を復活させます。(元々対になっていた「長歌」が失われたままなので、変ですね。)
<参考:「歌よみに与ふる書」>
 
ですから、今読まれる31音の歌は「和歌」ではなく「短歌」とよばれます。
 
子規の批評は、当時の文壇からも反発が大きかったのですが、影響力があったため、現代は「万葉集」の評価が高いです。
 
この三つの歌集の歌は、詠まれた時代が異なるため、日本語の使い方が少しずつ違います。代表作で比べてみるとおもしろいですよ。

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万葉集

完成:奈良時代(760年頃までの歌)
歌数:約4,500首
選者:大伴家持か?
特徴:現存する日本最古の歌集
天皇から貧しい農民の歌まで含まれる

歌風

力強く雄大で重厚な調べ。
素朴な感情を大胆率直に表している。
具象的・写実的・現実的なので、鮮明な印象を与える。
生活に密着した感動を素朴な心でとらえている。
「ますらをぶり」として近世以降、子規らが尊ぶ。

技巧

五七調が基調で短歌は二句切れ、四句切れが多い。
枕詞・序詞を多用し、掛詞・比喩を用いる。
長歌には対句・反復が多い。
断定的終止が多く、映画んには「も」「かも」を多用。

代表的歌人

山部赤人
柿本人麻呂
山上憶良
大伴旅人
大伴家持

古今和歌集

完成:平安時代(914年)
歌数:約1,100首
特徴:日本最初の勅撰和歌集(←天皇や上皇の命令によって編集された和歌集)
醍醐天皇の命令で編集
選者:紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑

歌風

優美で流麗、軽快な調べで洗練されている。
屈折した感情表現は婉曲的で、優美繊細さが生じる。
現実から遊離した情緒的世界を観念的に描く。
言葉の技巧を凝らし、理知的に構成。
「たをめやぶり」として、古今集以降流行する。

技法

流ちょうな七五調で、三句切れが多い。
掛詞・縁語が多く使われる。
推量・疑問・反語表現が多く、詠嘆には「かな」を用いる。

代表的歌人

紀貫之
紀友則
凡河内躬恒
壬生忠岑
素性法師
在原業平
伊勢

新古今和歌集

完成:鎌倉時代(1205年)
歌数:約2,000首
特徴:勅撰和歌集
後鳥羽上皇の命令で編集
選者:源通具・藤原有家・藤原定家・
   藤原家隆・藤原雅経・寂蓮(途中没)

歌風

唯美的・浪漫的・芸術至上主義傾向がある。
象徴的手法によって感覚を表現するため難解なことも。
超現実的心象風景を、絵画的・物語的に表現する。
幽玄(俊成)・妖艶の美・有心(定家)の理念を追求。

技巧

七五調が基調で、初句切れが目立つ。
掛詞・縁語を多用するが、枕詞・序詞の使用は激減。
本歌取りの技巧が高度になる。
体言止めの使用が目立ち、余情効果をあげている。

代表的歌人

藤原定家
藤原家隆
藤原良経
藤原俊成
式子内親王
西行
寂蓮
慈円
後鳥羽院

 
 
 

「三代集」「八代集」「十三代集」の詳しい説明は、こちらに。↓


 

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