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『銀河鉄道の夜』は、宮沢賢治の代表作の1つです。
タイトルが、空想的で素敵ですね。
 
今回は、『銀河鉄道の夜』のあらすじを説明します。

 

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「銀河鉄道の夜」のあらすじ

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すごく簡単にあらすじを言うと、
孤独感を感じている主人公が、ぼんやりしていたら、「不思議な世界(銀河鉄道に乗る)」に入り込んで、そこでいろいろな体験をして、最後に元の世界に戻ってくる話です。
 
ファンタジーの定番の構成ですね。
 
『注文の多い料理店』もそうですし、『不思議の国のアリス』なんかもこの構成です。
 
しかし、この作品は、単なる娯楽作品ではなく、「本当の幸せとは何か」という哲学的命題を与えています。その点で、深みのある作品といえるでしょう。
 
宮沢賢治は日蓮宗の信者でしたが、キリスト教の影響を受けているとわかる物語でもあります。
 
では、もう少し詳しく、あらすじを紹介します。

 

起・ケンタウルス祭の夜

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主人公はジョバンニという少年です。
 
ジョバンニの父親は漁に出たきり戻らず、母親は病気です。
ジョバンニは生活を支えるため働かなければいけないので、勉強も遊びもしっかりできず、いじめられるようになりました。幼なじみのカムパネルラとも、遊ぶ時間がなくなっていました。
 
ある日の放課後、みんなはその夜の「ケンタウルス祭」の計画で盛り上がっていましたが、ジョバンニは仕事に出かけます。
 
仕事が終わって家に帰ると、配達されるはずの母親の牛乳が届いていなかったので、その牛乳を取りに出かけます。
しかし、店の主がいなくて後で来るように言われ、仕方なく「ケンタウルス祭」を見物しました。
 
そこで、学校の友達の集団に出会ってしまい、また嫌なことを言われます。
ジョバンニは、その集団の中にカムパネルラがいるのを見て、悲しくなりました。
 
ジョバンニは、1人でさびしく丘にのぼり、「天気輪の柱」の下で星を眺めていました。
 
すると、汽車の音が聞こえ、列車が小さく見えてきます。

 

承・「銀河ステーション」

 
どこかから「銀河ステーション」という不思議な声が聞こえ、まぶしい光に包まれます。
 
気がつくとジョバンニは、列車の中にいました。
そして、前の座席にはカムパネルラが座っています。
 
2人は「白鳥停車場」で途中下車し、「プリオシン海岸」に行ったりして楽しく過ごします。
 
鳥を捕まえて売る商売をしている「鳥捕り」に雁を分けてもらい食べますが、ジョバンニは、これはお菓子だと思います。
 
「アルビレオの観測所」の近くで検札がありました。
ジョバンニは、そこで自分の切符だけが天上のどこまででも行ける特別な通行券だと知ります。
 
「鳥捕り」がどこかに消えると、次に、2人の子供の姉弟を連れた家庭教師の青年が隣に来て座ります。
 
その女の子とカムパネルラが楽しそうに話しているのを見て、ジョバンニはかなしい気持ちになります。
 

 

転・旅の途中でカンパネルラが消える

 
赤く光る火を見て、カンパネルラが「蠍(さそり)の火だな。」と言い、女の子がその由来を教えてくれます。
 
「サウザンクロス」に到着すると、 女の子たちの一行は降りようとします。
ジョバンニは引き止めますが、母親のいる天上へ行くのだと言って、彼らは去ります。
 
二人きりになって、ジョバンニは、カムパネルラに「どこまでもどこまでも、一緒に行こう。」と言います。
 
しかし、「石炭袋の穴」に列車が近づいたとき、カムパネルラは天上にいる母親を見つけて、消えてしまいました。
 
ジョバンニは、カムパネルラに裏切られたと思って、叫び泣き出します。

 

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結・現実世界に戻る

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気がつくと、ジョバンニは、元の丘の草むらに戻っていました。
 
牛乳を受け取って戻ると、川に落ちたザネリを助けて、カムパネルラが流されたと知らされます。
 
ジョバンニは2人の最後の会話を思い出し、カムパネルラに裏切られたのではなかったのだと分かります。
 
カムパネルラの父親は、息子のことはもうあきらめていました。そして、ジョバンニに、今日にでも君の父親が帰宅すると便りが来たことを告げます。
 
ジョバンニは、母親に牛乳を持っていき、父親が帰ることを知らせるために、一目散に街の方へ走りました。

 
 
『銀河鉄道の夜』 青空文庫
 

感想文を書くときのポイント

 
ジョバンニは、こう言います。
 
「僕はもう、あのさそりのようにほんとうにみんなの幸いのためならば僕のからだなんか、百ぺん灼(や)いてもかまわない。」
 
でも、そのすぐ後に、こうも言います。
 
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」
 
宮沢賢治が伝えたかった「ほんとうのさいわい」とは、何でしょう。
この点を感想文のテーマにすると、書きやすいのではないでしょうか。
 
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ジョバンニは、現実に戻ってからカムパネルラの死を知りますが、一緒に乗り合わせた人たちとの会話から、読者は途中から「乗客は死者」だと分かります。
 
「銀河鉄道」を走る列車は、死んだ人が「天上」に行くための列車なのです。
 
この話で宮沢賢治が伝える思想を表し、それについて「賛成」か「反対」かの立場で感想文を書くと、主題がはっきりします。
 
「みんなの幸せのためなら、自分の犠牲をいとわない」という思想です。
 
あなたは、賛成できますか?
・・・私は、できないですね。(*´Д`)
 
文学者や宗教家なら、このような理想を持っていてもよいと思います。
でも、現実の社会は、そんなに甘くないと思います。
 
それに、実際、カンパネルラのように自らの命を投げ出せるでしょうか。
 
賛成なら、その立場で書くとよいです。
宗教的な「奉仕の精神」ですね。
 
法華経(仏教)の「功徳(くどく)」を積むということでしょうか。
「ハレルヤ ハレルヤ」という言葉や「十字架」が何度か登場するので、かなりキリスト教の影響を受けているようにも感じます。
 
「ほんとうのさいわい」
それについて、あなたは、どう考えるでしょう。

 

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