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こんにちは、このかです。
日本は、美しい四季のある国ですね。
でも、私たちは、つい忙しく日々の暮らしに追われて、残念ながら、花鳥風月を感じるゆとりを失ってしまいがちです
私も、普段はそうなのですが、月に2~3回のおけいこで、花をとおして気づくことって、意外と多いのですよ。
花には季節感がありますから。
今回は、外からはわかりにくい生け花の流派の特徴について、お話しします。
花の対話を大切にし「間」をいかす
まず、あなたはお花を、どんな空間にどのように飾りたいですか?
お花のスクールは、「生け花」と「フラワーアレンジメント」、大きく2つに分かれます。
この2つの違いは、それこそ 日本文化と西欧文化という文化の違いそのものですね。
日本の伝統文化では、「間」を生かすことを、とっても大切にします。茶道も、書道も、絵画も同じです。
生け花は、同じ空間にいける「花と花との対話」、「花といけ手との対話」を大切にするといわれます。花材で大きく形どる宇宙(空間)の中に「間」を設けると表現しますよ。
一方、フラワーアレンジメントは、印象派の油彩のように、空間を隙間なく埋めつくすように形作ります。花数が多く、このような華やかな雰囲気です。
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自宅が洋風建築だから、生け花は合わないかなとは、思わないでほしいんです。生け花も、伝統は守りつつ、時代に合わせて変わる努力をしているんですよ。
例えば、小原流の「盛花」は、リビングのテーブルに合うような西洋花を、「盛る」ようにいける活け方です。
ですから、花を習いたいな~と思ったら、両方の体験レッスンを受けることをおススメします。
生け花は、流派や先生によってもかなり雰囲気が違うので、まずは教室をのぞいてみてくださいね。
生け花三大流派とは
生け花には、「三大流派」とよばれる大きな3つの流派があります。
もともと、生け花(華道)は、室町時代に京都の六角堂の僧「池坊専慶」が確立させたものです。
今、華道の流派は数100もあるのですが、そのすべての流派が、この池坊から枝分かれしたものなんですよ。
生け花は茶道と違って、本当にたくさんの流派に分かれています。これも、教室を選びにくくしている原因じゃないかと思うんです。
だって、選ぶとき、どこの流派がいいかって結構きになるじゃないですか。後々変えることも、しにくかったりしますしね。
でも、どの流派も「草花のもつ美を最大限に生かす」という理念は同じなんです。
その数100ある流派の中で、代表的な3つの流派が、こちらです。
「池坊」・「草月流」・「小原流」
これらの流派は規模が大きいので、家元制は保っていますが、現代的な習い事と同じように、とっても分かりやすいカリキュラムと料金体系になっています。
これ、すごく大事なことですよ!
そして、教授者も多いので、教室を見つけやすく、また、引っ越しても同じ流派の先生を見つけやすい利点があります。
興味はあるけれど流派とかわからないなーと思う人は、この3つの流派で、まず調べてみてはいかがでしょう?
1つの目安になると思いますよ。
また、茶道を習っている人には、「未生流」や「嵯峨御流」も人気です。
(関西だけかもしれませんが。)
【関連記事】
⇒生け花教室を選ぶ基準はこの4つ!もっとも大切なのは先生との相性
三大流派の特徴
現在のいけばな界でもっとも多い会員数を誇る3つの流派、
「池坊」
「草月流」
「小原流」
について、それぞれの特徴をもう少し詳しくお話ししますね。
(1)「池坊」の特徴
仏前に花を供えるという慣習は、なーんと飛鳥時代からありました。
「いけばな」は、もともと「供花(くげ)」から始まったものです。
時代が下って、室町時代に、京都の六角堂頂法寺の僧、池坊専慶池坊がいけた「花」が、都で評判になります。
いけばなが「花」として確立したのは、このときなのでした。
池坊は「いけばなの本家」なので、唯一、名称に「派」という字がつかないんですよ。
「池坊の歴史は生け花の歴史」とも言われます。
そして現在も、最大の会員数を誇ります。
仏花として始まった形は「立花」で、その後、住宅事情の変化により、新たな形が生み出されました。
学ぶ技法は、大きく分けて、「立花」「生花」「自由花」があります。
花展に行くと、池坊の「立花」は、まっすぐ凛と佇んでいてとっても美しいです。
最近では、「自由化」も幅広く学べるようですよ。
そのあたりのさじ加減は、先生にもよるのでしょう。
なんといっても「華道家元」です。
じっくり腰を据えて、一生もののお稽古として取り組みたい人も、安心できると思います。
(2)「草月流」の特徴
「草月流」の特徴は、「斬新」で「自由」。
3流派の中で最も新しい流派です。
形式にとらわれすぎず、いける人の個性を大切にする流派といわれます。
花展に行くと、モダンアートを見ているようで、おもしろいですよ。
コンクリートや石などを使ったユニークな作品もあります。
海外普及にも力を入れているようで、「英語版テキスト」も多いです。
初学者のうちは、少しずつステップアップできるテキストが用意されているので、基本はきちんと押さえられます。
ある程度学んだら、制約が少ない自由ないけ方をしたいと思う人に、ぴったりの流派だと思います。
(3)「小原流」の特徴
小原流は、19世紀末に池坊で学んでいた小原雲心が、「盛花(もりばな)」という新形式のいけばなを創始し、近代いけばなの道を開いたことに始まります。
「床の間」や広い玄関のない洋風の住宅に合う、つまりテーブルの上に盛るようにいける「型」が「盛花」です。
「盛花」は、「瓶」ではなく、平たく背の低い「水盤」に、「剣山」を使って盛るようにいけます。
剣山を初めて使ったのは、小原流なのだそうです。
もう1つ、小原流には、「琳派調いけばな」という型があります。
これは、 琳派絵画に描かれた花をいけばなで表現する形式で、三世家元小原豊雲先生が創案されたものです。
尾形光琳のカキツバタを模していけたりするので、琳派好きの方は、調べてみるとおもしろいと思います。
おわりに
私が習っているのは、「小原流」です。
なぜかといわれると・・・・???
特に、流派にこだわりが、あったわけではないんですよ。
どちらかというと、池坊がいいかな(←一番有名だから)ぐらいに思っていました。
でも、私の家から通えるところで、素敵な教室だなと思えたのは、小原流の先生だったのです。
ご縁ですね。
私のように、流派に強いこだわりがないなら、教室の雰囲気と先生との相性で選ぶのが、一番だと思いますよ。
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