この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
小川のせせらぎにふわりと光る蛍の灯りは、日本の初夏の風物詩です。
蛍は、静かな山奥の自然の中で見られることが多いですね。
キラキラした夏ではなく、
ワイワイ大勢ではしゃぐ夏でもない、
蛍の光を楽しみながら静かに夕涼みをする、
そんな夏が、私は好きなのです。(´・ω・)
蛍のほのかな光は、昔から人々を魅了してきました。
平安時代の『源氏物語』にも登場するし、江戸時代には、蛍の鑑賞が、庶民の楽しみの1つとなりました。
「大蛍 ゆらりゆらりと 通りけり」
これは、小林一茶の俳句です。
一茶らしい率直な表現ですね。(*’▽’)
また、有名な蛍の歌
「ほう、ほう、ほ~たる来い♪」
これも、江戸時代に生まれたものです。
蛍が見られる時期
蛍の見ごろは、地方によって差がありますが、5月から6月の梅雨にかけての時期です。
この時期のじめっとしている水辺は、蚊がたくさんいます。
私は、ずっと前に万博公園(大阪・吹田)の蛍を見に行ったことがあるのですが、虫除けスプレーを持ってくればよかったと、心底思いましたよ。
なので、ほとんど風情を感じることはできませんでした。( ;∀;)
夜のお出かけは、ちょっと気合いが要りますが(私だけかな…)、蛍は毎日必ず見られるわけではありません。
蛍がよく見られる時間帯、天気というのがあるのです!
せっかく夕方から出かけたのに、蛍を見れなかったら残念ですよね。
「蛍まつり」に出かけるときは、お天気と時間帯を確認してから出かけてくださいね。
蛍がたくさん舞う時間帯は、9時半から21時の間です。
そして、気温と湿度が高く風の強くない曇りの日が理想的です。
蛍の寿命
蛍は、自分の居場所を知らせるときや、オスがメスに求愛行動をするときに発光します。幼虫から成虫になるまで1年以上かかりますが、成虫の寿命はとても短いです。
成虫の蛍の寿命は、1~2週間なのです。
そして、成虫になってから口にするのは、水だけです。
口が退化しているので、食べ物は一切摂ることはできないのです。
最期の1~2週間、子孫を残すためだけに生きるということですね。
そう思うと、蛍の光が、いっそう儚く感じられます。(._.)
蛍の種類
日本で見られる蛍は、なんと40種類以上もいるそうですよ。
その中でも、よく知られていて、鑑賞されるのが、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルです。
ヒメボタルは、森の中などに棲んでいて、場所が特定しにくいので、蛍の鑑賞地は、主に、ゲンジボタルとヘイケボタルが見られる場所になります。
鑑賞時期は、ゲンジボタルが先で、少し遅れてヘイケボタルも見られるようになります。
(1)ゲンジボタル
体長15mm前後の、大きめの蛍です。
強い光でゆっくりと発光します。
源氏と平氏の源氏に由来するとも、『源氏物語』の主人公「光源氏」に由来するともいわれます。
ゲンジボタルは、河川など流水のある水のきれいな場所に生息します。
主に、本州・九州・四国地方ので見られます。
各地の「ほたる祭り」のほとんどで見られる代表的な蛍です。
(2)ヘイケボタル
体長8mm前後の、小さめの蛍です。
発光は弱めでチカチカと点滅するように光ります。
ヘイケボタルは、源平合戦の平氏が由来といわれます。
水田や湿原などに棲み、流水がなく多少水が汚れている場所でも生息できます。
沖縄以外の日本各地で見られます。
(3)ヒメホタル
体長7mm前後で、ヘイケボタルよも小さい蛍です。
ヒメボタルは水辺ではなく陸地で見られます。
おもに西日本の森林や草地に生息しています。
森の中などで、ひっそり暮らしているので、人目に触れることは少ないです。
おわりに
蛍は月明かりのあまりない、暖かい曇り空の夜に見るのがベストとわれます。
静かな清流の近くが多いので、いっそう幻想的な美しさを楽しめますね。
大阪も京都も鑑賞する場所がありますが、やはり風情を求めるなら京都が素敵です。哲学の道、鴨川、嵯峨野、宇治、貴船…、蛍を鑑賞できる場所も多いです。
電灯の少ない場所に行くときは、足元が危ないので、懐中電灯を用意しましょう。そして、できれば虫除けスプレーも持参をおススメします。(*’▽’)