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2019年9月2日、嵐山の宮廷鵜飼を見に行きました。
 
 
私たちは夕方からの京都駅発・定期観光バスツアーに参加したのですが、観光途中の人は渡月亭の「鵜飼+ディナー」セットがおすすめです。
 
 
京都定期観光バスは宮廷鵜飼+ディナーで9,000円、渡月亭の「嵐山納涼鵜飼鑑賞付ディナー」は一休comで5,688円です。

 

 
鵜飼は鵜を飼いならして魚を取る伝統の漁法で「万葉集」にも詠われ、7世紀始めの中国の書物「隋書」に日本の鵜飼の記録があります。
 
 
野生の海鵜を捕獲して調教しているとのことなので、ブラックな感じだったらどうしようと思っていたのですが、大丈夫でした。かなり大切に飼われているようで、ほっとしましたよ。

 
 

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嵐山の鵜飼は夏限定

 

 
日本ではいくつかの場所で鵜飼の観光ができますが、京都では嵐山の大堰川と宇治の宇治川で見物できます。
 
 
ちなみに、大堰川というのは桂川と同じ川です。
 
 
この川は上流から下流にいくにつれて、保津川・大堰川・桂川・淀川と名前を変えます。
 
 
有名な保津川下りの川と同じ川の下流です。
 
 
大堰川と桂川は、渡月橋を境にして名前が変わります。
 
 
大堰川の鵜飼は、夏の間だけの催しですよ。
 
 
期間:7月1日~9月23日
所要時間:約60分
出船時間:7/1~8/31 19:00と20:00の2回 9/1~9/23 18:30と19:30の2回
乗船料金:大人1,800円 小人(4歳~12歳)900円 幼児(3歳まで)無料
予約受付: 団体のみ可能
※ 各出船時間の1時間前より、乗り場にて当日券を販売。
 
 
「宮廷鵜飼」は源氏物語千年紀記念『平安王朝 復元宮廷鵜飼』ということで、普通の鵜飼との違いは船頭さんが平安時代の衣裳を着て船に少し装飾されているという点だけです。
 
 
出船時間:7/1~8/31 20:00 9/1~9/23 19:30 (8月16日は貸切船のみの運航)
乗船料金:大人2,100円 子供(4歳~12歳)1,050円 幼児(3歳まで)無料
 
 
その他、貸切船を予約することなどもできるようです。
 
 
詳細は⇒★「嵐山通船」まで

 
 

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鵜にも上下関係があるらしい?

 

 
鵜飼は6時半開始だったので、始めはまだ明るいです。
 
宮廷鵜飼だったので、船頭さんが白い衣裳を着ています。

 

 
鵜飼の船が見やすいように屋形船がタテ一列に並びます。
 
だんだん日が落ちて真っ暗になり、かがり火が映える夜になりました。

 

 
鵜飼に使われる鵜は茨城県で捕獲された野生の海鵜です。
 
 
鵜たちは鵜飼の方にかなり大切に育てられているようで、野生の鵜の寿命4~5年に比べ、大堰川の鵜は10~15年ほど元気に生きるそうです。(20歳ほどの長生きさんもいるらしい)
 
 
鵜飼ショーは1日1回、実際にもぐって魚(あゆ)をとるのは4回だけですが、鵜の頑張りを考えるとこれぐらいで充分です。
 
 
鵜飼ショーの鵜のお仕事は1日置きの交代制で、この子たちは明日はお休みだそうです。待遇はかなりホワイト?
 
 
ショーの合間の移動時は、鵜たちも船に乗って移動します。
 
 
その姿がかわいい~♥
 
 
船頭さんが鵜について、いろいと教えてくださいました。

 

 
鵜は鵜飼船1隻に5羽(?)ぐらいのチームで乗るのですが、彼らにも相性があるらしく、仲の悪い鵜同志は同じ船には乗せないそうです。
 
 
仲悪い子を無理に一緒にすると、チームワークがよろしくないらしい・・・
 
 
船の上で休むときは、一番先頭は一番強い(上位の)鵜のポジションなのだそうですよ。
 
 
犬みたいに順位付けがあるんですね。
 
 
でも、先頭から2番目に立つのは2番目に強い鵜ではなく1番強い鵜のお気に入りなのだそうです。
 
 
3番目に立つのが2番目に強い鵜なのだとか・・・
 
 
おもしろいです。
 
 
私は鳥類はかなりコミュ力があるとつねづね思っているのですが、本当にそうみたい。組織内の人間関係と似てませんか?
 
 
ちなみに、過去に一度、逃げ出した鵜がいるらしいのですが、その子は数日後に帰ってきたそうです。エサがもらえるのを分かっているのでしょう。
 
 
鵜飼船が5~6隻一列につながってショーを見るのですが、周りの船の提灯の灯りが、なんともいえない風情があって美しかったです。
 
 
見に来てよかった~と思いました。

 
 

渡月亭別邸の京料理は大満足

 

 
鵜飼は6時半からだったので、その前に早めの夕食をいただきました。
 
渡月橋のすぐそばにある老舗旅館の「渡月亭」の別館で、「京の玉手箱」という京会席をいただきました。二段のお重がかわいいです。

 

 

 
京都の観光地は、老舗といえど価格の割に残念な味の店が多いように思います。(あくまで私の感想です)
 
 
でも、こちらは夕食で3,600円とリーズナブルな割にとてもよかったですよ♪
 
 
鮎の焼き物付きで、天ぷらはきちんとパリパリ食感(しなっとなっている店が多い)で、赤だしも湯葉入りで煮詰めすぎず美味しかったです。
 
 
煮物はきちんとお出汁の味がついていて、濃すぎることもありません。お料理の種類も量も充分でした。
 
 
大堰川を見渡せる窓側のゆったりした席で、接客も◎です。
 
 
嵐山に行くときは、またこのお店にしようと思えました。

 
 

古典文学に残る鵜飼

 

 
鵜飼は1300年前にはすでに日本の漁法として存在していたそうです。(当初は放ち鵜飼でした)
 
 
「古事記」や「日本書紀」にも記述があり、そのころには全国各地に鵜飼集団がいたといわれます。
 
 
現代では漁ではなく完全なショー(見世物)ですが、そういう側面は昔からあったようですよ。
 
 
地方では、鵜飼は生業のためのごく普通の漁法でしたが、都では万葉時代や平安時代は貴族のスポーツ、幽玄の美を感じるショーとして楽しまれていました。
 
 
古典文学に残っている鵜飼について、いくつかご紹介します。

 
 

◆大伴家持

 
 
「婦負川の 早き瀬ごとに 篝(かがり)さし 八十伴(やそとも)の男(を)は 鵜川立ちけり」
 
 
(訳)婦負川の早い瀬ごとに篝火をさしかざし、大勢の役人たちが鵜飼を楽しんでいるなあ)
 
 
「婦負川」は富山県神通川のこと、「八十伴」多くの官人たちのこと、「鵜川立つ」は鵜飼をするという慣用句です。
 
 
平安時代の歌は、都の近く大堰川や宇治川の鵜飼を詠んだものが多いです。

 
 

◆在原業平

 
 
「大堰川 うかべる舟のかがり火に をぐらの山も 名のみなりけり」
 
 
(訳)大堰川の鵜飼舟の篝火で「小暗い(=おぐら)」はずの小倉山が明るく照らされている(「おぐら」が名ばかりになっている)
 
 
当時の鵜飼がかなり大掛かりで華やかだったと分かりますね。今はそこまで明るくないですよ。

 
 

◆藤原俊成

 
 
「大井河 かがりさし行く鵜飼舟 いく瀬に夏の 夜を明かすらむ」
 
 
(訳)大井川を篝火を焚きながら行く鵜飼舟は、いくつの瀬に夏の夜を明かすのだろうか。

 
 

◆紫式部「源氏物語」

 
 
紫式部絢爛豪華な王朝文学「源氏物語」巻十八「松風」の中にも鵜飼の描写があります。
 
 
主人公・光源氏が造営した桂川畔の別邸・桂殿の場面です。
 
 
「松風」は光源氏が31歳頃の話で、須磨で出会い光源氏の娘を産んだ「明石の君」が上京する巻です。
 
 
上京といっても、彼女は地方の受領の娘、中途半端に身分が低かったので、いったん大堰川の近くの嵯峨の屋敷に住まわせることにしたのでした。
 
 
それで舞台が嵯峨嵐山になったのです。

 
 
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