この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。


 
瞑想というと、あなたはどんなイメージを思い浮かべるでしょう。
「無我の境地」を目指すというところから、宗教的なイメージでしょうか。
 
近年、「ペンタゴン」が、「瞑想」によるセルフコントロール法を導入し、数々の成果を上げていることが注目されています。
 
「ペンタゴン」は、CIAやFBIと並び、数々のハリウッド映画の舞台やテーマにも取り上げられている「アメリカ国防総省」の通称です。
 
傘下に軍を携え、アメリカの国防の要として君臨する世界最大の組織でもあります。
 
ペンタゴンは、組織の宿命上、緊急事態は日常茶飯事で、極限状態に追い込まれるような困難が常について回るところです。
 
そんなストレスフルな状態の中で、ざわめく心を静め、思考を正常化させるための方法として、「瞑想」が必須トレーニングとして取り入れられています。
 
今回は、国家機関にも導入されている瞑想の仕方について紹介します。

 

スポンサーリンク

瞑想を導入したペンタゴン

ペンタゴン式目標達成の技術 [ カイゾン・コーテ ]

スポンサーリンク

 

 
ペンタゴンは、かつては「強い兵士を作る」ことに重きを置いた時代があったそうです。強靭な肉体に鍛え上げる「身体的強さ」を優先させた時代です。
 
しかし、一瞬の判断ミスが重大な事態を招くストレスフルな職場では、身体だけでなく「精神力」を同時に鍛えることも大変重要な課題だということが、分かってきました。
 
近年、ペンタゴンがフォーカスしているのは「Body」「Mind」「 Spirit」の三要素をまんべんなく鍛えるトレーニング法です。
 
「ペンタゴン式シンプルメソッド」は、軍が実際に取り組んでいるものなので、自己啓発本によくある精神論的なものでなく、非常に実践的な内容です。
 
目次はこのようになっています。
第1講 呼吸: 鼻から吸って口から吐く
第2講 瞑想: 1日10分、一人だけの時間をつくる
第3講 認知: あなたはどのような人間か知ろう
第4講 知識: 「自分が何を知らないか」を知る
第5講 健康: ペンタゴンは肥満を許さない
第6講 自律: 自分の限界を超える技術
第7講 時間: 72時間ですべてが解決できる

 

呼吸法

 
一番始めに「呼吸の仕方」が書かれていることからも、「呼吸」を重視しているのが分かります。
 
ペンタゴン式瞑想法は、「マインドフルネス瞑想」といういつでもどこでも5分あればできる瞑想法です。

 

呼吸の理想は1分間に8~10回

7b426cd8e291fe7cbe6b1c344b54de20_s
 
現代人の呼吸回数の平均は、1分間に12~16回です。
しかし、理想の呼吸の回数は、1分間に8~10回とされています。
 
一度、時計を見ながら、1分間あなたの呼吸数を計ってみてください。
 
理想の呼吸数より多かった人は、ストレスなどで呼吸が浅くなっている可能性が大きいです。
 
「呼吸数が多い」→「呼吸が早い」→「呼吸が浅くなっている」ということです。
 
ストレスがたまると、肩や胸だけで呼吸する形になり、必然的に息が浅くなります。そうすると、肺容量を十分使った深い呼吸ができないので、十分な酸素が体を循環できません。
 
自分にそういう傾向があるなと思ったら、意識的に「静かにゆっくり深い」呼吸を続けてください。
 
体を楽にして姿勢を整え、目を軽く閉じて「今、この瞬間」に起こっていることに意識を向けるだけです。
 
いちばん簡単なやり方は、自分の「呼吸」に意識を向けることです。
 
これを習慣にすることが大切です。

鼻から吸って口から吐く呼吸

 
また、呼吸をする際、口で呼吸をしないことも大切です。 
基本呼吸の理想形は「鼻から吸って口から吐く」ことです。
 
鼻の粘膜には繊毛と呼ばれる無数の細かな毛が生えていて、この繊毛がウィルスや細菌、埃などの異物が身体に入りこむことを防いでいます。
 
ペンタゴンでは「呼吸を制する者は、勝負を制す」という格言があるほど、呼吸を重要視しているそうですよ。
 
これが「マインドフルネス」の肝です。
 
「スナイパーの呼吸法」などは、かなり実践的で興味深いです。

 

情報中毒から身を守る

90044e1efb77693418bcca20a8ecd6e9_s
 
現代人の生活は多忙です。特に、ここ10数年のIT技術の劇的な進歩により、人は絶え間なく何らかの「情報」に身をさらすようになりました。
 
今では、SNSでいつでもどこでも、誰とでもつながるような状況が簡単に生まれます。そのため、現代人は深刻な情報中毒の状態に陥っている人が多いのです。
 
スマートフォンやPCは、素晴らしい優れたツールです。
その利点は、ここではとても語り尽くせません。
 
しかし、素晴らしいツールも、使い方を間違い、使い過ぎれば毒となります。
 
常に誰かとつながっている状態では、自分自身の心に向き合って人生の大切な課題に集中することが難しいです。
 
現代のように多様化したストレスへの対処方法は、1つだけには絞れません。
ストレスの質や種類によって対処法も異なります。
 
しかし、どんなストレスにも効果の高い方法があります。
それは、強制的に「思考」を停止することです。
 
全ての情報を一時的にシャットアウトする習慣、それを身につけることで、ストレスに強い折れない心を手に入れることができます。
 
それは、難しいことではありません。
1日24時間のうち、たった5分、テレビを消す、手にしたスマホを止める、そうやって静寂の時間を作るだけでよいのです。
 
その5分の間に、取り組みたいのが「瞑想」です。

 

瞑想は宗教ではない!

947b1320720d5b5c6fda2fc93766caa9_s
 
「瞑想」について、個人的にもっとも誤解されたくないのは、宗教的な物と思われてしまうことです。瞑想は宗教ではありません。
 
「瞑想」は、今ではペンタゴンだけでなく、多くの国の大企業に取り入れられています。グーグルが取り入れていることも、よく知られています。
それくらい心身に良い影響があるのです。
 
アメリカ軍では、「瞑想」を導入してたった1年で、自殺者が2割以上も減ったそうですよ。(職種上、自殺率の高い職場です。)
 
「瞑想」を続ける時間は5分~45分とのことですが、始めは5分からで十分だと思います。
 
もちろん、マインドフルネスとは違う他の瞑想法が合う人は、その方法でやればよいと思います。
 
大切なのは、習慣化することです。
何事も継続が大切、よい習慣が心身共に健康な人を作るということですね。(^^)