この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

417a3ddc820c6bdb618b97733322d44e_s
 
太宰治の作品といえば、『人間失格』『走れメロス』がもっとも広く知られているでしょうか。
 
この二つの作品を比べると、内容や雰囲気がずいぶん違うと気づきますね。
 
太宰治は、作風と題材の幅がとても広い作家です。
 
暗く内省的な作品、明るく軽やかな作品、鋭い皮肉に思わず笑ってしまう作品など、いろんな作風のものがあります。
 
そして、全ての作品が、非常にわかりやすい滑らかな文章でつづられ、随所にユーモアが散りばめられています。
 
また、太宰治は、作品の「冒頭」と「結び」の言葉を重視した作家です。
記憶に残る「冒頭」が多いのも、うなずけますね。

 


 

スポンサーリンク

 

太宰治のおすすめ5作品

 
「太宰治の作品で好きなのは?」と聞かれるといくつかありますが、私は下にあげた5作品のほかには、太宰本人の理想であった源実朝を書いた『右大臣実朝』、キリストの死をユダの目線でとらえた『駆け込み訴え』などが好きです。
 
『右大臣実朝』は、太宰治が書きながら楽しくて仕方がないと思った作品ですが、鎌倉幕府第3代将軍・源実朝の政治的な位置づけや、人間関係、歌人としての実朝を知らない人には、理解しにくいと思います。
 
全体的には、短編作品が好きです。(´▽`*)
ああ、でも、全部好きです。
この人の書く「文章」が好きなのです。
 
太宰治の「言葉」の良さが感じられると思う作品を、独断と偏見で選んでみました。(本当は、もっとたくさん紹介したいけれど。)

 

スポンサーリンク

1.お伽草紙

 
『お伽草紙』は、広く知られている日本の昔話を、太宰流にアレンジした異色の作品です。
 内容は、『瘤取り』『浦島さん』『カチカチ山』『舌切雀』の4話です。
 
全て、昔話のあらすじにラストはそっているのですが、鋭い視点でとらえた「解釈」がおもしろいです。
 
『お伽草子』のあらすじは、こちらです。↓

 


 

2.走れメロス

 
『走れメロス』は、人を信じられなくなった王に、メロスが信頼することの大切さを分からせる物語です。
 
内容は、友達を人質に差し出したメロスが、決められた刻限までに走って戻ってくる話です。(ストーリーは単純明快。)
 
メロスは、始めは「結構、余裕~♪」と思っていたんですよね・・・。
走っている間のジレンマに、長距離走の辛さが感じられるなあと、ピンボケな感想を持ってしまった管理人でした。(^_^;)

 


 

3.女生徒

 
『女生徒』は、ある14歳の少女の朝から寝るまでの出来事と内面の告白です。
 
女性の「一人称告白体」で書かれた文体に、まず大きな特徴があります。
この文体は、太宰の得意な書き方です。
 
題材が、太宰の元に届いたファンレターだったということもあり、日記のような雰囲気もあります。
 
女の子の使いそうな言葉遣い、心情表現、少女特有のコロコロ揺れ動く感覚を見事にとらえて表現した作品だと思います。
 
『女生徒』のあらすじはこちらです。↓

 


 

4.斜陽

 
『斜陽』は太宰の晩年の長編作品の1つです。
発刊当初からヒット作となりました。
 
内容は、戦後の社会の変化の中で、滅びる運命の貴族の家族の行く末が書かれたものです。
 
この作品は、登場人物4人の生き様が読書のポイントになります。
 
母は貴族のまま美しく滅び(病死)、弟は庶民に同化しようとあがくけれど果たせず、やはり滅び(自殺)ます。
そして、主人公の「カズ子」は、貴族から脱皮して強く生きていこうと決心します。
 
主人公の「一人称告白体」で書かれた作品です。

 


 

5.『人間失格』

 
『人間失格』は、太宰治の遺書的な作品といわれます。
主人公の設定が太宰治と重なる点が多いので、このようにいわれます。
 
この作品を書いた1年後、太宰治は玉川上水に愛人と飛び込み死亡します。
 
救いのない男の生き様を描いた作品ですが、興味のある方はどうぞ。
あらすじは、こちらにあります。↓

 


 

スポンサーリンク