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「走れメロス」は、1940年、太宰治31歳のときの作品です。
太宰は、この作品の最後にこう記しています。
(古伝説と、シルレルの詩から。)
 
この作品は、紀元前400年頃の実話(古伝説)をもとにして書かれたものです。登場する暴君は、イタリア・シチリア島シラクサを治める残虐な王・ディオニュシオス一世がモデルです。
 
「シルレルの詩」のシルレルとは、シラーのこと。
ベートーヴェン交響曲・第九の作詞者・フリードリヒ・フォン・シラーです。
 
「走れメロス」は、太宰治の作品の中では、ストーリーが分かりやすい短編小説なので、小学生の推薦図書に選ばれることが多いです。感想文を書くなら、王(暴君)やセリヌンティウスの立場で書くと書きやすいですね。
 
20ページ弱の短編にしては、少し長めのあらすじ紹介です。

 

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概略

この話は、処刑されるのを承知の上で友人のために戻ったメロスが、人の心を信じない王に、信頼することの尊さを悟らせる物語です。
 
「青空文庫」です。無料で読めますよ。
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『走れメロス』青空文庫

 

主な登場人物

 
メロス ー 村の牧人
セリヌンティウス ー メロスの親友・石工
暴君ディオニス ー 国王
 
メロスの妹
妹の婿
フイロストラトス ー セリヌンティウスの弟子

 

冒頭

「メロスは激怒した。
 必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」

メロスの激怒・暴君との約束



●暴君の横暴を許せず城に乗り込む➾捕まって処刑されることに
●妹の結婚式のため3日間待ってくれと頼む
●親友を身代わりに差し出す

 
メロスは、村の牧人です。
単純で正義感が強い若者です。
 
その日、メロスは妹の結婚式に必要な衣装やごちそう買うため、村から十里離れたシラクスの市に買い物にやって来ました。すると、街は様子が寂しく、妙な雰囲気が漂っています。
 
そして、街で出会った老婆から、王様が人を信じられなくなって次々に身内を処刑し、臣下の心も疑い出し、派手な暮らしをしている者には人質を命じ、拒否すると十字架にかけるという事を繰り返しているのだと聞き出します。
 
悪人や人を疑う心が大嫌いなメロスは、激怒して城に乗り込んでいきます。しかし、すぐに警護の者に捕まり、王の前に引き出され処刑を言い渡されました。
王は人を信用できない人で、「疑うのが正当の心構えだとお前たちが教えてくれたのだ」と告げます。
メロスは、「処刑される覚悟はあるが、3日間の日限を与えてください」と王に頼みます。
 
3日あれば、村で妹に結婚式を挙げさせて必ず戻ってこれる、だから、それまで無二の親友・セリヌンティウスを身代わりにしてほしいと提案するのです。
 
それを聞いた王は残虐な気持ちでほくそえみ、提案を受けました。
王は、メロスが3日後の日没までに戻ってくると信じてはいませんでした。

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妹の結婚式

●村へ帰って、明日妹に結婚式をすると提案
●渋る婿をなんとか説得し、翌日の真昼に結婚式を挙げる
●翌朝、再び街に向かって出発

 
村に帰って、メロスは結婚式を前倒しして明日にしようと妹の婿を説得します。
婿は、当然、まだこちらの準備が整っていないと断りましたが、夜中まで粘ってなんとか翌日に式を挙げることを了承してもらいます。
 
結婚式は無事終わり、メロスはその後の祝宴で夜中まで騒いで就寝しました。
翌日、目覚めると「オレは殺されるために走るのだ」と胸に誓い、十里の道を再び歩み出します。

メロスの試練


●雨で増水して川が氾濫
●山賊に襲われる
●灼熱の太陽にめまいを起こし倒れる

 
メロスは走ります。
まだ、時間に余裕があったはずなのですが、途中、3度も危機に見舞われてしまいます。
まず、雨で増水した川が氾濫していました。濁流で橋が破壊されていたので、泳ぎ切るしかありません。
 
何とか泳ぎ切って対岸に追くと、今度は山賊に襲われます。3人を殴り倒してこの危機も切り抜けると、今度は灼熱の太陽の暑さでめまいを感じ倒れてしまいます。
 
メロスは、ここで、とうとうあきらめてしまいました。

走れメロス

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●足元のわき水を飲んで、やる気復活
●日没までにとひたすら走る
●処刑直前で間に合う

 
ふと目を覚ますと、水の流れる音が聞こえます。
足元を見ると、岩の裂け目から清水が湧き出ていました。そして、その水を一口飲むと、夢から覚めたような気分になりました。
 
歩ける、行こう。
私は信頼されている。
 
メロスはほとんど全裸で、血を吐きながら走ります。
途中で、セリヌンティウスの弟子・フイロストラトスがやって来て、もう間に合わないというのにも耳をかさず、ひた走りました。
 
そして、とうとう刑場の前の群衆をかきわけ、太陽が沈む直前にたどり着くことができました。
 
「私だ、刑吏! 殺されるのは、わたしだ。メロスだ。」
そして、メロスは、再会したセリヌンティウスに自分を殴れと言います。一度だけ、あきらめてしまったのだと自分を恥じて。
 
セリヌンティウスは力一杯殴ります。そして、セリヌンティウスも自分を殴れと言います。一度だけ、メロスを疑ったことがあったのだと言って。
メロスも、セリヌンティウスを殴ります。
そして、「二人はひしと抱き合い、おいおい声を放って泣きました。」
 
王が、「真実とは、決して空虚な妄想ではなかった」と告げ、自分も仲間に入れてくれと頼みます。
 
「万歳、王様万歳」の群衆の歓声が起こりました。
 
少女がメロスにマントを差し出しました。メロスが裸だったからです。セリヌンティウスからそのことを告げられたメロスは、赤面しました。

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