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『古事記(こじき)』と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
 
日本の古き神々?
歴史の授業?
 
確か、歴女という言葉は、某戦国時代ゲームが火付けだったと思いますが、その後も歴史好きな女子は増えているようです。
また、古代史は、神々や神秘、自然の大いなる力といったスピリチュアル系にもつながる部分があるので、そういうのに興味のあるあなたも楽しめるでしょう。
パワースポットの神社とか御朱印とか・・・。
 
今回は、日本最古の歴史書『古事記』の概略をお話します。

古事記とは

『古事記』は712年に完成された「日本最古の歴史書」です。
ただ、昔は歴史書というには、あまりにも空想的で現実的でない内容が多いので、重要視されていませんでした。
 
しかし、江戸時代以降に再発見され、高く評価されていきます。
そして、同じ古代の歴史書『日本書紀』よりも物語性が高く、「日本人のこころ」を表していると、今はますます人気が高まっています。

成立

天武天皇の命により、稗田阿礼に誦習させたものを太安麻侶が記しました。
完成は712年、元明天皇の時代です。

文体

当時は、まだ平仮名がなかったので、和化漢文という日本語の「音」を漢字で表す書き方で記されました。
漢文で書かれていないというのが、大きな特徴の一つです。

内容

上・中・下の全三巻からなります。
そしてその中に112首の歌が含まれます。
 
もっともよく知られている「国造り」の話は、上つ巻に書かれています。
イザナキとイザナミの関係は、現代の夫婦関係、というか夫婦喧嘩からの離婚と似ていたりして、おもしろいです。
初めの夫婦も、今と似たり寄ったり、時代を経ても人間の本質は変わらないということでしょうか。

上つ巻

上巻が、いわゆる日本神話の話です。
伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)による天地創造から始まり、神武天皇までの神話が記されています。
中つ巻からの神武天皇以降の話は、神話ではなく日本史の世界になります。
 
この上巻では、天地創造の後、天照(アマテラス)・月読(ツクヨミ)・素戔嗚(スサノオ)の三貴子が登場、それから大国主(オオクニヌシ)の物語と、邇邇芸(ニニギ)の高千穂(たかちほ)への降臨につながります。

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中つ巻

初代・神武天皇(じんむてんのう)から15代・応神天皇(おうじんてんのう)までの記録の巻です。
 
三輪山伝説、倭建命(ヤマトタケルノミコト)の伝説、神功皇后(じんぐうこうごう)の新羅遠征の話などが収められています。
 
特に、ヤマトタケルの話は、征西、東征の後、望郷歌を詠んで白鳥になって飛翔する話まで、文学性豊かに描かれています。
 
ヤマトタケルの話は、裏を返せば、嘘くさい話なので、そういうところが歴史書として首を傾げられるわけです。
 
でも、そこが、『古事記』のおもしろいところなのです。

下つ巻

中つ巻に続く歴代天皇の記録の巻です。
16代・仁徳天皇から多彩な逸話を含む雄略天皇記(ゆうりゃくてんのうき)を経て、33代・推古天皇までの記録です。
 
次第に、天皇像が神話的なものから儒教的な聖君子へと変わります。つまり人間的になっていきます。
推古天皇の頃、摂政は聖徳太子でした。
もう、しっかり日本史の世界ですね。

目的

『古事記』は、国家事業として天皇が命じて編纂させた歴史書です。
これまで口承で伝わっていた日本の創世を、しっかり体系づけようとして書かれたものです。
 
しかし、その目的は、天皇による国の支配を正当化するためでした。
 
日本の国内に向けて「天皇は神に認められた存在(神の血統)」ということを植え付けるために作られたのです。
多くの神話や伝説が含まれ、主張も絶対的なものです。
 
ですから、物語性に富んでいて、内容がストレートに伝わります。
ヤマトタケルの物語なんて、とてもドラマティックで秀逸です。
 
そのあたりが、次回お話しする『日本書紀』との違いなのです。
『日本書紀』よりは『古事記』のほうが、ずっと親しみやすく感じますよ。(*^^*)

おわりに

日本最初の天皇、つまり初代天皇は、神武天皇とされています。
そして、この「天皇」という言葉が生まれたのは、天武天皇の時代です。
 
学者の中には、天武天皇を初代と考える人もいますが、このサイトでは、一般的な説を取り上げます。
 
『古事記』と『日本書紀』を合わせて『記紀』とよびますが、『日本書紀』編纂を命じたのも天武天皇です。

天武天皇は、兄・天智天皇の後、壬申の乱で甥の大友皇子に勝利した人です。
妻は後の持統天皇です。

 
兄と妻の歌は、「百人一首」に収められています。↓


 

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