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藤原敦忠と藤原朝忠は、名前がすごく似ていますね。
年齢も4歳違いなので同時代人です。
二人とも三十六歌仙の一人です。
しかも、面倒くさいことに
どちらも「右近」(38番)と恋仲でした。(´・ω・)

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右近の歌はこちら↓

人物像を押さえて区別してみます。

【敦忠(あつただ)】
琵琶の名手。
藤原時平の息子。
時平は菅原道真を左遷に追い込んだ左大臣です。
藤原忠平(26番)の甥にあたります。
母は在原業平(17番)の孫です。

【朝忠(あさただ)】
笙の名人。
藤原定方(25番)の息子。定方は右大臣。
時平と定方はもちろん親戚です。

 

父親の歌も25・26と連番なんですよ。
ほんと、ややこしいですね。↓

在原業平おさらい♪↓

 

43.権中納言淳忠=藤原敦忠


藤原敦忠は、左大臣として権勢をふるった
父・時平とは違い、
政治より管絃や恋愛に向いていたようです。
恋した人が伊勢の斎宮に選ばれたりと、
様々な恋をしてその度に優れた歌を残しています。

逢ひ見ての 後(のち)の心に くらぶれば
昔はものを おもはざりけり

【覚え方】逢い(愛)は昔

夕べ、あなたと一夜を共にしたあとのぼくのこの乱れる心に比べたら、あなたにお会いする前にしていた物思いなんて、ないようなものでしたよ。

激しい恋心を歌った一首です。
敦忠は、恋多き人として知られています。
ひらひら舞う蝶のようでなく、
恋にのめり込むタイプだったのかもしれません。
ストレートな激情を素直に表現しているので、
共感できますね。

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44.中納言朝忠=藤原朝忠

この歌は、村上天皇主催の「天徳内裏歌合」で
詠まれた歌です。
平兼盛(40番)と壬生忠見(41番)が
最後のお題で対戦したあの歌合です。

歌合では、全部で20組、40首の歌が詠まれました。
朝忠の歌は19番目で、判定は勝者になりました。

逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし

【覚え方】逢うこと人を

お会いして契りを交わすことは二度とない、とわかっているならばどんなによいか。そうしたら、あなたのことも、ふがいない自分のことも恨めしく思わずにすんだのに。
いつか、という思いがあるばかりに……。

「なかなかに」は「かえって」という意味の副詞。
「~なくは~まし」は反実仮想です。
逆説的に表現しているのですね。
「人をも身をも おもいざらまし」の「人」は
特定の相手(恋人)です。
「あなたも自分も恨まなくてすんだのに」
という意味になります。

一度は契りを交わしたけれど、
再び逢えるのかどうかわからないという
微妙な関係の相手に対する繊細な恋心を表
現しています。

「天徳内裏歌合」と名歌対決の歌について↓

 
「百人一首」全首の詳細はこちらから(´▽`)♪↓

「百人一首」まとめ記事~全首の意味・覚え方とおすすめ参考文献!


 

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