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藤原定家の歌人の選び方は、興味深いです。
「小倉百人一首」は「古今和歌集」から「続後撰和歌集」まで
十の「勅撰和歌集」から選んでいますので、他にも優れた歌は
たくさんあります。

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その中で「この人?」と思う人を選んでいることがあります。
おそらく「定家は歌」だけではなく「人」も選ぶ対象にしているのでしょう。
その人を取り巻く環境や、生き様も考えて選んでいる部分があると思います。

33.紀友則(きのとものり)

「土佐日記」の作者・紀貫之(35番)の従兄です。
宮内権少輔有友(ごんのしょうありとも)の息子。
元は名門貴族の紀氏出身ですが、40歳を過ぎても出世に恵まれず無官でした。
その後土佐掾大内記に昇進できます。
「古今和歌集」の選者の一人ですが、完成を待たずに亡くなります。
三十六歌仙の一人です。

ひさかたの 光のどけき 春の日に
しづこころなく 花の散るらむ

【覚え方】久方の静かな心

日の光がのどかにあふれる春の日に、どうして落ち着いた心もなく桜の花は散り急いでしまうのだろうか。

「ひさかたの」は日の光・空・月などにかかる枕詞です。
古典の中の「花」=「桜」です。
穏やかな春の日の光に照らされた桜の美しい情景の中で、
散り急ぐ桜の切なさが感じられます。
哀愁漂う歌ですね。


世の中に たえて桜のなかりせば
春の心は のどけからまし

在原業平のこの歌の心情に近いです。

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34.藤原興風(ふじわらのおきかぜ)

藤原の興風は身分の低い役人でした。紀貫之(35番)の従兄です。
紀貫之凡河内躬恒(29番)とは歌仲間でした。琴の名手として有名です。
三十六歌仙の一人、勅撰和歌集に三十八首選ばれています。
また家集として「興風集」があります。

琴の名手であったため、管弦の宴の席や歌合の席によくよばれていました。
この歌は昔を懐かしみ友を偲んで詠んだ歌です。

誰をかも 知る人にせむ 高砂の
松も昔の友ならなくに

【覚え方】誰を待つ(松)

いったい誰を知人としようか。
おめでたいといわれる長生きの高砂の松だって、昔からの友ではないというのに。

「しる人にせむ」が分かりにくいでしょうか。
「しる人」は自分をよく分かってくれる人のことです。
「に」は動作の結果を表す格助詞、「む」は意思を表す助動詞です。
「親しい友達としよう」という意味になります

長生きをして周りの友人たちが亡くなっていく寂しさがしみじみ伝わります。
情感に訴える歌ですね。

定家自身が同じような境遇だったので、共感を覚えたといわれています。

 
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