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21.素性法師(そせいほうし)


素性法師(そせいほうし)・俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)
僧正遍照(12番)の息子です。
僧の子は僧になるべしという父の命令(←かなり横暴)により出家し、雨林院(うりんいん)別当に任ぜられます。
三十六歌仙の一人です。
清和天皇・宇多天皇・醍醐天皇に仕えました。

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僧正遍照の一首はこちら ↓

 

歌仲間に在原業平(17番)がいます。
業平が百人一首17番の「ちはやぶる~」の歌を詠んだときに立ち会った人なのでした。

 

今来むと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出(い)でつるかな

【覚え方】 今来む有明

「今行くよ」と言ったあなたを起きてずっと待っていたら、現れたのはあなたではなくて9月の有明の月だった。
まるでその月を待つために起きていたみたいだわ。

歌を間違えたわけではありません。(笑)
この歌は素性法師が、女性目線になって詠んだ歌なのです。
平安時代の人は、こういうことをよくやります。

「長月」は陰暦の9月、日が落ちるのが早くなる晩秋です。
「有明の月」は、15夜(満月)を過ぎた16夜以降の月のことです。
夜更けに上り始め、夜明けまで空にうっすら残る美しい月です。
秋の夜長に愛しい人を待っていた女性の心情を(想像して)詠んだ歌
なのでした。

22.文屋康秀(ふんやのやすひで)

文屋康秀は身分の低い役人でしたが、歌の才を認められ宮中の歌会によくよばれていました。
山城や三河の官僚を務めます。
六歌仙の一人です。

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歌をとおして在原業平(17番)小野小町(9番)と交流がありました。
三河国に赴任するとき、小野小町を誘ったと言い伝えられます。
小町は思わせぶりな返歌を送りましたが、ついて行ったかどうかは謎です。
でも、かなり親しかったというのは、確かでしょうね。
息子文屋朝康(37番)も、百人一首に選ばれています。

吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を 嵐といふらむ

【覚え方】 吹く山風

吹くとすぐに秋の草木がしおれてしまう。
そうか、だから山から吹く風を「山」に「風」と書いて「嵐」というのだなあ!

二つの漢字を合わせた言葉(漢字)遊びを取り入れた技法です。
これは「離合詩」という漢詩の技法の応用です。

かなり変わっていますね。ダジャレみたいです。
また、「嵐」と「荒らし」を掛けています。
即興でこれとは、頭の回転が素晴らしいですね・・・。

文屋康秀は、貴族的な情感のある歌ではなく、機知にとんだ技巧を凝らした歌を得意としました。

これは、是貞親王(これさだしんのう)の歌合によばれたときに詠んだ歌です。
冬の訪れが近い秋の荒々しい山風を、見事に表現しています。
この一見粗忽さも感じられる歌に、機転を利かせ数々の技巧を凝らしたところが、感心されたのでしょう。
紀貫之はこの人を古今集の序で「ことばたくみ」と高評価しています。
(この言葉、現代では誉め言葉に聞こえないんだけど・・・。)

小野小町の歌はこちら ↓

在原業平の歌はこちら ↓

 
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