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こんにちは、このかです。
 
今回は、桜の花と日本人について・・・・・
 
桜の花は、なぜ日本人にこれほど愛されるのでしょうか?
 
古くは、古事記に「コノハナサクヤビメ」という桜の木のように美しい女神がでてきます。(ニニギノミコトの妻になる)
 
万葉の時代から、繰り返し繰り返し和歌に詠まれ、現代でも、音楽の世界で「桜ソング」は人気がありますね。
 
どんなに時が移り変わっても、変わらない。
桜を愛でる心は、日本人の魂の中に刻み込まれてるのだと思います。

 
 

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それぞれの「桜の想い出」

 

 
ずーっと前、1000年も前の私たちの祖先の時代から、日本人にとって桜は、ただの植物ではありませんでした。
 
 
桜は、日本人の精神世界・死生観と結びついています。
 
 
どんなに美しい花でも、目にしなければ、こんなに心に残ることはありませんね。私たちは、祖先の遺した桜の木を、そこかしこで目にしています。
 
 
例えば、学校の校庭で。卒業、入学のシーズンは、桜の季節です。そして、広い公園や並木道、河川敷にも、桜並木がたくさんあります。
 
 
江戸時代、8代将軍吉宗は、庶民の憩いの場を作るため、隅田川の桜堤(向島)、御殿山(品川)などの桜並木を、大幅に整備しました。その理由は、「享保の改革」でしめ付けていた庶民に息抜きの場を与えるため、桜をたくさん植えて火事の延焼を防ぐためといわれます。
 
 
でも、それでは、別に桜でなくてもよかったのではと思いますね。
 
 
吉宗が「桜」にこだわったのは、吉宗の故郷の紀州(和歌山)の春になると満開になった桜を偲んだからだといわれます。将軍様も幼い日の想い出に桜があったのです。
 
 
桜を見ることで、懐かしい想い出がよみがえります。
 
 
春になると、天気予報で、毎日のように「桜前線」が報道されます。あの「桜前線」、外国人から見たら、すごく「変」な事のようですよ。理由を知ると頭では納得できるでしょうけれど、実感することはできないでしょう。
 
 
もう10年以上前の事ですが、私の祖父は、5月に亡くなりました。
 
 
祖父の言葉で今も忘れられないのが、
「まだ今年、桜、見てないんや……。」という言葉。
 
 
見られるものならすぐにでも連れて行ってあげかったけど、その言葉を聞いたとき、桜の季節はもう終わっていました。
 
 
それから毎年、桜の季節になると、祖父のその言葉を思い出します。
祖父は桜が大好きで、毎年必ず見に行っていたそうです。
 
 
私はおじいちゃんっこだったので、小さい頃は、おばあちゃんの作ってくれるおむすびのお弁当を持って、毎年のように、お花見に連れて行ってもらいました。
 
 
それが、いつからか一緒に行かなくなり、祖父母の家に行くことも、ほとんどなくなってしまったのでした。
 
 
桜の季節になると、私は歩いて行ける近くの河原の桜並木の桜の下に、人の少ないお昼間、一人でこっそり行きます。
 
 
私の中の祖父の魂と一緒に見に行って
「おじいちゃん、今年も桜、きれいやなあ。。。」と、言うのです。
 
 
私にとってお花見は、ワイワイ騒ぐものではなく、お墓参りに行くようなものです。でも祖父を思い出して、優しい気分になれるのです。
 
 
ある程度、年齢を重ねた人なら、その人だけの「桜の想い出」があるのではないでしょうか。

 
 

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「花」は国民性を表わす

 

 
不思議な事に、「花」はその国の国民性を表します。
 
 
日本の国花は法的には決まっていないのですが、一般的には「桜」と「菊」といわれます。
 
 
「菊」は、天皇家の紋なので、日本を代表するものとなっているのでしょう。
「菊」が天皇の象徴ならば、「桜」は日本人の象徴です。
 
 
平安時代初期まで、日本は中国文化の影響を強く受けていて、和歌に詠まれる花は「梅」が主流でした。
 
 
その後、国風文化が発展し、平安時代中期から、「花」=「桜」となるほど、桜が定着していったのです。
 
 
一体、桜のどこに日本人は魅かれたのでしょうか?
桜の美しさは、その「散り際」にあります。
 
 
花を生けるのが好きな人ならお分かりと思いますが、多くの花は、ミイラのように醜くしぼみ、腐臭すら漂わせて枯れていきます。
 
 
でも、桜はけっしてそんな姿を見せません。
 
 
美しい花びらを舞い散らせて終わり、その後、夏の訪れを告げるかのような葉桜に変わります。
 
 
桜の散り方は、日本人の死生観を表しているのです。
 
 
散るからこそ美しい。
その死生観は、無常心です。
 
 
この世は移りゆくもので、権勢を誇っている者も、栄え続けることはない。栄える時代があれば、衰退する時代もある。
 
 
桜の美しい時期は、ほんのひとときです。
その美しい花は、1週間もすると、はかなく散りゆきます。
 
 
でも、だからこそ良いのだと感じるのが、日本人の美意識なのです。
 
 
すぐに散るけれど、生きている間は、醜い姿をさらさず、美しくいたい。
これは、日本の「恥の文化」につうじるものだと思います。

 
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