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こんにちは、このかです。
 
今回は、秋の季語を使った江戸三大俳人の代表作を、お伝えします。
 
秋の俳句は、素晴らしいものがたくさんあって、選びにくいです。
 
「秋=寂寥感」というイメージは、平安時代からあったようなんですよ。秋の寂しさは、静寂の中の美しさを讃えるもので、悲壮感があるばかりではありませんね。
 
そういうところが、「侘び寂び」に通じる日本人の感性なのかなあと思います。

 
 

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秋の季語「時候・天文・地理」

 

 
★ 時候
 
秋・秋の朝・秋の暮・秋の昼・秋の夜・秋の宵・秋麗・秋湿秋旱・爽やか・秋気・秋暁・夜長・千秋楽・秋澄む・律の調べ・身に入む 
 
★ 天文
 
秋風・秋曇・秋晴・霧・露・月・月代・稲妻・秋の日・秋の星・秋高し・秋の雨・秋の嵐・秋の色・秋の霞・秋の雲・秋の声・秋の空・秋の虹・秋の夕焼・秋日和・降り月・上り月・色なき風・鰯雲鯖雲・龍田姫・釣瓶落し・天の川・流れ星・星月夜
 
★ 地理
 
秋の池・秋の沼・秋の海・秋の潮・秋の波・秋の川・秋の水・秋の湖・秋の田・秋の土・秋の野・秋の狩場・秋の浜・秋の水・秋の湖・秋の山・秋園・花野・花畠・水澄む・山粧ふ

 
 

秋の「時候・天文・地理」の俳句

 

 
秋は、「秋」そのものや、「秋風」「秋深き」など秋らしさが感じるものの他、大人気の「名月」があります。
 
「中秋の名月」は、江戸時代のように電灯のない時代は、言葉にできないほどの美しさだったのかもしれませんね。

 
 

(1)松尾芭蕉の秋の俳句

 

 
名月や 池をめぐりて 夜もすがら
 
【季語】名月
 
松尾芭蕉は、「名月」の俳句を、たくさん詠んでいます。
「名月」を鑑賞するために、2つの旅に出て紀行文を残すほどですよ。
 
上の俳句は、いくつか解釈の仕方があって、おもしろいです。
その解釈と2つの紀行文については、こちらの記事にありますよ。
ご一緒に、どうぞ♪
 ↓↓
芭蕉の「名月」といえばこの俳句「名月や池をめぐりて夜もすがら」
 
 
荒海や 佐渡に横たふ 天の川
 
【季語】天の川
 
 
 
秋深き 隣は何を する人ぞ
 
【季語】 秋深き
 
旅の途中、病に倒れた芭蕉が、静かに伏せっていると、自然と隣家の人々生活の音が聞こえてきました。
 
そのとき、隣の人は何をしている人だろうなどと想像して読んだ一句です。
 
芭蕉は、このときに体調不良で句会に参加できなかったんです。
それで、門人に持って行ってもらったのが、この俳句なのでした。
 
松尾芭蕉のよく知られた俳句は、こちらの記事にまとめています。
 ↓↓
松尾芭蕉の俳句~静けさや・五月雨を~代表作20句を紹介します
 
 
秋風の 吹けども青し 栗の毬
 
【季語】 秋風
 
 
枯枝に からすのとまりけり 秋の暮
 
【季語】秋の暮
 
 
この道や 行く人なしに 秋の暮れ
 
【季語】秋の暮れ
 
 

 

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(2)与謝蕪村の秋の俳句

 

 
なかなかに ひとりあればぞ 月を友
 
【季語】月
 
独りだからこそ、かえって月を友として楽しむことができるのだという意味ですね。
 
しみじみした秋らしい寂寥感が伝わります。
 
江戸時代は、中秋の名月の晩は、和歌や俳諧を作りながら酒宴を開く「月見の会」を、もよおす風習がありました。
 
そんな日に、誰も訪ねることのない孤独の中で、月を鑑賞して詠んだものなんですね。
 
 
月天心 貧しき町を 通りけり
 
【季語】月
 
与謝蕪村も、よく旅に出た俳諧師です。
 
「月天心」という言葉が、すごく美しいですね。
ファビュラスな感じがしますよ♡
 
「月天心」の神々しいまでに素晴らしい月と、猥雑で寂びれた「貧しき村」の情景が、見事に対比されています。
 
 
門を出れば 我も行く人 秋のくれ
 
【季語】秋のくれ
 
 
山茶花の 木間見せけり 後の月
 
【季語】後の月
 
 
白露や 茨の刺に 一つづつ
 
【季語】白露
 
 

 

(3)小林一茶の秋の俳句

 

 
名月を とってくれろと 泣く子かな
 
【季語】名月
 
すごく有名な一茶の俳句です。
 
中秋の名月の美しさがよく表れていますが、一茶の「名月」は、芭蕉の「名月」とは、なんだか別物のように感じます。
 
同じ題材でも、詠む人によって、これほど違う雰囲気になるのだなあと感心します。どちらも個性がしっかり表れていて素敵という意味ですよ。
 
一茶は、どんな物も、身近で親しみやすい物に変えられるので、おもしろいです。
 
 
秋風に 歩いて逃げる 蛍かな
 
【季語】秋風
 
小さな虫(蛍)を観察して作ったところが、すごく一茶らしいですね。
 
夏の虫・蛍が、冷たい秋風から、もう飛ぶ力もなく、よたよたと歩いて逃げる姿に、秋の趣がすごく出ています。
 
 
秋寒(あきさむ)や 行く先々は 人の家
 
【季語】秋寒
 
 
木曽山(きそさん)へ 流れ込みけり 天の川
 
【季語】天の川
 
 

 

おわりに


 
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
 
秋は、俳句や和歌で一番たくさん詠まれている季節なので、秋の俳句はたくさんあります。
 
ですから、今回は、「江戸の三大俳人」松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶の俳句にしぼって、お伝えしました。
 
「名月」の題材に、それぞれの俳諧師(俳人)の特徴がよくでているなあと思えます。
 
句作の参考になれば、うれしいです。
 
 
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