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こんにちはー♪
 
今回は、嵯峨・嵐山を詠んだ先人たちの俳句を、ご紹介します。
 
京都の中心部から北西にあたるこの地は、平安時代は貴族の別荘地でした。
 
春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪と、四季折々の風情が楽しめる名勝です!
小倉山を背にした渡月橋の風景は、非常に美しく、写真や映像でご覧になった方も多いでしょう。
 
日本有数の観光地なので、休日はとんでもなく混雑することがあります。
駐車場の確保が難しいときもありますので、車で行かれる場合は、お気をつけください。
 
嵯峨・嵐山は、もともと出家(退職?)した貴族の庵の多い場所でしたので、わびさびを感じる風情があります。
 
大堰川に架かる渡月橋など、観光名勝は東側にかたよっていますよ。

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「嵯峨」を詠んだ俳句

 
嵯峨と嵐山は、一緒にされることが多いですね。
「嵯峨嵐山駅」なんていう駅まであるので、いっそう混乱します。
 
嵐山は、おそらくもとは山の名前だったと思われます。
それが、大堰川の西側(右岸)の範囲を指す地域、一般には、渡月橋付近全体を示すようになりました。
 
ちなみに、川の東側の山は「小倉百人一首」の小倉山です。
 
嵯峨野は嵐山を含む、もっと大きなこの地域一帯の名称です。(川の東側地域)
 
有名な竹林も、嵯峨野です。
ついでに、北の山地のほうも嵯峨野です。
 
私が好きなのは、断然嵯峨野、ずんずん上っていくと、お寺が多いです。
祇王寺とか苔寺とか、よいですよ~♪
大覚寺は、時代劇の聖地です!
 

 

(1)すずしさを 絵にうつしけり 嵯峨の竹

 
松尾芭蕉
 
【季語】すずし・夏
 
嵯峨は、昔は京の人たちの避暑地でした。
今でも、京都の市街地よりは、夏の暑さはかなりましです。
 
何よりも、すっくとまっすぐ伸びる竹の緑に、涼しさが感じられます。
 
「夏の涼しさ」を詠む句が引き立つ場所ですね。

 
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(2)若竹や 夕日の嵯峨と なりにけり

 
与謝蕪村
 
【季語】若竹・夏
 
斜陽を受けて映える若竹の美しさが感動的ですね。
この句は、切れ字が2つあります。
 
なかなか真似のできない技法ですね。
 
与謝蕪村の俳句の中で、秀句と呼ばれるのも納得です。
若竹が生える季節の、もっとも美しい時刻を、詠んでいます。

 
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(3)鶯(うぐいす)の 啼けばなつかし 嵯峨の家

 
正岡子規
 
【季語】鶯(うぐいす)・春

 

 

(4)雉(きじ)の鳴く 嵯峨野の奥や 雨ほろほろ

 
正岡子規
 
【季語 】雉(きじ)・夏
 
雉(きじ)は、「万葉集」にもよく登場する、昔から日本にいる鳥です。
大伴家持が、よく詠んでいます。
 
雉の鳴き声を、「ほろほろ」と表現することがあります。
子規はその鳴き声と雨の降る様子を、かけているのですね。
 
 
【キジの豆知識】
 
雉(きじ)の鳴き声は、本当は「ケーン、ケン」という鋭い鳴き声です。
雉(きじ)が羽を重ね合わせる音が、「ホロロ」「ホロホロ」と表されたようです。
 
でも、俳句や和歌では、「けんけん」も「ほろほろ」「ほろろ」も、どちらも「雉(きじ)の鳴き声」として表現されることが多いのですよ。
 
その2つの鳴き声を合わせたのが、「けんもほろろ」という言葉なのです。
この言葉は、「とりつく島もない」「つっけんどんな」という意味で、今も使われていますね。

 

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「嵐山」を詠んだ俳句


 
嵐山は、なんといっても大堰川にかかる渡月橋から小倉山を臨む景観が、素晴らしいです。
 
夏は桜、秋は紅葉の名所なので、素直に俳句に詠むだけ、十分心情が伝わりそうですよ。
 
切れ字を印象的に使いたいです。

 
 

 

(1)五月雨の 空吹き落せ 大井川

 
松尾芭蕉
 
【季語】五月雨・夏
 
★元禄7年の5月、芭蕉が永眠する5カ月前に作った俳句です。
 
大井川(大堰川)は、嵯峨・嵐山地区を流れる川です。
この川に架かるのが、有名な渡月橋ですね。美しい情景です。
もう少し下流になると桂川と名を変えます。
 
この俳句は、嵯峨の芭蕉の弟子・向井去来の「落柿舎」(らくししゃ)を訪れたときに、作ったものです。

 

(2)六月や 峰に雲置く 嵐山

 
松尾芭蕉
 
【季語】 六月・夏
 
★ この俳句は、上の俳句の約1カ月後、6月に作ったものです。
 
芭蕉が亡くなる4カ月程前、同じく嵯峨の落柿舎に滞在中のものです。
 
五月雨の 空吹き落せ 大井川
六月や 峰に雲置く 嵐山

 
2つの俳句は、構成がよく似ていますね
 
●月・・・五月ー六月
●天文・・・空ー峰
●地名・・・大井川ー嵐山
 
興味深いです。

 

(3)大井川 なりしづまりて 鳴雲雀 (ひばり)

 
小林一茶
 
【季語】雲雀(ひばり)・春

 

(4)嵐山 葉桜はあれど 若楓

 
正岡子規
 
【季語】 若楓・夏

 

 

(5)人の目の 秋にうつるや 嵐山

 
正岡子規
 
【季語】 秋

 

(6)冬晴や さびしくなりし 嵐山

 
日野草城
 
【季語】 冬晴・冬
 
日野草城は、ホトトギス派の俳人でしたが、斬新な作風の俳句を作り、高浜虚子の逆鱗に触れて、ホトトギスを除名されます。
 
その後は、無季俳句を積極的に唱導し、エロティシズムや無季の句をつくり新興俳句を打ち立てました。
 
死の前年に、虚子に許され、ホトトギスに復帰しています。
 

 
 

おわりに


 
嵯峨・嵐山で写実的な俳句を作る場合、大堰川と小倉山の風景の美や、竹林を題材にし、それに季節の花などを季語として取り入れると素敵だと思います。
 
6月には蛍が見られますので、夏の季語として使えます。
蛍は、大覚寺の大沢池から流れる有栖川で、見られます。
 
春は桜の美しさ、夏は竹林の涼しさ、秋はメランコリックな紅葉、冬は凛とした冬景色の美を表せますね。
 
場所を句に入れる場合は、
 
嵯峨・嵯峨野・嵐山・竹・若竹・竹林・渡月橋・
大堰川・桂川・二尊院・鈴虫寺・天龍寺・鹿王院
祇王寺・苔寺(西芳寺)・大覚寺・常寂光寺・落柿舎・・・

 
落柿舎は、松尾芭蕉の弟子の向井去来の草庵です。
 
たくさん考えられそうですよ。(*’▽’)

 
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