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こんにちは。
 
東北の名産品で、手軽なお土産といえば、何を思い浮かべますか?
 
私は、「こけし」と「赤べこ」かなあ。
こけしは、東北の伝統工芸品ですね。
 
でも、その名前から、なんだか怖いことを連想しがちですよね。
いわゆる、
 
「こけし」=「子消し」
 
という連想です。
 
どーも、昔の怖い系の都市伝説は、間引きに結び付けるものが多いです。
 
以前、記事に書いた、「とおりゃんせ」の歌詞や「河童」の由来も、そうなんですね。これらは、多分、間引きが由来ではありません。
 
では、「こけし」は、どうでしょう。

 

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昔は、本当に雪深い東北地方は、生まれた子供を育てるだけの食料がないなどの理由で、死なせてしまうことがありました。
 
こけしは、かわいい女の子の姿を模したものが多いので、特に、そう連想できるのでしょう。
 
本当のところはどうなのか、すごく気になるので、きちんと調べました!

 

「こけし」の誕生

 

 
今、市場に出ているこけしは、伝統工芸品とみなされるものと、最近作られた新しいデザインのものがあります。
 
伝統的なこけしは、江戸時代の末期に東北地方の湯治場で、農民達へ人形玩具として売られたのが始まりなのでした。
 
つまり、東北地方のお土産で、子供のおもちゃとして作られたものだったんです!
 
こけしを作った職人さんは、木地師(きじし)と呼ばれる人たちで、もともとは、ろくろを使ってお椀などの木工品を作っていたのです。
 
当時の職人さんは、ろくろで円形にする技術しかなかったので、丸木を頭部と胴体だけ残す簡単な形にしか作れませんでした。
 
こけしの形は、こうして決まったのです。
 
そして、主に小さな女の子用の「お人形」のようなおもちゃだったので、胴体の部分は、子供が握れるぐらいの大きさに合わせていたようです。

 

「こけし=子消し」は都市伝説にすぎない!

 
先程書いた、こけしの「音」から連想できる「間引き説」は、後世の創作のようです。
 
ですから、間引いた女の子の供養のために作られたというのは、都市伝説です。
 
でも、この説には、元ネタがあるんですよ。
1960年代の詩人・松永伍一の創作話の中にあった内容なのだそうです。
完全に創作ですよ!
 
それが、いろいろなところで引用されて、本当の話っぽく伝わってしまい、テレビ番組で、さも本当の由来のように紹介されたのだそうです。
全く、いい加減な話ですね。
 
名前からの連想は、そのまんまなので、誰でも思いつきますが、こけしの名の本当の由来は「子消し」ではなく「子芥子人形」だったのでした。

 

こけしだけじゃない!いろんな呼び方があった!

 

 
こけしは、江戸後期に東北地方の湯治場で作られていました。
そして、その呼び名も湯治場によってさまざまだったそうです。
 
こけしの他にも、こんな呼び名がありました。
 
「こげす」
「こうげし」 
「こけすんぼこ」 
「きぼこ」
「でこ」
「でく」

 
昭和15年、宮城県の鳴子温泉で全国こけし大会が開かれました。
そのときに、呼称をひらがなの「こけし」に統一されたのでした。
 

まとめ

 
こけしは、東北地方のお土産で、江戸時代末期に、「女の子のおもちゃ」として作られたものでした。
 
「子消し」という由来が広まったのは、詩人の創作が出所の誤った情報だったのです。
 
本当の由来は、「子芥子」で、また、地方によって「こけし」以外の呼び名がありました。
 
そう分かると、お土産でもらったり買ったりしやすくなりましたね。(*’▽’)

 
 
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