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こんにちは、このかです。
 
先日、とても高価な茶器を拝見する機会がありました。
私のお花の先生のお母様は、煎茶道の師匠をされています。
そして、ちょうど私がお稽古中に、生け花教室のほうに顔を出されて、お手持ちの煎茶の茶器を見せてくださったのでした。
 
煎茶道の器は、茶道のものと違って、とても小さくて可愛らしいのです。
おままごとに使えそうな大きさですよ。
 
でもでも、びっくり仰天な、とっても高価なお品なのでした。
 
伝統工芸品というのは、得てして「高い!」というイメージがありませんか?
実際、そのとおりなのですが、それも相まって、技術を継承する職人さんが減りつつあるというのが、今、大きな問題になっています。
 
そのときにいろいろお話ししながら、そうだなあと思った事を、今回はお伝えしたいと思います。

 

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1300年続く伝統工芸品が、滅びかけている!

 
 
2014年に「日本の手漉(てすき)和紙技術」が、ユネスコ無形文化遺産に正式登録されました。
 
当時は、かなりマスコミでも取り上げられたので、まだ覚えている方も多いと思います。
 
三つの「和紙」とは、埼玉県の「細川紙」・岐阜県の「本美濃紙」・島根県の「石州半紙」です。
 
和紙というのは、普通の紙と違って、かなり高価なものです。
そもそも平安時代、和歌をしたためるための和紙は、貴族たちの間でも非常に価値の高いものでした。
 
「歌合せ」の勝者の賞品が「和紙」ということもあり、しかも大人気だったというのだから、大したものです。それらは、現代の機械で一時に大量生産される「紙」とは、一線を画しています。
 
でも、和紙職人は、今では全国で、たった600人程なのだそうです。
 
世界の誉となる技術でも、後継者が育っていないのです。

本物を大事に使う

 

 

「ていねいに生きる」とか「ていねいな暮らし」という言葉は、最近の本や雑誌のタイトルでよく見かけますね。
 
ていねいに作られた本物を、長く愛情をこめて使うということ、これは、戦前まで日本人が当たり前にしていたことだと思います。
 
例えば、大正生まれの私の祖父は、私が物心ついたころから、ずっと同じ革の鞄を持って出かけていました。
 
数十年は使っていたと思います。
それは黒い鞄だったので、ぴかぴか光ってよい感じの味わいを醸し出していました。
 
きっと、良質の革でていねいに作られた製品だったのだと思います。
私の思い出の中では、その鞄は、お出かけするときの祖父の体の一部のようになっています。
 
いつも使っていて、祖父の枕元に必ずあった拡大鏡(ルーペ)も同様です。
 
そんな風に、自分のお気に入りの良い物を、ていねいに長く使っていくのって、すごく素敵な事だと思うのです。

 

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職人の世界はブラック

 

 
伝統工芸品は、各地方にたくさんあります。
焼き物、漆器、鉄器、刀剣、木工細工、竹細工、友禅などなど・・・。
全て、熟練の匠の技によるものです。
 
1000年以上も続く技術を、研ぎ澄ませながら継承していくのは素晴らしいことですが、そんな匠の技も、継承されなければ終わりです。
 
確かに、職人の世界は、とても厳しいものです。
師弟関係がはっきりしていますし、昔は「技術は盗むもの」といわれ、やり方を教えてもらうなんて甘い考えは、持てませんでした。
 
修行中の半人前の間は、ただ働きが当然です。
職種によっては、住み込みも多かったでしょう。
始めのうちは炊事・掃除などをする係で、技術を教えてもらえない場合もあります。
 
会社と同じように考えると、労使契約はどうなっているんだ?となるでしょう。
 
伝統的な日本の職人の世界は、欧米の近代主義的な職業観とは、その本質が異なるのです。
 
その伝統工芸が好きで、匠になりたいという強い意志のある人なら、厳しい修行には耐えられると思います。
 
問題は、それだけ時間と心を砕いで取り組んでも、生活できる保障がないというところにあるのです。
 
一部のカリスマ職人は別にして、一般の職人さんは、収入が少ないです。
その原因は、需要と供給の関係にあるのでしょう。
 
いくら腕の良い職人がいても、売れなければお金に換えることはできません。
今でも、しっかりした職人さんが作る伝統工芸品は、ほとんど芸術品のように高価です。
 
でも、私はみんなが安物買いをする時代はそろそろ終わりを迎え、最近は、本当に良い物を求める人が増えてきたと思います。
 
最近は、消費傾向が二極化していますね。
 
良質なこだわりの逸品を選ぶか、百均のような安価なものでよいか、消費者の嗜好が両極端になってきているのです。
 
日本の伝統工芸品を素晴らしいと思うなら、それに投資すると思って、自分の気に入ったものを手に入れるのも素敵だなと思います。

 

おわりに

 

 
日本の伝統工芸品は、残念ながら作り手が激減しています。
 
後継者不足の要因は、高額な商品が多いので、需要が少ないことです。
 
でも、その良さを私たちに伝えてくれる人が少ないなーとも思います。
優れた品物があるのを、私たちは、あまり目にすることがありません。
 
伝統を守るのが大切と思うなら、もっと、積極的にいろんな工芸品について調べてみようと思いました。
 
何か素晴らしい物を見つけたら、お知らせしますね。

 

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