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「初詣」には、家から遠い有名な神社へ出向く人が増えましたね。
お正月近くになると、報道や雑誌で毎年のように

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「初詣におすすめの神社」

などと、取り上げられます。

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しかし、現代のような「初詣」のスタイルは、日本の伝統的な慣習ではなく、ほんの150年ほど前の、明治時代になってから始まったものです。明治時代に、日本でも蒸気機関車などの鉄道産業が発達すると、行楽も兼ねて、新年に汽車に乗って有名な神社に参拝するというスタイルが流行ります。これは、当時の鉄道会社が営利目的のために宣伝・広告したものでそれが一般大衆に受け入れられ、定着していったのです。

つまり、
今私たちが毎年電車などを使って大きな神社に参拝に行く「初詣」は、完全に近代以降に定着したもの 
なのです。

しかし、「正月」は、もっとも大きな「ハレ」の日の一つです。年末年始に神社にお参りするという風習は、確かに古代から存在していました。

初詣の原形

年籠り

昔々、日本では、村や家の長が大晦日の晩から元旦の朝にかけて氏神様の社に籠って、降りてこられる年神様をお迎えし祈願するという習慣がありました。
それを「年籠り(としこもり)」といいました。この習慣はかなり古くからあったようで、平安時代の「後拾遺往生伝」という説話集には、すでにこの言葉が見られます。やがて時代が下ると、「年籠り」は、大晦日の晩に詣でる「除夜詣」元旦の朝に詣でる「元旦詣」とに分かれます。

その「元旦詣」が、現在の「初詣」の原形といわれます。
参拝の対象はその土地の氏神様でした。

恵方参り

一方、古くから「恵方参り」という慣習も日本にはあります。
これは、お正月にやってくる「年神様」信仰によるものです。
年神様は穀物の神様なので、一年のはじめに年神様のいる方角にある神社にお参りし、その年の豊作を祈るというのが恵方参りでした。これが、明治以降の新しい「初詣」につながったという説もあります。

現在では、「年籠り」を行う人はほどんどいません。しかし、年をまたいで(カウントダウンのとき)参拝する「二年参り」を行う人はいます。
また、大晦日の晩に参拝して一度家に帰り、元旦にもう一度参拝するという地方もあります。(信州に多いでしょうか。)

お正月に親族が集まる機会があったら、自分の故郷の習わしを団らんで語り合うのも、よいかもしれません。
ちなみに、私の実家は初詣に行く習慣がありませんでした。

お正月は暇でしたよ。寝正月です。

 
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