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「子供の日」(端午の節句)には、「菖蒲湯」に入る風習がありますね。
 
「端午の節句=菖蒲」とされますが、これにはどんな意味があるのでしょう。
 
今回は、「菖蒲湯」と、菖蒲と間違われやすい花菖蒲などの植物について、お話します。

 

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子供の日(端午の節句)は菖蒲湯でゆっくり!

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「菖蒲湯」は、「端午の節句」そのものと同じく中国から伝わったものです。
 
中国では季節の変わり目で体調を崩しやすい時期でもある「端午の節句」に、菖蒲やヨモギを軒先につるしたり、「菖蒲酒」にして飲んだりしました。「菖蒲酒」は、薬用酒の一種です。
それを「浴欄節(よくらんせつ)」といいます。
 
日本に伝わったのは、1300年ほど前の奈良時代といわれます。
菖蒲は、病邪を払う薬草とされ、厄除けとして用いられました。
 
「端午の節句」が「菖蒲の節句」といわれる所以です。
ちなみに、「上巳の節句」は「桃の節句」とよばれますね。
 
「桃」も、同じ厄除けの植物です。
 
昔話の「桃太郎」は、厄除けの桃から生まれますね。
菖蒲が出てくる昔話に、「食わず女房」というのがあります。
 
簡単にあらすじを言うと・・・、
 
ある男の女房は、全く何も食べない女性だったのですが、実は頭の上に大きな口のある女鬼でした。
 
それを知った男に問い詰められ、女は本性を現します。
 
最後に、男は女鬼に食べられそうになり、たまたま咲いていた菖蒲の陰に隠れます。
 
女鬼はそこに男が隠れていることに気づきますが、「菖蒲は鬼には毒で、触ると体がとけてしまう」といってあきらめたという話です。
 
菖蒲に魔除けの力があると、昔から考えられていたとわかります。
 
「浴欄節」は、平安時代になると貴族の間に広まり、武士の世(鎌倉時代)になると、「菖蒲」が「尚武」に音が通じることから、武士の間でも行われるようになります。
 
そして、太平の世となる江戸時代に、庶民の間に一気に広まりました。

 

菖蒲・花菖蒲・アヤメ・カキツバタ

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「菖蒲」は、名前や形が似ている植物があって、間違えやすいです。
 
生け花の先生は、毎年、春になると、見比べられるように、アヤメとカキツバタを同時に花材にしてくれます。
 
「端午の節句」の菖蒲湯に使う菖蒲はサトイモ科です。
葉の基に芳香があり薬草としても用いられる植物で、きれいな花を咲かせる花菖蒲とは別物です。
 
その花菖蒲とアヤメ、カキツバタは、すべてアヤメ科アヤメ属の植物です。
昔、日本人はアヤメ属の植物を、まとめて「あやめ」とよんでいました。
 
「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉がありますね。
似ていて甲乙つけがたく、判断に迷うことのたとえに使われます。
 
この3種の花は、見慣れないと、判断が難しいものです。
 
区別の仕方は、葉っぱや花びらの形が明らかに異なるので、同時に見比べると一発わかります。また、生息地の状態や、開花の時期も少しずつ異なります。
 
カキツバタの名前の由来は、古くから衣服の染料に使われたので、「書き付け花」からきているそうです。また、花びらが「燕の子」に似ていることから「燕子花」という字で表されるのです。
 
カキツバタは、古くから親しまれている花なので、歌や俳句、絵にもよく詠まれています。

 

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菖蒲湯の効能

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菖蒲の葉や根茎には、精油となる成分が多く含まれています。
特に、葉の基には強い芳香があります。
この強い芳香が薬になることもあって、厄除けに用いられたのです。
 
菖蒲の芳香の素は、アザロンとオイゲノールという成分で、血行促進や疲労回復の効果があります。
 
菖蒲湯には、香り豊かなので「葉」を使うことが多いですが、「根茎」の方が効能のある成分は多いです。
 
菖蒲の根茎を乾燥させたものが、漢方薬の「菖蒲根」です。
 
菖蒲湯は、以下のような効果があります。
 
肩こり
腰痛
冷え性
筋肉痛
神経痛

 
つまり、血行を良くして、体を温める効果があるということですね。
痛みが緩和されるというのは、大きな効能だと思います。
 

菖蒲湯の作り方

 
市販されている菖蒲は、葉と茎だけのものが多いようです。
葉には芳香が、茎には薬用成分が多く含まれますので、束にして一緒に浮かべます。
 
必ず、サトイモ科の菖蒲を使いましょう。
菖蒲は、葉っぱは似ているけれど、花菖蒲のようなきれいな花は咲きませんよ。
こんな穂状の花です。
 ↓  ↓

 
 
最近は「菖蒲根」を含む薬用入浴剤も売られています。
入浴剤ですので、お湯に入れるだけ、お手軽です(*’▽’)♪

 ↓  ↓

おわりに

 
「菖蒲湯」は、古くから厄除けの植物として定着しています。
健康に効果的なだけでなく、季節の行事を感じるよい機会にもなりますね。
 
端午の節句は、新年度が始まって一段落したゴールデンウイークにあたります。
「菖蒲湯」にゆったり入り、心身ともにリラックスしてみてはいかがでしょう。(*^^*)

 
 

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